マガジンのカバー画像

料理の基本

411
基本的な料理を丁寧に解説します
運営しているクリエイター

2018年10月の記事一覧

ゆで卵の作り方のコツは卵を茹でない

料理の基本シリーズです。 ゆで卵についてはこんな記事も書きましたが、今回はイギリスが誇る三つ星シェフ、ヘストン・ブルメンタールさんの作り方の紹介。ヘストンさんは 「完璧なゆで卵(Boiled Egg)をつくるコツは、卵を茹でない(Not Boiled)こと」と言います。 最も知られているゆで卵の作り方は『水と卵を鍋に入れて、沸騰してきたら火を弱めて所定の時間茹でる』というもの。しかし、このレシピには2つ弱点があって、鍋の大きさや水の量という変数を揃えられないこと。また、沸

ジャガイモの皮剥き、基本+α

「たまねぎのみじん切り、基本と応用」に引き続き、包丁スキルの基本シリーズです。今回はジャガイモの皮剥き。 ジャガイモってゴツゴツしていて剥きづらいと思いませんか? でも、それはジャガイモの選び方にも原因があるかもしれません。日本で最も多く作付けされている品種である「男爵」は表面がゴツゴツして、芽が多いのが特徴で、若干剥きづらいのです。 それもそのはず。男爵芋は明治時代に日本に入ってきて、昭和のはじめに品種指定された古い品種。例えば同じホクホク系の芋でも比較的新しい品種であ

サツマイモを焼く基本

秋においしいサツマイモ。収穫してから保存するとデンプンが糖に変わるため、糖度が増し、より一層おいしくなります。 これは紅あずまですね。最近、出回るようになったシルクスイートを使うとねっとりした仕上がりになります。個人的には紅あずまもさっぱりしておいしいと思いますが、女性受けするのはシルクスイートという感じでしょうか。 保存温度は12度前後。新聞紙に包んで野菜室の下の方に置いておくと長持ちします。 アルミホイルに包みます。 150度のオーブンに入れて90分間焼きます。電

柿、モッツァレラチーズ、生ハムのサラダ

生ハムとメロンは定番の組み合わせですが、秋の味覚の一つ柿はメロン以上の好相性だと思っています。 というかフルーツ、生ハム、モッツァレラの組み合わせは鉄板で、春はいちご、夏はメロン、秋は柿、冬はキウイとか時期に合わせて色々試してください。 柿、モッツァレラチーズ、生ハムのサラダ  柿  2個  モッツァレラチーズ 1個  生ハム    適量  ルッコラ   適量  オリーブオイル 大さじ3  レモン汁    大さじ1  塩       少々 材料はいつもの感じです。 ド

cakes連載〈「 おいしい」をつくる料理の新常識〉第18回余談『豆腐粥』の作り方

cakes連載の更新。 豆腐は90度を越えたあたりから離水がはじまる。というわけで湯豆腐をつくる時は煮立てないように注意です。湯豆腐には必ず塩を入れてください。重量比で1%が目安。 熱を加えると豆腐に含まれている凝固剤(カルシウムイオン)の働きが強まるので豆腐が硬くなる。しかし、塩を加えることでカルシウムイオンの動きが阻害されるのでやわらかいまま食べることができます。ちなみに昆布にも塩分があるので、下に敷くだけでもある程度は効果があります。それでも昆布+塩のほうがいいです

スモークサーモンのチャウダーのレシピ

寒くなってきたのでリクエストにあったチャウダーのレシピです。チャウダーはいわばアメリカのシチュー。アメリカではチャウダーを作ること、食べることが社交の場だったという歴史があります。チャウダーを振る舞うチャウダーパーティは選挙戦の大会などのたびに催されていた、いわば娯楽でした。 http://oldprintshop.com/product/36891?inventoryno=18846&itemno=2yoriより引用 歴史上もっとも大きなチャウダーパーティは1848年に

サンマの燻製の作り方

燻製はいかにも「男の趣味」という印象もありますが、ちゃんとした調理法の一種で意外と簡単にできます。低温で燻製にかける冷燻(スモークサーモンなど)、温度をかける温燻(燻製卵とか)の二種類がありますが、手軽にできるのは後者。 必要な機材はまずスモークチップ。ホームセンターなどでも売られています。 それと中華鍋、網、ボウルです。しかし、薫製器があるとやはり便利です。薫製器は煙が少なく、漏れないように工夫されており、家庭の台所でも(それでも多少臭いは残るので神経質な方は外で使いま

粉ふきいもができればおいしいコロッケはつくれる

先日、掲載されたこのnoteが面白かったです。 フードライターの白央さんが行ったアンケートによると「家庭科で習った料理といえば?」という質問に対して最も多かった回答は『粉ふきいも』とのこと。昭和33年改訂の小学校学習指導要領には「ごはん・みそしる・目玉焼き・こふきいも・サンドイッチ」(6年)とあり、このあたりから粉ふきいもが登場しています。ただ、茹でるのではなく粉吹きという調理があることからとりあげられました。 最近の教科書からは粉ふきいもというメニューは姿を消しつつあり

キンモクセイのシロップ漬け「桂花醤」の作り方

秋になると庭先などで咲いているキンモクセイ。中国の有名なリキュール、桂花陳酒は白ワインにキンモクセイの香りをうつしたものですが、今日はシロップ漬けにします。桂花醤という名前で市販されていますが、自家製した方が色も香りもいいです。 まずはキンモクセイの花びらを採取します。枝などはなるべく入れないように丁寧 に。あとの工程が楽になります。 100gぐらいつくってもいいのですが、とりあえず10g採ってきました。 写真では枝などが入ってしまっていますが、口当たりが悪くなるので花び

サンマのサラダの作り方

秋の味覚のサンマ。塩焼きが最高においしいのですが、たまには目先を変えるのもいいでしょう。箸休めのサラダです。 サンマのサラダ(2人前) サンマ 1尾 サラダ用の葉っぱ 100g 醤油   小さじ1 すだち果汁  小さじ1(またはレモン果汁 小さじ1) サンマは塩焼きにして、骨から身を外しておきます。サンマの焼き方は明日、公開のcakesの記事で紹介します。 好みでここにもすだち(分量外)を少し搾っておきます。 あとはサラダ、醤油、スダチを加えてさっと和えます。ドレッシ

鶏そぼろの作り方

昨日は炒り卵を作ったので、今日は鶏そぼろの作り方です。これでお弁当が完成、という感じ。それでは材料です。 鶏ひき肉 200g 濃口醤油 大さじ3 上白糖  大さじ3 酒    大さじ3 こちらも炒り卵と同様に砂糖が結構、入ります。あとは酒をたっぷり使うのがポイントで、鶏の臭みが抜け味もよくなります。 鶏挽き肉はとにかく鮮度が落ちやすい部位です。ドリップが出ていることが多いので、キッチンペーパーで表面の水気をふきとるのが最初のコツ。 鍋にすべての材料を入れて火にかけます

炒り卵の作り方

僕の炒り卵の特徴は砂糖が多めに入ること。炒り卵は卵を完全に凝固温度以上まで加熱するので、パサつきがち。そこで思い切って甘めの味付けにすると砂糖の持つ保水性のお陰でしっとりします。 卵 2個 上白糖 大さじ1 塩   一つまみ ボウルに卵を割り入れて、分量の砂糖と塩を加え、よく溶きます。 フライパンを弱火にかけて、かき混ぜながら熱していきます。小さな雪平鍋でつくるのが定番ですが、鍋肌にこびり付いて洗うのが大変なので、テフロン加工のフライパンを使っています。 なぜ、食材が

ソーセージのケチャップ和え

お弁当の定番、ソーセージのケチャップ和えの作り方をご紹介します。子供の頃、お弁当に入っているとなんとなくうれしい料理でした。 ソーセージのケチャップ和え ソーセージ 6本 ケチャップ 大さじ2 みりん   大さじ1 うちの母などはソーセージのケチャップ和えをつくるときは切り込みを入れたソーセージを炒め、そこにケチャップを入れていました。しかし、ソーセージの特性を考えるとそのやり方はソーセージのポテンシャルを生かしていないことがわかります。切れ目から肉汁が流出してしまうから