たこきちとおぼうさん

今日は今回借りてきた図書館本の中でいいな!と思った本の話。

『たこきちとおぼうさん』という本があった。

何故か値段がすごいことになっておる…。


旅をしているおぼうさん。たこの国に着いていい景色の絵を描こうと思った。ところが墨が無い!

そこへ現れたたこきちと言う名のたこ。墨壺に墨をちゅっと吐いてくれた。

たこきちの墨を使ってサラサラと松の絵を描くおぼうさん。すると、松の絵が紙から飛び出した!

「このとおり、わたしの すみは ふしぎな すみなのでございます」

やがてすうっと消える松の絵。たこきちの墨で描いた絵は紙から飛び出し現実に現れ、時間が経つと消えるらしい。

そしていきなりめそめそ泣き出すたこきち。

何でも悪いおおだこがたこおきちのお母さん達を攫って行ったとのことで。助けに向かうのだった。

この「たこきちの不思議な墨」で描いた「お坊さんの絵」が大活躍する絵本。

「絵が飛び出す」「一定時間で消える」設定を上手に使っていて、物語としてとても面白いなー!と思った。


作者の工藤ノリコさんは、『ノラネコぐんだんシリーズ』が有名だと思う。あちらはどこか漫画チックで様式美を楽しむ絵本という感じ。

他にも『ペンギンきょうだいシリーズ』『ピヨピヨシリーズ』も読んだことがあるし、シリーズじゃない他の絵本もいろいろ借りて読んできた。

どれも一定以上の面白さがあるし、「すごいな」と思う所はあったのだけれど。私が読んできた本は登場人物は動物でも、割と日常の延長線上にある話が多かったと思う。

今回はTHE昔話!冒険!ハラハラドキドキ、どうなっていくんだろう?っていう。純粋に物語の内容が楽しかった感じ。工藤ノリコさんの本の中で、今のところ私のイチオシはこの本だな!と思った。


続きそうな終わり方だけど、続編は出ていないっぽい。この1冊でとても完成されているなーと思うので、続編を作るのは難しいかも。でも読みたいなー。

私は、機転を利かせてピンチを乗り切る系の話が好きなんだなーと改めて思った次第である。



ではまた明日。