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Instagram「リール」活用のポイントとは? 美容・化粧品業界のリール 323件を分析

本記事では、トライバルのInstagramチームが53アカウントのリール(Reels)323件を収集・分析した内容と、企業やブランドがリールを活用する際のポイントをご紹介します。

Instagramのフィードやストーリーズとリールの違いや、53アカウント・323件の分析結果、企業やブランドがどのように活用すべきなのかについて興味のある方はぜひご覧ください。

Instagramのリール(Reels)とは?

リールは2020年8月に追加された、Instagram上で最長60秒の短尺動画を作成・編集・投稿できる機能です。

Instagramの投稿画面でスタンプやARエフェクト、音楽をつけることができ、動画の速度なども簡単に編集できるのがポイントです。リールはInstagramの以下5箇所で表示されます(2021年1月時点)。

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※他にも、リール動画に楽曲やハッシュタグ、エフェクトを使用している場合、その楽曲やハッシュタグ、エフェクトをタップした時に開く専用ページにリール動画が表示されることもあります。

また、発見タブに表示される一部のリールには「注目」と表示されます。ユーザーが気に入る可能性の高いものや幅広いオーディエンスに面白いと感じてもらえる可能性があるリールに表示されているようで、その詳細はFacebookのヘルプセンターよりご覧いただけます。

リールと他機能の違い(特徴や活用方法など)

Instagramには、リールの他にもフィードやストーリーズ、IGTVなどの機能が豊富にありますが、どのように違うのでしょうか? 以下の図では、各機能の「できること」「特徴」「表示場所」「主な活用方法」についてまとめました。

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表の「主な活用方法」からもわかるとおり、フィードとリールはフォロワーだけでなく非フォロワーにもリーチできる機能ですが、なかでもリールはリーチ獲得の役割として特に注目されています。フィードに比べても表示場所が多く、非フォロワーへのアプローチやブランドの認知獲得に期待できるでしょう。

また、リールは2021年5月24日にインサイトから「リーチしたアカウント数」「再生数」「いいね! 数」「コメント数」「シェアされた数」「保存された数」を確認できるようになったため、フィードやストーリーズと同じく効果検証するのをおすすめします。

美容・化粧品業界53アカウントのリール323件の分析結果

今回、分析したアカウント・投稿の概要は以下のとおりです。

・美容・化粧品業界の企業やブランドのアカウントから、53アカウントを選定(メーカーだけでなくコスメショップのアカウントも含む)
・集計したリールは2020年8月1日~2021年1月6日に投稿されたもの
・アカウントのフォロワー数は1,500~550,000(2021年1月7日時点)
・各リールの再生数・いいね数は、2021年1月7日時点の数値

① 再生数

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①は、集計した323件のリールを再生数別にしたものです。
再生数の平均値は34,631、中央値は16,000でした。もっとも再生数が多かったのは509,000。

323件のうち205件が10,000回再生を超えていたことから、企業やブランドのリールを評価する場合は再生数が10,000回を上回っているかどうかが一つの基準になりそうです。

② いいね数

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②は、集計したリールをいいね数別にしたものです。
いいね数の平均値は385、中央値は251で、もっともいいね数が多かったのは4,684。再生数が一番多かったリールと同じでした。

③ いいね率(いいね数 / 再生数 × 100)

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③は集計したリールの再生数といいね数からいいね率を算出し、いいね率別にしたものです。
いいね率の平均値は1.66%、中央値は1.27%。もっともいいね率が高かったリールは27.5%でしたが、再生数・いいね数が一番多かったリールではありませんでした。

いいね率は、再生数に対するいいね数の割合です。いいね数に対して再生数が少ないといいね率は高くなることから、いいね率だけで評価するのではなく再生数やいいね数(実数)とあわせて効果検証をすることが重要です。

④ 再生数といいね数の相関関係

④は、フィードに投稿されたリール 323件の再生数・いいね数を散布図にしたものです。再生数といいね数に相関関係があるかどうか(再生数が多いリールはいいね数も多いのかどうか)を確認します。

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再生数が多いといいね数も多いように見えますが、再生数200,000・いいね数1,000に絞り込むと……

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いいね数500前後から、点が大きく分散しているのがわかります。
また、750いいねを獲得していても再生数が伸びていないリールもあれば(図A)、いいね数が0に近いにも関わらず50,000回再生されているリールもありました(図B)。

このことから再生数、もしくはいいね数のどちらかが多い場合に、もう片方の数値も必ず伸びるとは言い切れないことがわかりました。

【番外編】フォロワー数と再生数・いいね数の相関関係

アカウントのフォロワー数とリールの再生数・いいね数に相関関係があるかどうかも分析しましたが、今回は確認できませんでした。

フォロワー数が少ないアカウントのリールでも、フォロワー数が多いアカウントのリールと同じか、それ以上の再生数・いいね数を獲得したリールが数多くあり、反対にフォロワー数が多いアカウントの場合でも再生数やいいね数が伸びないケースも見受けられました。

再生数といいね数が多いリール事例

ピックアップしたアカウントの中から、再生数といいね数が多いリールをご紹介します。商品の特徴やメリットを短い時間で端的に表現しており、驚きや発見などの要素があるのもポイントです。

▼SABON Japan(サボン ジャパン公式)
https://www.instagram.com/reel/CIVSOEWhapG/

▼SALONIA(サロニア)
https://www.instagram.com/reel/CI7mGCpBU8W/

▼Cosme Kitchen/コスメキッチン Official
https://www.instagram.com/reel/CEVqgEUJaBc/

企業やブランドがリールを効果的に活用するには?

今回収集した323件のリールの各平均値・中央値は以下のとおりです。自社の投稿を評価するための比較対象(ベンチマーク)としてお役立ていただけると嬉しいです。

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前半でもご紹介したとおり、リールはリーチ獲得に向いた機能です。リーチ獲得に貢献したかどうかを確認するには再生数が重要なKPI指標になる場合が多いでしょう。

また、トライバルのInstagramチームは、再生数を増やしてリーチを獲得するためには「動画が最後まで再生されたかどうか」が重要なのではないかと考えています。

ユーザーが動画を最後まで観たくなるように、以下の項目を意識して動画を設計いただけると再生数やリーチにつながりやすいと思われますので、ぜひ参考にしてください。

・動画の開始直後「3秒」以内が勝負
・画面切り替えのテンポを早くして飽きさせない
・流行っている楽曲やARエフェクトなどを活用して興味をひく
・フィードやストーリーズに比べて「商品の使用感」を伝える内容が好まれる傾向にある
・動画を繰り返し観たくなる仕掛けもポイント(クイズやお役立ち情報など)

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今回リールを分析・考察したInstagramチームは、数多くの企業・ブランドアカウントをご支援しています。もし興味のある方は、ぜひこちらからお問い合わせください。

また、企業やブランドがInstagramなどのソーシャルメディアを活用する際のお役立ち情報を、ダウンロード資料として公開しています。無料でダウンロードいただけますので、ぜひご覧ください!

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