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ピラニアとよばれた男

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総合格闘家、長南亮の半生を忘れないうちに振り返ってみる。 どのように格闘技と出会いそれを生業としたのか? 今格闘技を始めようと思っている人、始めたい人、始めたばかりの人、興味の…
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#上京物語

人生終了

人生終了

プロレス好きのTさん

K工務店ではただただ働く日々だった。
相棒のGSX-Rは動かないままで俺には働く事以外に何もなかった。
仕事が終わっても部屋に現場の図面を持ち帰っては睨めっこしながら電卓を叩き理解しようと勉強した。

最初はキャリアのある職人さん達のスピードに付いていけず悔しい思いをしたけれど場数を踏めばそれなりのスピードで仕事が出来るようになってきた。今と違って酒もそんなに飲まなかった。

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型枠大工

型枠大工

地元に戻ると関東の電車図や地図を広げてどこに住もうか考えた。
ここにこれがあるとか誰々がいるとか。
当時はスマホは愚かネットも広まっていない時代だったので紙媒体が頼りだった。

つくばサーキット…東京、空手、会社といろいろ考えた。
で、当時は何故か東京の玄関と言うと東北人の俺にとって上野がインパクトがあって上野から何処に住もうか場所を広げて考えた。
上野はアメ横があって当時は偽造テレカを売るイラン

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18歳

18歳

冬冬が訪れる。山形は雪が降るのでバイクは乗れなくなるのだが、皆が車を買い出すのでそれに乗せてもらって移動する事が多くなった。
学校に行く時はほぼ毎日のように母が雪道を運転して俺を送って行った。
俺は卒業が近いと言うのにこの後に及んでサボろうとしていた。
親に送ってもらっているのに申し訳ないのだが朝のホームルームで出欠の確認した後にバスに乗ってそのまま帰宅したりもした。
サボれば前はバイクで走ってい

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