「基本って何?」 "教える"を考える その2
基本て大事ですよね。スポーツでも音楽でも美術でも。道具や体がきちんと動くこと、正しく動くこと。地道な遠回りに見えても最終的な「伸び率」が大きく変わること。成功した人はみんな口を揃えて言います
初学者にとっての「基本・基礎」
じゃあ立場を逆にして考えましょう。これからそのジャンルを学び始めよう!と意気込む人がいきなり「ジョギングして」とか「姿勢の矯正しましょう」とか「1000文字写経しましょう」とか言われたらどうでしょう。
僕ならこう思います。めんどくさ。
「基本」という言葉に宿る、初学者・指導者間のギャップ
そうなんです。このギャップの存在に気づいていないか、もしくは気づいているが無視してゴリ押しする指導者の下には初学者が着いていかないという状況があります。
もしくは初学者に媚びる形で基礎ぶっちぎり大技ばっか教える指導者の下では最終的に困るのは受講者だったりするんですよね。
この厄介な「基本」をどうするのか?がスクール運営のキモだったりするのです
どのスクールも大体「体験レッスン」があるんじゃないかなと思います。初学者さんからすると勇気を持って初めてそのジャンルと触れ合う場面。スクールからするとこれから受講生さんになってくれるかもしれないファーストタッチなんです。
ここで何をするのか?ってことはかなり重要なのがご理解いただけますでしょうか。ふふふ
例えば最初にサッカー教室を訪ねた際に、体験レッスンで何をするのか?何を得て帰ってもらうか?は、いわば「基本」と「楽しさ」をどうバランス良く伝えるのか?という話だったりします。
実際僕は子供の頃、サッカー教室を訪ねた初日に先輩受講者に混じって練習試合的なものに参加させてもらいました。ところが悪いことにフリーキックの壁をやるよう言われ、「股間だけ守れ。顔は大丈夫」と言われて子供ながらにドン引きして、以降野球派になりました。
体験レッスンの作り方
この例では基本とはちょっと違うけれど、自分だったらこういう体験レッスンはしないなと思うんですよね。
例えばシンプルにパスだけにフォーカス
「思ったところ」に行くというゴールを共有します
(例:「出来たらいいよね」とかプロのパスの映像見せたり)。出来ない原因を教えます。
(つま先だとボールに当たるところが小さいとか)具体的な手順を教えます
(インサイドキック)ここで終わっちゃダメですよ!最後はインサイドキックを使ってPK合戦やパスでボールを穴に通すゲームなどで「出来た」感を経験してもらいます。
どう。楽しそうでしょ。
ポイントは「出来るともっと楽しいよ」と思わせる事、「出来る方法」を教える事、「達成感」を感じてもらうこと。
まとめ
基本基本言うのは、受講生がもう少し成長してからで十分間に合うんですよね。
個人的には自分のスクールを商売メインで教える場とだけは考えてはおらず、どちらかというと「自分らの業界に入る最初の入口」だと考えているので、「楽しく基本を自然に理解してもらう」ことはかなり重要視しています。
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