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出産、退院から育休開始までが地味に長い②家庭編その2

なんやかやを経て、4月を迎える。

嫁は3月から産休へ入り、着々と赤子の受け入れ態勢を整えていった。
私は私で、会社を区切る整理と、嫁のフォローの毎日を過ごした。
そういえば、妊娠後期は毎晩嫁の足のマッサージをしたものだ。妊婦は常に約5キロの重りを腹に括って生活しているような状態なので、とにかく足がキツイらしい。
「女性は、妊娠期と出産期にされた事は忘れないらしいぞ。」とは嫁の言葉である。お互い、優しさを忘れないといいなぁ。

(妊娠後期に、市区等でパパママ学級のようなものが行われ、そこで妊婦体験や赤ちゃん世話練習などができる。人として優しくなれるので、是非夫婦で参加されることをオススメする。)

4月下旬の出産直前の健診で、逆子が直ったと思ったら、その翌週にはまた逆子になっており、出産直後までそんなコロコロ動くものかと驚かされた。

逆子体操なんてのもあるが、冷え性の人は逆子になりやすいから体を温めると逆子が直るとか、胎児は在るべき位置に居るのだから直すべきじゃないよとか色んな論がある。
が、最終的にどうしたいのかは自分で判断するしかないので、その積み重ねが少しずつ母を強くするのかもな、と感じたりした。


そうするうちに、あっという間に当日はやってくる。
4月下旬、結局逆子は直らず、帝王切開を決行。
ちょうどGW前であり、病院側も、万全な体制であるGW前が望ましかったようだった。
また、計画帝王切開にしたおかげで、私も予め休みを取ることができた。それも良かったことだ。嫁出産による特別休暇も発生するので、そのままGWへ突入できるタイミングだ。

出産における嫁の考えとしては、
「無理して逆子を直して何かあったら嫌だし、逆子が直ったとして結局自然分娩しきれず、緊急帝王切開するくらいなら、最初から計画帝王切開にした方が私が出産に集中できる。だからこれで良い、逆子で良い。」
ということだった。さすがだなと思った。
凄くしっかりしている。

計画帝王切開の場合、妊婦は自ら歩いて術室へ向かう(その病院ではそうだった)。
嫁は気怠そうに、しかし妙に落ち着きをもって、そして何故か半笑いで助産師さんと手術室へ歩いていった。 さぞ怖かったのだろう。

嫁の両親はこっそり病院へ来ていた。術前後の面会は嫁の希望で避けることになっていたが、心配なので来てくれていたのだ。そして休憩室で3人、その時が来るのを待つ。
緑が茂り始めた暖かな昼であった。
手持ち無沙汰で、何度もカップタイプのコーヒーを飲んだ。


それからどのくらい経っただろうか。
たしか2時間くらいだったと思う。
無事に女の子が産まれた。
平成最後寄りの、帝王切開Baby。
元・寿限無。もう胎児ではない。寿限無とは呼べない。さぁ、これから貴女を何て呼ぼう。

産まれたての赤ちゃんと対面させてもらい、不思議な感覚すぎて何故だか笑いが止まらなかった。

大型GW、人の少ない静かな病院、大事な時期を家族3人で過ごせたことは一生忘れないと思う。そう、ちょっと奮発して個室にしたのだった。窓から見える木々が穏やかだった。そんなこんなで、GW中は毎日朝から晩まで病院へ通った。

帝王切開をすると、静脈血栓塞栓症なるものになりやすいらしく、それを防ぐためにベッド上では足にポンプのような装置をつけられ、腹切り早々に嫁は歩かされていた。何てスパルタなんだ。だが皆そうしていると思うと、世の母親って本当に凄い経験をしている。
私には見守って励ますことしかできない。

出産した病院は完全母乳育児を推奨しているところであり、母親となった嫁は早速、授乳練習に追われていた。昼夜問わず、既に次の試練は始まっていたのだ。
嫁には日中できるだけ寝てもらい、その間は私が授乳以外の赤子の世話と嫁の身の回りの世話をすることにした。

帝王切開Babyの頭はまん丸くキレイであった。
(自然分娩で産まれた子供は、産道を通ったり、難産の場合は頭を吸引して引っ張り出されるので頭がコーンヘッドのようになる傾向があるらしい。よく可愛らしい帽子を被っていることが多いのはそのためのようだ)
自分の赤子の頭を見て、なんだか、新調した木魚みたいだと思った。

その3へ続く。


◆本日の1冊◆
「赤ちゃんもママもぐっすり眠れる魔法の時間割」
著者:清水瑠衣子
発売日: 2015年1月31日
最近子育てが少し落ち着いてきたので、嫁に頼らず自分でももっと知識を取り入れようという活動の一環で出会った一冊。
いきなり「南アフリカ式子育て術」が出てきて面食らうが、実践してみると、めちゃめちゃ睡眠導入&リズムが確立できてくる。読んで良かった。
今までは添い乳でしか寝なかった&寝てから移動させようとすると起きる子供が、添い乳後、ベビーベッドへ移動させてよしよししていると1人で寝られるようになってきた。全部実践するのは難しいと思うので、ご家庭に合う部分があれば参考にすれば良いかと。出産前の一読をオススメしたい。
https://a.r10.to/hfq3oN

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