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トライアドジャパン医薬開発本部代表・後藤が語る、事業への想い「1日も早く患者さんに治療薬を届けたい」

精神科に特化した治験ボランティア募集サイト「トライアド治験ネット」を運営するトライアドジャパン株式会社。事業部門の代表・後藤美穂に、事業立ち上げの思いを聞きました。
(2023.6.1更新)

【プロフィール】
トライアドジャパン株式会社
代表取締役副社長  医薬開発本部  本部長   後藤 美穂
日本SMO協会 会長


国立精神神経センター武蔵病院(現在NCNP)で看護師として従事し、2007年トライアドジャパン入社。CRCや事務局を経て、2021年に代表取締役就任。2023年6月より現職。2015年から一般財団法人臨床試験支援財団評議員。2021年CRCと臨床試験のあり方を考える会議プログラム委員長。明治薬科大学博士(薬学)学位取得。日本SMO協会会長。

【トライアド治験ネット】を立ち上げた理由

――【トライアド治験ネット】がオープンしました。立ち上げの経緯を教えてください。


【トライアド治験ネット】は2022年10月に、精神科領域を中心とする被験者募集サイトとしてオープンしました。
ただ、完全にゼロからのスタートではありません。前身は、私が代表を務める別のNPO法人「CNSネットワーク協議会」の治験ボランティア事業でした。精神科の患者さんで治験に参加したい方のために始めた規模の小さなサービスでしたが、おかげさまで会員さんや提携する医療機関、紹介できる治験数も増えてきたため、よりサービス強化・発展させるために、SMO※を展開するトライアドジャパンが引き継いだんです。NPO時代からみると、足掛け8年近く、精神科の治験ボランティア募集事業に携わっています。

トップページ|精神科の治験ならトライアド治験ネット
2022年10月オープンの【トライアド治験ネット】

※SMO…医療機関で行われる治験をサポートする専門機関のこと。病院にCRC(治験コーディネーター)を派遣して医師や被験者(患者)をサポートしたり、治験にかかわる事務局業務を行う。

注:トライアド治験ネットnote編集部

ーーさらなる事業発展を目指して、ということですね。事業コンセプトを教えてください。

コンセプトは「精神科領域を熟知した事業体」であることです。
同じ病で苦しむ患者さんに、1日でも早く治療薬を届けるために、私たちは治験ボランティア募集事業を行っています。
精神科の領域では、疾患特性上、一般的な被験者募集サイトが取り組まれている方法では、その方の状態等を正確に把握することが難しく、課題となっています。これを解決するためには、精神科領域を熟知した事業体の存在が不可欠だと考え、【トライアド治験ネット】を立ち上げました。

精神科領域への想い

――「精神科」の治験を中心に紹介していることが、【トライアド治験ネット】の特徴です。精神科に特化する理由は?

“事業戦略”といえば格好良いかもしれませんが…(笑)
事実、戦略でもありますが、個人的な想いの部分でいえば、私自身が「精神科の病棟に勤務する看護師であった」ことも、モチベーションの部分では大きいですね。

学生時代から、個人的な理由もあって、人の「こころ」に興味をもち、うつ病や統合失調症の家族会や当事者会のボランティアを行いながら、精神科の看護師を目指していました。その後、精神科の病棟に勤務して、たくさんの患者さんのケアに携わっていく中で、一番驚いたのが薬物治療の効果でした。
疾患にもよりますが、強い精神症状によって苦痛を感じられていたり、時には錯乱状態にまで陥ってしまった患者さんが、医師による適切な薬物治療によって、本当に穏やかに安定されていく、回復されていく過程を目の当たりにしたんです。これには、本当に驚きました。その方に合った薬物治療に出会えると、ここまで回復できるのだと…。

患者さんや家族が笑顔を取り戻して退院していく姿を見て、こんなふうに早く元気になって、元の生活を取り戻せる方が増えたらいいなと心から思いました。そこから「薬」へ興味が大きくなって、やがてCRCとなり、今に繋がっています。
もちろん、お薬だけが精神科の治療ではありません。ですが、今も多くの患者さんが精神疾患で苦しむ中、薬物治療が有効な治療法の1つであることは事実ですので、1日でも早く、新しい治療薬を患者さんに届けたいと思うようになりました

CRCとして病院勤務をしていた頃の後藤代表

―――「精神疾患で苦しむ患者さんや精神科医療そのものへの想い」が根底にあるのですね。

はい。新しいくすりが患者さんに届けられるためには「治験」が必要です。そして「治験」にとって最も大切なのは、治験に参加いただく「治験ボランティア」の存在です。
私たちは、主に「第Ⅲ相」と呼ばれる、実際の治療に近い形で治験薬を投与し、有効性と安全性を調査する試験のボランティア募集を行っています。ですので、ご応募される方も、その疾患の闘病中の方となります。
大変な状況の中、治験にご協力いただくボランティアの方々のためにも、【トライアド治験ネット】は、「患者さんに寄り添い、患者さんを中心とした治験ボランティア事業」を基本精神に、疾患を抱える患者さんが、その方にあった、より良い治験に出会えるようにサービスを提供していきたいと思っています。

――ありがとうございました。次回は【トライアド治験ネット】のサービスについて詳しく教えてください。
 

こちらこそ、お話ありがとうございました。最後一つだけよいですか…?
トライアドジャパンのSMO事業としては、「精神科」だけでなく、あらゆる領域の新薬開発支援を実施しています!ここだけは強調させてください!

最近でいえば、この3年間、私たちが闘ってきた新型コロナウイルス(COVID-19)の治療薬やワクチンの治験にも携わりました。

今後も、日本国内における、様々な疾患の治療に欠かせない「薬」の開発支援に携わっていきます。日本は海外に比べて治験が遅れており、そのために「海外であれば治療薬として安全に服用できる薬も、日本では処方できない」といった状況もあります。

治験ボランティア募集事業を運営する社の責務として、多くの方に「治験」を少しでも身近に、自分事と感じていただけたるように…。そして少しでも興味を持っていただけたら、情報収集や情報拡散、そして”参加”にもご協力いただけるよう、治験の意義や安全性への取り組み、メリット・デメリット、そして治験現場の様子など、治験についてのさまざまな情報を、スタッフ一丸となって発信していきたいと思っています!

今後ともトライアド治験ネットをどうぞよろしくお願い致します。

(了)

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【私たちについて】

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