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やっぱり外国語は難しい! アサイーラテとポケボウルを頼んだら「アサイーボウル」が出てきた

こんにちは、Yukoです。
今日の話はタイトル通り・・・バルセロナで「アサイーラテ」と「ポケボウル」をスペイン語で注文したら、「アサイーボウル」が出てきて軽くへこんだ話です。

以前の記事でも書きましたが、バルセロナではヘルシーカフェがお手頃価格で楽しめます。

その日、私はずっと狙っていた「カサ・デ・アサイー」(スペイン語で「アサイーの家」)という、名前からしてアサイー料理が名物そうなカフェに行ってみました。

アサイーとは・・・見た目はブルーベリーのような、栄養価が高くて体にも良いフルーツです(雑ですみません)。

徒歩20分ほどでカフェにたどり着きました。
よく見れば看板もアサイーカラー。

もちろん頼むのはアサイーボウル!
・・・と思っていると、あれっ、「ポケボウル」なんてのもある!

・・・お待ちください、ポケモンを捕まえるボールじゃありません。

「ポケボウル」とは、サーモン刺身とアボガドが白米の上で和えられていて醤油やごま油やワサビで味付けされていてなんなら炒りごまとかもかかっていて、想像通りに美味しい、刺身好きならついつい頼みたくなるハワイ風どんぶりです(雑ですみません)。

バルセロナは地中海に面しているとはいえ、新鮮な海産物は輸出されていたりして、魚介類は肉や野菜と比べると圧倒的に値段が高く、意を決しないと日々の食卓には並べられません。

サーモン刺身・・・食べたいよう。

あっさりとアサイーが消えかけます。

でも「アサイーの家」に来たのにアサイーを食べないのは本末転倒・・・ややっ、ドリンク欄に「アサイーラテ」なんてのがあるぞ、「アサイー」が付いてりゃなんでもいいやこれにしよう。

「Uno de POKE BOWL y ACAI LATTE por favor (ポケボウルとアサイーラテをください)」

いつも通り意気揚々とスペイン語で注文します。

「◯▲◯▲ナンチャラカンチャラ」(要は「ポケボウルとアサイーラテは同じタイミングで出すので良い?」)

「Si, por favor(もちろん、それでお願いします)」

カウンターでお金を払い、意気揚々と席で待ちます。

10分後・・・ボウルらしきものが届けられました。

よし、ポケボウルだな!・・・あれ?
なんでだろうバナナといちごとミントがのっている
これが、このカフェ流のポケボウルかぁ。

・・・ってサーモンとアボガドは・・・?

たくさんの「???」が5分間程脳内を行き来し、ポケボウルの定義をネットで再確認するもやはり「サーモン」が出てきます。

運んできてくれた店員さんに聞きました。

「Esto es POKE BOWL, verdad?(これはポケボウルですか?)」

「No, ◯▲◯▲ナンチャラ・・・」(要は「いいえ、違います。これはアサイーボウルです」)

「Yo dije POKE BOWL y ACAI LATTE. No ACAI BOWL(私が頼んだのはポケボウルとアサイーラテです。アサイーボウルではありません)」

スペイン語会話の基礎テキストに出てきそうな典型的な「やっちゃいました」のやり取りを繰り返しながら、長くなるので省略すると、アサイーラテとアサイーボウルを店員さんが聞き間違えて(店員さんにとっては私が言い間違えて)、アサイーボウルが出てきたようです。

店員さんは、二つもボウルを頼むなんて珍しいなと、注文時に「同じタイミングで食べるの?」と聞いたのですが(その理由だったんですね!)、私があっさり「はい」と答えたのでアサイーボウルを持ってきた、というのが言い分です(私はアサイーラテを頼んでるので、食事と同時でいいと思ってしまっている)。

この時点で認識がずれていることが発覚。

何はともあれ、出されてしまったアサイーボウル。
私は良かれと思って、「アサイーボウルは頼んでないけど、返却が難しければこれでもいいよ。ただ二つもボウルは食べられないから、もしポケボウルがまだ調理されていなければ、ポケボウルはキャンセルしたい」とスペイン語で言うものの、明らかに難易度の高い表現で、日本人らしい空気を読んだ繊細すぎる気回しだったようで、彼女に全く伝わりません。

店員さんも「あなたの言っていることはわかりません」と、私がボウル二つを平らげる方向で片付けようとしています

困ったぞ、ボウル二つも食べては、ヘルシーどころかただの食べ過ぎだ。
というか、そんなに食べられないし勿体ない。
それに自分ではアサイーラテを注文したつもりなので、向こうが強気でも引くのは微妙だ。

・・・そうこうやり取りをしているうちに、他の店員さん達が集まってきて多勢に無勢のピンチ!
・・・ですが、ここはヘルシー系カフェなので、幸いにも乱暴な局面にはなりません。
(たまにローカルなお店で雑な店員さんだと、これだから外国人は!と怒鳴られることもあります)

最後には店主が出てきて、解決してくれようと私に話しかけます。

店主「◯▲◯▲ナンチャラ・・・」(要は「状況を整理しよう、まず君が頼んだのは・・・」)

すると、

店員「Pero, ella no habla español (待って、この子はスペイン語が話せない)」(ここは、はっきりと聞き取れたぞ)

!!!(私)

もしやこの店員さん、私の拙いスペイン語が全ての原因だと店主に伝えて、ボウル2つを食べさせようとしているのではなかろうか・・・。
たしかにスペイン語が十分でないことは否定しないけど、それ以前に私はポケボウルとアサイーラテを頼んでいるし、ポケボウルとアサイーラテは英語でもスペイン語でもポケボウルとアサイーラテでしょ(なんなら日本でも)

一瞬、こちらも臨戦態勢になりかけますが、いやいや、ここはヘルシー系カフェ。
それに、店長さんが出てきて解決する姿勢を見せている限り、多少おかしいと思っても怒りを表に出すのはヘルシーではない、と自分に言い聞かせます。

店員さんも、私がスペイン語を多少なりとも分かることを実際は分かっているのでしょう、店主に説明するにあたって「アサイーラテとアサイーボウルの注文で誤解が生じた」と、私に全責任を転嫁する表現は意識して避けて伝えているのが分かります。

店主も、どちらが正しいかという議論は無意味であることを理解していて、「アサイーラテを彼女は希望していたけど、アサイーボウルが出ているんだね」と事実だけを確認しています

なので私も、自分のスペイン語が拙いという悲しい事実は素直に受け止め、二人の会話に慎重に耳を傾けながら(不本意なことを言われていないか聞きながら)、事の成り行きを見守ることにします。

・・・こういう時にも相手の一言一句に注意を向けてしまうのは、仕事柄でしょうか、海外だからでしょうか。相手を信頼していない自分が悲しい・・・。

最終的に店主は英語で、
「君はまだアサイーボウルに手をつけていないよね?それなら、アサイーボウルは返却してもらおう。代わりに予定通り、君の頼んだポケボウルとアサイーラテを出すよ。それでどうかな?(アサイーボウルはそのまま冷蔵庫に冷やしとこう)」

と、お客(私)にとっても理想的で、多分そのアサイーボウルはスタッフの賄いか(もしくはすぐ次のお客さんか)に回すという、無駄のない決着を提案してくれました。

さすが!ヘルシーカフェは、解決策もヘルシー。

店主さんが無事双方が納得する着地点を見出してくれたところで、店員さんも「もう気にしなくていいわよ」と、ちょっと疲れた笑顔をしながらも言いました。

ついに流れがこちらに来たと思い、すかさず聞きにくいことを聞きます。
「差額分、返金してもらえるよね?」(アサイーボウルの方がアサイーラテより数ユーロ高いからね)

店員さん、スペイン語が残念な客(私)との疲れるやり取りの後なので、この客は返金まで要求してきたよと一瞬表情に出ていましたが、「やってみるわ」と答えてくれます。

なんやかんやと、食べる前に予想外に気を張った10分間を過ごしてしまいました。

ようやく待ちに待った食事タイム。

ポケボウルは、サーモンがもっちりしていて味付けもアジア風でとても美味しく、問題のアサイーラテも無事運んでもらえました。バナナとアサイーのバランスが絶妙でとても美味しい。

何事もなく食事を頂けたら、もっと純粋に美味しさをかみしめられたんだろうなぁと少し残念。

そして気になる返金。
カフェにはお客さんがひっきりなしにくるため、スペイン語が残念なお客(私)への返金など忘れられるか、忘れたふりをされるかも(これもよくある)と半ば諦めかけ、どう対応しようかと考え始めていました。

しかし、きちんとしたお店だったので、お店を出るときに笑顔で返金をしてくれました。

なんだかんだありましたが、味も良く、トラブル対応も合理的で、きちんとお金の精算もしてもらえたので、十分良いお店だったんだろうと思います。

それに、私がスペイン語がもっと流暢であれば、手前でミスに気付けたかもしれないという思いもあります。

お店の方々にとって「いやー、今日は変なアジア人の対応で疲れた一日になった、もう勘弁」とネガティブな思いで終わって欲しくないし、せめて「このカフェは良いお店だね」とこちらも思っていることは伝えたい。

「お店のご飯、とても美味しかったよ。返金もありがとう。今度は友達や家族も連れて来るね!」

最後にいろいろ対応してくれたことに感謝を伝え、少し会話をして、お互いに笑顔で別れることができました(残念ながら英語で)。

こうして、メニューのちょっとした言い間違いや聞き間違いにより、大げさな心理戦と駆け引きにまで発展しかけたヘルシーカフェでのブランチは、無事幕を閉じました。

いやーそれにしても、面と向かって「あなたはスペイン語できない」と言われるのはショックだなぁ。
バルセロナは比較的、スペイン語を話せない外国人に優しいし(役所を除いて)、自分は比較的語学が得意な方だと思っていたので、甘かったかと少し反省しました。

でも、できないということは、できるまでの努力の余地がまだあるということ。

もう1年スペイン語を頑張ろうと思います。

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