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唐突にスピッツ愛を叫ぶ

私は昔から、オリジナルメンバーにこだわるところがある。初期メンバーで続けていてくれてる事に何よりもありがたさを感じてしまう。過去、いくつものバンドやグループやコンビを推してきた。そして、幾度となく解散や活動休止やメンバー変更などを経験してきた。

メンバーが少なくなっても入れ替わっても、推し続けられる人を決して否定したい訳じゃない。ただ私が、たとえばメンバーが脱退するとか、グループが活動休止になってソロ活動をするとかになるとその時点で一気に興味を失ってしまう事が多いというのが事実。

初期メンバーを美化しすぎているのかなとも思うけど、こればっかりはもうそれが好きなんだからどうしようもない。

そんな中、メンバーが一切変わる事なくずっと活動を続けてくれているバンドがいる。
それがスピッツ。

スピッツについて書いてみようと思った時に個人的な思い出としてどうしても少し重たい話があり、そこにも触れるべきかどうかでしばらく迷ってたのだけど今回はその思い出も含めて、ありのままに書いてみようと思うので、その点だけご了承ください。

小学生の頃、ロビンソンや涙がキラリ☆が大ヒットして、その両方が入ってるアルバムを買った。それが「ハチミツ」だった。数々スピッツのアルバムを聴いてきた今でも特別な名盤だと思う。当時歌詞の意味なんてきっとちゃんと理解できてなかった。今聴き直してもYは結構暗い曲だし、グラスホッパーなんてよく聴けば結構エッチな歌詞だし、トンガリ'95はとがっているをとにかく繰り返してるし、とかなんだけど、でも当時からなんかどの曲もすごくいいなと思って繰り返し聴いていた。このアルバムに最初に出会えたのが大きかったと思う。小学生の時にもうスピッツの良さに気付いていたなんて、我ながらセンス良いなって自画自賛したくなるけど、スピッツの音楽は誰かを突き放したりは決してせずずっとやさしくて、唯一無二で、本当に素晴らしい。

勝手にスピッツは自分にとって恩人だと思っている。

中学生の頃、それまでいつも元気だった母が
ある日、見た事ないくらい泣いていた。
聴けば、学生時代からの親友が自らの命を絶って亡くなってしまったとの事。母からはそれしか聞けなかったけどとにかくとんでもない事が起こったというのだけは理解した。中学生の私にはもちろんかける言葉なんてなく、布団から起き上がれないくらい憔悴し、ひどく落ち込んでいる様子の母に全くなす術がなかった。

数日が経過したある日、私が学校へ行ってる間に母が私の部屋にあったスピッツのベストアルバム「RECYCLE」がなんとなく目に留まり、再生してみたらしい。するとどの曲もものすごく良くて、それから何回も何回も繰り返し聴いているうちに、少しずつ心が回復していったと母が話していた。
ありがとうと感謝されたけど、感謝されるべきはスピッツで、私はたまたまCDを買ってただけで。とにかくあの時の母を救ってくれたのは間違いなくスピッツだから、ただ好きというだけでなく、母を救ってくれたという特別な思い入れがある。

その後母はもはや私を超す勢いでスピッツにどハマりし、「昔のアルバムとかも含めて全部聴きたい!」と言って私がまだ持ってなかったデビューアルバムの「ヒバリのこころ」から「空の飛び方」までのアルバムのお金を出してくれて、我が家にスピッツのアルバムが勢揃いする事となった。母のおかげで私もまたスピッツをさらに好きになっていった。

スピッツはアルバムによって雰囲気が全然変わる。柔らかくてやさしい曲多め、ロックでかっこいい曲多め、暗めで落ち着いた曲多め、ポップで明るくなれるような曲多め、など様々でアルバムを買う度に今回はどんなのだろうなととにかくワクワクする。

今はサブスクがあって、定額払えば聴き放題っていうのに実際お世話になってもいるけど、スピッツのアルバムはやっぱり手元に持っておきたいという想いが強いし、少しでもスピッツにお金が還元されてほしいから新譜が出る度に毎回必ず購入している。
昨年大ヒットしたドラマsilentで、紬ちゃんが同じような事を言っていて、めちゃくちゃ共感したな。silentは、最初知らなかったんだけど、昔からの友達から「ありこは絶対好きなドラマだと思う!」ってわざわざ連絡が来て、TVerで初回を見てみたら見事にはまった。そして母にも「見た方がいい!」と勧めて同じくどハマりしてた。物語の中心にスピッツの音楽やCDがあるのもそうだけど、セリフや演出や音楽が決して過剰じゃないからこそすごく感動したし、出てる俳優さんがみんなとても良かったドラマだったな。スピッツがさらに幅広い世代に素晴らしいバンドだと知ってもらえたという意味においてもすごく良かったなと思う。

私と母両方がファンクラブに加入したおかげで、チケットが取りやすくなり、過去には何度も一緒にライブに行った。ライブのスピッツはまた格別にいい。マサムネさんの声を聴くだけで震えるし、そして4人が丁寧に演奏している姿を見ているとなんだか泣けてくる。

自身の結婚や出産もそうだし、チケットが取れたライブの日にマサムネさんの体調不良でライブ中止になった事もあったし、コロナでライブができなかったし、なんだかんだでもう10年以上はスピッツのライブに行けていない。
コロナ禍真っ只中だった2020年の年末から猫ちぐらの夕べというライブのオンライン上映が1ヶ月間程開催されて、チケットを購入したけど、まず元気そうな4人が見られて嬉しかったし、ライブDVDを見るだけでは味わえないさらに美しい音楽と映像に魅了され、同時なんとなく気分が塞ぎがちだった私はものすごく癒されたしまた頑張る力をもらった。でもやっぱりライブに行きたいという気持ちがさらに高まったな。

実は1月に関西でのライブチケットが取れたから母と行きたいのだけど、今も実家から離れた所に住んでる上に、冬場すごく雪が降る地域だから、実際その時になってみないと行けるかどうかわからない。もっと行きやすい夏場のライブは申し込んだけど全滅してしまった。10年以上ぶりのライブ、そりゃ行きたい。

なんか元々は「ひみつスタジオ」がめちゃくちゃいい!っていう話をしたいなと思ってたんだけど、自身の思い出とかスピッツへの想いを結構書いてしまったから、最新アルバムについてはまた改めて書こうかなと思う。

とにかく、スピッツの音楽に日々支えられて生きていてその感謝の気持ちを唐突に書きたくなった。

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