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出産、退院から育休開始までが地味に長い②家庭編その1

タイトルに「地味に長い」と書いたが、別に制度として途中からでも取れるんだし、長いとかそういうことじゃなかったかもしれない。

初心に立ち戻ろう。
続いて②として家庭のこと。
その1。


少し遡ったところから、2018年8月頃、めでたく妊娠が確認された。

嫁とは長期間すったもんだあったのだが、その末に、腰を据えて妊活を開始することになったという経緯がある。
なかなか子を授かることができず、本格的な不妊治療を開始する直前であり、診てもらっていた先生も驚いていた。
本当に恵まれた話だと思う。感謝の心は忘れてはいけない。

嫁の定期健診には半休を取らせてもらったりして、ほぼ毎回立ち会わせてもらった。

一緒にエコーを見ると、少しずつ何かが大きくなっているのが分かる。正直、実感なんてものは無かった。エコー写真も、幾ら先生から説明を聞いてもどこが何だかよく分からない。
だが、何かは確実に育っているのだ。

私たちはその胎児を、これからの長い旅路を願い、「寿限無(じゅげむ)」と呼んでいた。落語でも有名な、健康長寿のチャンピオン。

まだ見ぬ愛しの寿限無。

寿限無はどうも逆子のようであり(具体的には横寝しているらしく、涅槃仏タイプのようだ。)、それでも子供自体は順調に育っていってくれた。


嫁は、目に見えてしんどさを増していった。
個人差はあるものの、基本的に女性は妊娠をすると、健康管理、体重管理などかなり制限され、大変になることを改めて知った(嫁は大変だった)。

「胎児のはなし」という本に書いてあったが、妊娠による体重増加は、胎児3キロ、胎盤500グラム、羊水500グラム、子宮500グラム、合計で約5キロ前後と言われているそうだ。
これ以上の増加はつまり、純粋な母親への増ということになり、それはお産を控える母親にとってよろしくないことになっている。

食べたものはそのまま胎児の血肉となり、母が全ての栄養源となるため、人によっては超ナイーブになってしまったり、まぁ色々ある。

出産に直面することで、自分がいかに無知だったかを思い知らされる日々を送った。
何だかんだ言って、ずっと他人事だったんだな、と。
それは、育児が始まってから更に直面するのだが。


嫁は、食べ悪阻(つわり)なる体質で、食べていないと吐き気を催すタイプであった。これは人によって全く違うみたいで、全く悪阻が無いような人もいるらしい。
(参考までに、悪阻は、胎児に悪い物が行かないように母親が起こす本能的アクションだと言う整体の先生がいた。ということは、食べ悪阻は「もっと栄養をくれ、ただし良質なやつをくれ」と言っていたのだろうか?)

太っちゃいけないが、食べないと気持ち悪い。
納豆が嫌いだけど、納豆を食べていないと呼吸ができない、みたいな感じか。

ご飯を食べていたと思ったら、スッと立ち上がってトイレで嘔吐する。ついていって背中をさする。そして次の瞬間には、何事も無かったかのように席に戻ってまた食べ始める。そんな日々が繰り返される。そして何が大変かというと、これは産休に入るまで外でも、職場でも例外ではないということだ。
いや、あれはかなり辛かったと思う。男性には何もできないもどかしさがある。今思えば、そんな日々は、サイケデリックというか、狂気が潜む日常だった。

その2へ続く。


◆本日の1冊◆
「パパになった旦那よ、ママの本音を聞け!」
著者:野々村友紀子
発売日:2019年2月21日
前々から二丁拳銃のヘドロじゃない方の嫁の本が気になっていたので読むことに。
育休の有無に関わらず、パパになる方は一読しておいて損はない1冊かと。私は今でこそ育休を取得して嫁と2人で育児をしているので子育てについて当たり前と思えていることが多いが、そうでなかったら、ほぼ無知というか、心構えは全く別物だったと思う。これからの時代の基本パパ像は、“イクメン”の更に一山を乗り越えないといけないのかもしれない。
https://a.r10.to/hfb4uH

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