ジュズダマ

先日。私が仕事の日に、夫と息子で散歩に行ったらしい。その時の写真を見ていると、息子が川沿いにいるものがあった。

「あ、ジュズダマだ」

自分でも驚くほどするっと言葉が出てきた。息子と一緒に写っているのはジュズダマ。イネ科っぽい細長い葉と特徴的な実。間違いないだろう。

夫はこの植物を知らなかったらしい。確かに男の子はあまり遊ばない植物かもしれないな。それなりに田舎で川の近くに住んでいないと見ることも無いかもしれない。

私が子どもの頃は好きでよく遊んだ。植物自体の見た目も好きだったし(基本的に私はイネ科植物の見た目が好き)、実を繋いでアクセサリーを作ったり、お手玉の中に入れたり、そんな遊び方をした。

と言うと、「一体いくつですか?」と思われそうだが一応30代である。私の実家は田舎だし、当時もまだまだ周りの植物で遊ぶことは沢山あったのである。

小学生くらいまでは好きでよく遊んでいたが、さすがに中学生以降は遊ぶことは無かった。しかし大人になって写真を見て、何も考えなくてもスルッと名前が出てきた。実の光沢や実によって模様が違ったこと、実を触った時の感触などなどを一気に思い出した。

記憶って、すごいなぁ。昔のことの方がよく覚えていると言うけれど、これもそうなのかもしれない。ジュズダマは、私がずっと歳をとっても覚えていることの一つなのかもしれないな。

植物を使った遊びは、自分たちで編み出すものももちろんあるけれど、自分よりも年上の人たちから教わるものも沢山ある。そうやって次の世代へ受け継がれていく様は、生き物の生き物らしい生き方というか、とても自然な伝承の形のような気がする。

私も息子にいろいろ伝えられたらなぁと思う。今度暇な時に、ジュズダマを取りに行きたいな。


ではまた明日。