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「教えるに潜む勘違い」 "教える"を考える その3

スクール運営の2つのポイント

スクール運営には大きな2つのポイントがあります。受講生にたくさん来ていただくことはもちろんなのですが、見逃しがちなことがもう一つあります。

「講師の質」です。もしくは「指導の質」。いくら公式サイトや予約システムが立派で、カリキュラムが充実していても、それを伝える講師の質が低いようだと、指導内容の低下、受講生満足度の低下、悪いクチコミの海、そして地獄へ…。という悪循環が発生します。

講師の質とは?

講師の質ってなんでしょう。

  • 指導内容に応じた技術レベル

  • カリキュラムの理解度

  • 指導方針、指導方法への対応度

あたりは誰でも浮かぶものだと思うのですが、実はもう一つ重要な事があります。それは「教える」ことです。は?

「教える」の勘違い

自分の場合20年近く「講師を育てる」ことをしてきて思うのは、「教える」ってことを勘違いしている人が多いんですよ!
教えるってことを「講師が知ってることを言う」ぐらいにしか思ってない人が多い。「言う」ってなんやねんショボって思うでしょ。でも実は「言う」だけに陥っている人が多い。
大手企業の人事育成部門や、某大手デザインスクールにいた人でさえこんな感じでした。
でもね、教える人ってすぐ「教える」を勘違いしちゃうんですよ。それは端的に言って自分が「先生」であるという優位性を「偉い」と勘違いしやすい環境にいるから。
受講生が理解してくれないことを、「受講生のせいだ」と簡単に思えてしまう優位性(の勘違い)がそもそもの原因です。

受講生から観た「教わる」

じゃあさ、受講生にとっての「教わる」ってなんだって話です。
乱暴な言い方すると、どんな人にどんなカリキュラムで教わろうというより「覚えよう」だと思うんです。受講内容をマスターするための手段としてカリキュラムがありテキストがあり、講師がいる。あくまでそれらは「覚えるためのツール」の一つでしかなく、覚えられなかったら全てゴミなんです。

教えるってなによ

そうなんです。「教える」ってカリキュラムを読み上げる事でも、講師が知っていることをペラペラ言うだけでは絶対にありません。
教えるってのは「覚えてもらう」です。究極的に言って講師は受講生全員に分かってもらうための行為だって事です。

もちろん全員は無理かもしれない。やる気のあるなしや、受講態度までは講師にはなんとも出来ないかもしれない。それでもただカリキュラムを伝える仕事じゃないって事ですよね。

レベルの高い講師を育成するために

大事なことは「受講生に覚えてもらう」という学校内でのコンセンサスは絶対に必要です。
そして運営企業側としては、一人の受講生をサポートして引き上げていく仕組み(時間・金銭的にはロスかもしれなくても)を作る必要があります。
講師への評価も検討すべきです。例えば受講生からの評価、受講生の理解度の評価。
そうした「受講生本位」での絶対評価が一つでも作ることは重要です。
でももっと一番重要なのは「教える」ということを勘違いしていない人を採用する事だったりします。
そうした人材の見極めについては、また別の記事で書きますね。

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