あきらめない、ために。

某一族が戦後７０年以上かけて築いてきた「中立」が壊れつつあるけれど、そこは私にはどうでもよい。

私が心配しているのは、若い世代に対する影響。

悪影響を恐れるがゆえに言いたい。「人生は確かに毛並みの良さとか、獲得したコネクションで決まることは多い。事実を曲げて言う事は出来ない。でも、絶対にあきらめるな。」

とりあえず自分も経験して、今回の案件と絡む事項として「進学」「就職」「借金（奨学金）」「キャリアアップ」「海外生活」で”多分いるであろう人”を一般化して列挙してみた。

〇 親の学費負担を心配したり、もしくは最初から負担できないなどの事情で学費を抑えられる学校に行けるよう努力をする人

〇 進学しても奨学金を受給したり、アルバイトしたり節約したり、いろいろな工夫をして自活する人

〇 親元に近い進学先を選んだり、安価な寮や下宿生活をする人

〇 就職して理想と異なる環境に置かれても、まずは生活費を稼ぎながら己のキャリアアップを空き時間に行う人（もちろん、身体を壊すような環境であれば別。退職を選択してはいけない、という事ではない）

〇 就職したら奨学金などの借りたお金を地道に返済して、次の世代に給付を繋げていく人

〇 海外で生活するための準備を自分の力で行う人（ビザの取得にしても、正当に行うのは本当に大変で時間もかかる。欧州の場合十指指紋まで取られた。）

〇 海外で日本人会に行って、コネもない状態から情報を努力して集める人

〇 海外生活や海外出向は別に天国じゃない。むしろ生活は大変だし、責任ばかり取らされて辛い目に合う事も多いはず。それでも前向きさを忘れない人

書いてある事、あまりにも当たり前すぎてズッコケるようなことだ。でも今回そのズッコケるようなことをすべてパススルーして「許される」事例が世間に公開されてしまった。

「周りに配慮しながら」「ルールを守り」「自分を作りあげていくこと」全部当たり前のことだ。そして、そんな人はこの日本に星の数ほどいる。

でもそんな「当たり前のことを当たり前にする」普通の人たちこそがこのコミュニティ（「日本」といういい方は面映ゆいので避けた）の宝。まさに「星」だ。

だけど日本はこの数十年、この「星」をずっと持ち腐れにして、ひたすらやる気を削ぎ、スポイルするようなメッセージを発し続けてきた。

今回あったことは、おそらく当人とその周辺は考えたこともないと思うけれど、本当に沢山の「普通に立派な人」を愚弄する要素が詰まっている。腹が立つ方も多いと思う。心が折れた人ももしかしたらいるかもしれない。

だから私は、信じられないほど書き込まれるネットの攻撃的な文章を頭ごなしに否定することができない。その底に流れる気持ちがくみ取れるから。

だけど、だからこそ「あきらめるな」と言いたい。何度でも言いたい。

ちょっとでも誰かに届いてほしくて書いておくよ。