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アルバニアの通貨

昨日コソボからアルバニアに入国した

今までで一番ユルい国境だった

どうやら 国境と思っていない
 ❝同じ国❞ と思っているようだ

コソボでバスに乗ったときに
すぐに乗客全員のパスポートを回収し
恐らく名前やパスポート番号とかだと思うけど
A4の紙1枚に書き込んでリストを作り
パスポートはすぐに返してくれた

途中の料金所風の窓口でそのリストを提出した

バスから降りたのはそれを渡した運転手だけ

ものの数秒で全てが終わり
大きな、50人くらい乗れるバスは
何事も無かったかのように走り出す

ひょっとして
今のは国境だったのかな?

係官はパスポート(の実物)を確認しようともしない

居眠りしていたら絶対に気が付かない

プリズレンという観光地を出て
20分くらいのところだった

その後
運転手は高速道路の途中でバスを止め
電話で誰かと会話しながらドアを開けた

運転助手は遠くの山を指差し
「ククスの町はあっちの方だよ」
そして ❝sorry…❞と小声で呟いた

ククスは僕が向かう町
湖の畔の、小さな町

どうやらここからは歩くしかないようだ

遠くに道のようなものが見える
山間の 開けた土地だからか
風がずいぶん強い

高速で横を走り抜ける車の音の合間に
遠くで鳴いている鳥の声が聞こえる

こういう旅は久しぶりだな

というか
旅ってこんなものだったな
と思い出した

今までのはほとんど旅行だ
目的地がハッキリしていて
移動手段も宿も決まっている

最近ではwifiをレンタルして
Googleマップを見ながら歩く

これが最近の旅のカタチらしい

苦労することの楽しさを知らないのは
可哀そう
苦労するほどいい思い出になるのに
迷うから、発見があるのに

ホンの30分ほど歩いたら
遠くに見えた町の外れにたどり着いた
思ったより近かった

炎天下に歩いたので喉が渇いた
そういえば
バスターミナルで朝食を取るつもりが
ターミナルに着くなり目的地方面行きのバスが見つかったので
すぐに飛び乗ってしまったのだった

水も買っていない

どこか水を変えるところはないか

そういえば
あまりにあっけなく入国したので
両替していない!

しまった!

こんな田舎で両替できるところあるかな?

見つけられない

道行く優しそうなオジサンに声をかけてみる

やはり英語は通じない

ユーロ札を見せて
「バンク!バンク!チェンジ!チェンジ!」
と言ったら通じたようだ

オジサンはニッコリといい笑顔を見せて
アルバニア語で何か言いながら
次の角を指差し、それから指を左の方へ向けた

なるほど 次の角を左に曲がれと言うことだな

オジサンはさらに指を下に向けた

フムフム
きっと銀行、あるいは両替所は地下にあるから見落とすな
と言っているのだな

了解!
オジサマありがとう!

こちらも満面の笑みで感謝を表現した

次の角を目指し、道の左側を進んだ

ふと見ると
道の反対側をオジサマが歩いている

次の角を左に曲がるときに
もう一度オジサマに笑顔を向けたら

道の向こうから手招きしている

なんだろう?

道を渡り オジサマに向かうと
オジサマは笑顔で右側にある建物の
10段ほどの階段の上を指差している

そこに銀行系の両替所が有った

さっきのジェスチャーはなんだったんだ?

左に行ったら両替所はないぞ
地下には絶対にないからなってことか?

まあ いいや
これで水が買える

両替レートは1ユーロで100レク
ふーん
この国の通貨はレクって言うのか

スーパーを探し、冷えた水をレジに持っていき
200レク紙幣を出したら
お釣りが1ユーロと50レクだった

あれ?
間違えてない?

一生懸命伝えたが
レジのお姉さんは理解しない
何が問題なのか? このアジア人は何を言いたいのかが分からない

金額的にはたぶん合ってるけど
でもこれユーロのコインだよ

後で知ったのだが
ここではレクもユーロも問題なく使える

そういうことか
両替する必要は無かったんだ

でも 楽しい経験が出来た

ちなみに
この国の貨幣には
Albania の文字はない

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