グッドボタン
眠る前。息子と2人横になり、お話を作っていた。
「お話を作る」というと大げさかもしれないけれど。息子は話を作るのが好きだし、その場限りのちょっとした話をよく作って会話している。おままごとの延長のようなものだろうか。
その日は話に赤ちゃんが出てきた。赤ちゃんは泣いているらしい。なので。
「お母さんは、赤ちゃんにおしゃぶりをあげました」
赤ちゃん(仮)の息子におしゃぶりをあげるフリをしつつ。そういえば息子にはおしゃぶりを使ったことが無いのである。息子は「おしゃぶり」というものを知っているのだろうか?
するとそんな心配は無用だったようで。
「ところが赤ちゃんは、おしゃぶりをのけてしまったのです!えーんえーんと泣いています」
普通にすんなり話が続いていた。きっと絵本や何やらで知ったのだろう。
しかし赤ちゃんは泣いている。
「うーんどうしようかな。指でも吸うかなぁ」
その私の言葉が引き金だった。息子が話の続きを語りだした。
「すると赤ちゃんは…ええと……指をグッドボタンにして親指を出して吸いました」
「……!!」
グッドボタン!そこでグッドボタンって言葉が出てくるんだ!!
私は大笑いした。面白かったと共に、素直に「すごいなー」と思った。
息子なりに相手に伝えようとしているのがよくわかる。自分の頭の中に映像を思い浮かべて、それを何とか言葉にしようとしたのだろう。
自分の語彙力の最大で相手に伝えようとしているな、というのは、息子と会話していて感じることがとても多い。相手にわかりやすく伝えようとする姿勢は大事だと思うし、「6歳でそのたとえ、言い回しをするのか」と驚くこともしばしば。
これは本当、息子の長所だと思うので、これからも伸ばしていってくれたらなーと思う。
しかし息子の中で「(・▽・)b 」や「👍」は「いいね」じゃなくて「グッドボタン」なんだな。
何となく世代の差を感じるというか、そういう時代なのだなぁと思ったのだった。
ではまた明日。