やきうどん

「夫の仕事が休みの日は、夫が晩ご飯を作る」

これは、結婚当初に決められた我が家のルールである。

と言っても、二人で話し合って「こうしよう」と決めたわけでは無い。いきなり何の前触れもなく「休みの日は俺が作るから」と言われ、どうぞどうぞ、お願いします。とずっと続いている事柄である。

私は料理が嫌いじゃないしむしろ好きだけれど、週に1日か2日作らなくていい日があるのもそれはそれで良い。私が普段作らないもの、私では出せない味や食感。人が作る料理を食べるのも面白いなぁと思う。

そんなこんなでこの前は夫が休みで晩ご飯を作る日だったのだが。やきうどんを作ってくれた。

仕事が一段と忙しくなり、残業続き。ヘロヘロになって帰ってきたところに出てくる、できたて熱々のやきうどん。

はぁ〜。

ため息をつくと幸せが逃げると言うけれど、大丈夫。幸せは目の前にあって、ため息の10回や20回分、余裕で補充できるのである。

自分で作らなくても料理が出てくるという幸せ。美味しいものが食べられるという幸せ。作ってくれる人がいるという幸せ。

話には聞く「胃袋を掴む」という現象。こういうことなのかなぁと思った。ただ料理が美味しいだけじゃ駄目なのだ。穏やかな気持ちになったり、癒されたり、幸せだなぁと思ったり。そんな気持ちになれる場を作れる人となら、結婚したい!と思うかもしれない。仕事が忙しい時に温かい料理と共に癒し空間を提供されれば、おそらく大抵の人はコロッとその人の隣にいってしまうのである。

結婚する時に「夫が料理をできるかどうか」は全く重要視していなかったのだが、助けられている場面が多いなぁと思う。有り難いなぁと思うと共に、息子にもせっせと料理を教えようと思うのだった。まぁ、息子は今のところ料理好きなので、このままいけば自炊できるようになるのでは?と思うのだけれども。


ではまた明日。