本。これも修行のうち

今日は本の話。『これも修行のうち。実践!あらゆる悩みに「反応しない」生活』(草薙龍瞬、KADOKAWA)を読んだ。

読書専用機のオススメに出ていたこの本。何となく借りて読んでみたが良い本だった。

生きていれば、いろいろと「嫌だな」と感じることは起こる。悩みは出てくる。しかしそれらは「心の反応」が作り出しているもの。考え方、感じ方を変え無駄に反応しなければ、悩みが出てきてもすぐに解消することができる。この本では、日常生活で気軽に実践できる考え方や感じ方の練習、「プチ修行」を紹介している。

ベースになっているのはブッダの教え、つまり仏教の考え方らしい。一応実家は仏教だし私も仏教徒ということになるのかもしれないが、正直仏教の中身については何も知らないので、「これが仏教ベースの考え方だよ」と言われても、そうなの?そういうものなのかな?くらいな感じである。仏様を信じなさいとかそういうことは一切無く、あくまで仏教(ブッダ?)の「心の使い方」を日常で使える形で書いているので、そこまで宗教色の濃い本ではないと思う(たまに仏教用語は出てくる)。

個人的に読んでいて心に残った部分は。

  • 大きなゴールを心にすえる(だから自分の方向性がブレない。方向として役に立たないものになるべく近づかない)

  • 意識を向ける先を切り替えることで反応をリセットする(足の裏の感覚等々)

  • 慢というもの(自分にあるのはわかっているけれど、なかなかこれを手放すのは難しい…。上とも下とも判断せず、自分にできること、自分の思いをただ理解すればいい)

  • やる気は流れ

  • 妄想と慢を引いて現実を見る

この辺りだろうか。メタ認知やマインドフルネスやアンガーマネジメント等々の要素もあるなぁと思った。

この本では、「人間という生き物の性質、考え方について知ろうとし、その上でならばどうすれば楽に良い気分で生きられるのか?を考え続けて出たひとつの答え」を見た気がした。この方が本に書かれた通りにブッダが考えていたのか、書き残しているのか、その辺は全然わからない。ただ本に書かれた考え方と概ね同じだというのなら、いつの時代も人間はこういう悩みを抱えていて、どうにかしようと足掻いてきたのだなぁと思った。

古代インド時代の「修行」にあたる言葉を直訳すると「心を耕すこと」になるらしい。人それぞれ、生まれ持った土壌、育ってきた土壌は違う。しかし、修行で心を耕すことによって、ある程度の実りを皆得ることができる。そういうことなのかなぁと思った。心を耕して、自分の手で整えて。少しでも多くの人が幸せになれるといいな。


ではまた明日。