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「スマートショッピングカート 」開発秘話 #5―パーソナライズされる独自のレコメンドシステム

トライアルグループが掲げる“リテールDX“の実現にあたり、社内で最も力を入れているプロジェクトが「スマートショッピングカート」の開発・研究である。今回はトライアルグループのテクノロジー開発を一手に担うプロフェッショナル集団・株式会社Retail AIの経営陣に、その開発の軌跡や今後の展望を語ってもらう

語り手
シャヒドエムデイタンビル :RetailShift SSC Product Department System Architect

前回までの記事はこちら

―スマートショッピングカート(以下、SSC)の機能の1つに「レコメンド」というものがあるかと思うのですが、どのように行われているのですか。

タンビル

「SSCのレコメンド機能で表示される内容は、”アイテムレコメンド”があります。アイテムレコメンドとはお客様がスキャンした商品に応じて別の商品を提案することです。また、アイテムレコメンド機能とは別に、クーポンの配信もあります。クーポンはSSCを使用したお客様だけが使用できるもので、クーポン対象商品リストからお買い物することもできますし、対象商品をスキャンした時にはクーポンが利用できますという画面も表示されます。

お買い物中に表示されるクーポン
クーポンリスト一覧(例)

それぞれ例を挙げます。例えば大根がスキャンされた際、旬のおすすめ商品としてブリを販売していたらその情報を表示し、「今日はブリ大根が作れそうだな」というヒントにしてもらうのがアイテムレコメンドです。鶏肉をスキャンしたあとに「ポイント10倍になります」と表示され、「利用する」を押すと、会計時にポイントが付与されるのがクーポン機能です。

もちろんなんでもかんでもレコメンドするのではなく、その時々のおススメ商品やお買い得品、旬の食材など、お客様にとってより有益な選択をとれるようなシステムを意識しています。
SSCを初めて利用される方がアイテムスキャンした際には、SSC はアイテム カテゴリに基づいて一般化されたレコメンド商品を表示させて頂いています。お客様が SSCの利用回数を重ねるたびに、レコメンデーションシステムはお客様自身の購買傾向を学習し、さらに精度の高いレコメンデーションを行っていきます。」

タンビル

「厳密にいうとSSC のレコメンデーションは店舗にてお客様のお買い物中に行われるため、通常の eコマースとはやや性質が異なります。お客様はお店の中での移動やお買い物で忙しいことが多く、レコメンドを表示するタブレット上のスペースも限られています。そういった状況において、画面上でお客様の目を引く情報を表示して、レコメンド商品やクーポンをチェックいただく…というのは継続的に考えていかなければならない大きな課題です。
レコメンデーションの精度向上や、タブレットに表示される日々のおススメ情報をお客様により見ていただくために、さまざまなユーザー中心の ML アルゴリズムを頻繁にテストして、ユーザーの注目を引き付けています。」