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「ぼのぼの」のアライグマくん

毎日の忙しさに心も体も疲労で押しつぶされてしまいそうだが自分が倒れてしまったら今までの努力も無になるので心に少しでも余裕を持たせる為に本や漫画を数ページだけ読む。

何年かぶりにいがらしみきおの漫画「ぼのぼの」を開いた。のんびりとした森の日常のなか、アライグマくんはふっと感じる寂しさに疑問を感じる。ぼのぼの、シマリスくんは分からない。アライグマくんのお父さんも分からない。

さっぱりとした親子関係のアナグマくん

問いかけるアライグマくん

「こういう家庭なのにさびしくねえのかよ」

アナグマくん

「だってみんなひとりだろ」

としれっと答えてアライグマくんはグサっとくる。そこに「だってみんなひとりだろ」と書いた土だんごをアナグマくんは渡す。

最後のシーンはアライグマくんはまた理由もなく寂しくなったがアナグマくんにもらった土だんごを見て額にあてる。

そしたらすーっと治ったのだ。

私はこれを初めて読んだ時はいまいち分かっていなかったのだが、いまアライグマくんの感じ方に共鳴しアナグマくんの言葉が心に響いた。

ひとりだっていうことは後ろ向きなことではない、現実に向き合うことだし、実はポジティブなことだ。

夢も希望も無いと言えば暗いと言われてしまうがそれは私にとって不幸なことではない。

そうゆうもんなんだ。

甘えてくる犬に触れて、柔らかな緑に囲まれ、雨音だけが部屋に響く。

私は幸せだ。





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