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自分はメンタルが強いから絶対大丈夫!は、絶対無いと思え!うつ病の始まりとは? 危険信号をキャッチする。【メンタルヘルスノート #5】 

これまで、脳とこころの関係についてお話をしてきました。
それではここから、脳(こころ)が疲労してしまった状態についてお話していきますね。


前回、交感神経が酷使されないように、副交感神経とバランスをとることが大切とお伝えしましたが、この交感神経と副交感神経のON・OFFを意識することは、かなり難しいことです。
仕事と仕事の合間に一息入れる、夜寝る前に脱力して深呼吸するなどは意識してできますが、ストレスフルな危機的状態のさなかに、一息したり脱力したりすることは正直困難です。

まして、それが仕事や社会的な場面であったりすると、その場からすぐに逃げることはなかなか出来ず、なんとかやり過ごすことが多いと思います。
また、人によっては『ランナーズハイ』のように、集中してハイテンションになっている状態を良いことのように思っている方もいらっしゃると思いますし、自分自身のことを『ショートスリーパー』と言って睡眠時間が短いことに危機感を感じていない方もいらっしゃいます。

しかし、『自分は絶対大丈夫!は絶対ありません』

一時、そういう状態をやり過ごすことができると、根性論で、いかにも打ち勝ったかのように思っているかもしれませんが、脳はしっかりと疲労をしているのです。
よくボールを何度もつぶしていると元の球にもどらなくなることでたとえられますが、脳(こころ)というボールは何回でつぶれるのかは、誰にもわからないのです。
だから、怖いのです。

よく、抑うつ状態になった人に、いつ頃から調子が悪くなったのか、原因と思われる事があったのか聞くことがありますが、原因がよくわからないという方はかなりいます。
大きな、これだ!とだれもがわかるストレスひとつの要因(ストレッサー)でメンタルダウンするということはほぼありません。(PTSD・心的外傷後ストレス障害のような、生死に関わるようなものは別ですが…)
ストレッサーは、大きなもの、小さなものたくさん存在しているのです。

また、うつを発症する際に、抵抗期というストレスを乗り越えたかのように感じる時期があり、ストレスを感じた時期と発症にはタイムラグが生じます。これも、原因・要因が不明確になる理由です。

では、どのように危険信号をキャッチすればよいのでしょうか?
ひとつは、ライフイベントのストレス点数表というものがあります。
これは、1年間で起こった出来事にチェックをし、点数を足して自分に起こっていることをストレッサーという視点で可視化する方法です。
面白いことに、辛いことだけではなく、結婚や引っ越しなど、一見楽しいことも含まれています。
脳は楽しいことでも疲労するのです。
ここは重要なポイントですね。

ストレス点数 – 夏目誠の公式ホームページ (natsumemakoto.com) 
気になる方はこちらをチェックしてみてくださいね。


また、厚労省の『こころの耳』に、職場のストレスセルフチェックがありますので、働いている方はこちらも参考になると思います。
こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト (mhlw.go.jp) 


少しでも、要因がみつかったのであれば、危険信号としてまずは受け入れることが大切です。
何度もいいますが、『自分は絶対大丈夫!は絶対ありません』
どんな人にも、大なり小なり、毎日出来事はおこります。またその受け止め方も人によって異なります。


まずは、メンタルヘルスの第一歩として、
自分自身が気付いていなかったストレッサーを意識してみましょう。

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