病院は高齢者を預けるところではない
みなさんこんにちは、救急医のかたかたです🚑
日々活用できる、知ってて自慢できる救急の知識を提供しています👊🏻
今回は、少し攻めたテーマでお話ししていこうかと思います。
タイトルにある通り「病院は高齢者を預けるところではない」
これは日々診療をしていて直面する問題であり、皆さんに周知して欲しい思いから少し強めのタイトルとしました。
大きな社会問題となっているので、繰り返し啓蒙していけたらなと思います。
ではさっそくいきましょう。
結論
病院は病人をケアするところであり、高齢というだけでは入院を受け入れられない病院が多々ある。
病院の特性を知り、病院任せにせず、早めに行動していきましょう。
何を言いたいのか?
診療していると、高齢者の転倒、高齢者の食欲低下、高齢者の頭痛、高齢者の…などたくさんのことで搬送されたり受診されたりします。
まず大前提としてこれに関しての申したいことはありません!
なんらかの病気としてみてもらいたいといったことであれば受診してもらって全く悪いことはないです。
ただ、ここからが問題なのです。
「もう家では見れなくて…」
「たまたま実家に来たらちょっと老夫婦だけの生活は厳しいかなと思って…」
などなど
こういった発言をすることにより、高齢者を入院させてくれないかと要求されることが多々あります。
これも場合によったら良いかと思います。
しかし、それ以外においてはこの問答に関して多大な時間を費やすようなら、他の緊急を要する患者さんの対応に支障が出るため禁物です。
どういった病院ならよいのか
とはいえ、病的ではないが本当に生活できない状態で急にどうにもできないことは確かにあります。
急に施設入所や在宅医療介入などは簡単ではないでしょう。
その頼みということで病院で入院するというのは頼みの綱でしょう。
ではどういう病院なら入院の受け入れが可能になりそうか。
それは地域の病院で主に(急性期〜)慢性期の患者さんを入院で見ているところです。
その多くは救急車の受け入れも最小限で、外来の数もそこまで多くないような病院が多いです。
慢性期というのは何か病気を発症して治療して一旦落ち着いた期間もしくは長い間緊急的ではない病気を発症した時期を指します。
いわゆる救急に関与するよりも長く病院で診ていくようなものといったイメージです。
それでも入院できないケースも多いです。
簡単にいうと、たくさん救急車を受け入れたり、たくさんの診療科があるような緊急の患者さんを多く見てくれている病院以外ということです。
最近思うこと
当然ですが、こういったことを知らない人が多く、搬送されて何もなくても入院させて欲しいといった声は本当に多いです。
もはや毎日聞くのではないかというくらいです。
これに対応するかのように、救急車からの受け入れ依頼の電話で
「帰宅前提であれば…」「帰宅となっても問題なければ…」
といった形で救急車を受け入れることが増えました。
(私個人ではなくそれぞれの病院での苦肉の策)
これは本末転倒ではないでしょうか。
だって救急車は搬送される段階では歩けないし、きつくてたまらない人が運ばれるものですもの。
そうではない人が簡単に運ばれてしまっているというのが現状です。
これには高齢者に限ったことではないですし、若い人でもなんで救急車?といった人はやはり多いです。
ただ、入院のお願いをがあるのはほとんどが高齢者です。
私はそれに喝を入れたい。
どうしたらよい?
まず、自分自身が高齢者であるならば生活状況をしっかり把握して、1人で風邪を引くなど体調を崩してもやっていける状態かを理解する。
そして何より大事なのが、親族が高齢者もしくは高齢になっていくような人は手洗いうがいと同じで、予防する予期しておくことが重要です。
ちょっと生活が厳しくなるかもしれない(階段しかない家に住んでいる、料理をする人がいない、持病が悪化しそうなど)場合は早めに生活できる範囲かどうかを予測しなければいけません。
厳しそうであれば、しっかり話し合いの場を設けて対応しなければならないのではないでしょうか。
予防としては施設入所やデイサービス、ショートステイなどの利用や二世帯住宅との併用などがあります。
これをしていない人が本当に多いです。他人事ではないと思わないといけないです。
今後私のnoteでもこういったときにどうしておくかを詳細に記載していきたいなと思います。
賛否両論、いろんな意見があると思いますが、一つの意見としてお聞きください。
最後まで読んでいただきありがとうこざいます!
少し攻めてないようですが、いかがでしたか?
高齢者を搬送しないでくれという意味では断じてなく、治療が必要な高齢者は多く、病的であれば必ず入院してもらいます。
そこをのぞいた話であることをどうかご理解ください。
疑問質問があればいつでもどうぞ!
それでは!
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