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料理の基本

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基本的な料理を丁寧に解説します
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記事一覧

パッションフルーツのシャーベット

沖縄県産のパッションフルーツを頂きました。 パッションフルーツの食べごろを見分けるコツは香り。パッションフルーツらしいトロピカルフルーツの香りが出た頃が食べごろと言われています。実際、追熟すると酸度が下がるようです。よく表面に少しシワが寄ったら……といいますが、20℃で追熟した場合は見た目の変化が少ないので、やや当てにならないかもしれません。いずれにせよ買ってすぐに切るよりも常温で置いておいたほうがおいしく食べられます。なにより買ったばかりのパッションフルーツは硬いので切る

謎野菜シリーズ 葉ごぼうのキンピラ

謎野菜シリーズです。今回は関西の人にとっては謎でもなんでなく、関東の人には馴染みが薄い野菜、葉ごぼうを取り上げます。 葉ごぼうは固定種の種が売られているので、種取りをしている方はほとんどいないと思います。というのもごぼうの種はワタばかりのような種なので、種取りが大変なことで知られているからです。とはいえ、消費者が食べ続けないと種が残っていかないわけで、関西や四国に根強いファンがいる野菜なのでこうして食べることができるわけですね。 葉ごぼう、見た目はまるでフキのようです。梅

ゆで卵の塩麹漬け

リクエストがありまして、味付け卵のバリエーションをご紹介します。味つけ卵には中国の茶葉卵やの卵のピクルスなど様々なパターンがありますが、塩麹で漬け込むレシピは最近生まれたもの。 卵をまずゆで卵にします。 どんな方法でもいいのですが、冷蔵庫から出したての卵の底にヒビを入れるか、穴を開け、沸騰した湯で8分ボイルしました。 流水で温度を下げてから殻を剥きます。 塩麹です。卵2個に対して大さじ1の塩麹を使います。 塩麹の塩分濃度は13%くらい。塩分濃度が高すぎると味付け卵は

今のうちに! ホワイトアスパラガスの茹で上げの作り方

最近は国産のホワイトアスパラガスが入手しやすくなりました。フランスやドイツ産と比べると甘みが強く、みずみずしい味わいが特徴。3月くらいから出回りますが、梅雨明けくらいには終わってしまうので、食べるなら今のうちです。 先日、赤井川村コロボックル村のホワイトアスパラガスを食べてびっくりしました。驚くほどおいしい。 ホワイトアスパラガスの下処理の基本はしっかり皮を剥くこと。ピーラーが便利です。穂先はやわらかいのでその下あたりから根本に向かって一気に皮を剥きます。 鮮度によって

れんこんの柚子胡椒和え

奈良時代に日本にやってきたとされるれんこん。僕も好きな野菜で、煮てもよし、焼いてもよし、さっと茹でてサラダにもできますし、すりおろしたものをだし汁に入れてひと煮立ちさせればとろみのあるスリ流しにも仕立てられます。 れんこんはスーパーでは切り分けられた状態で売られていますが、根本に近いか、先端か、で味わいが変わってくる野菜です。長方形に近い形状のれんこんは根本に近く、でんぷん質が多めで、煮物にしたり焼くとおいしいですし、両端が丸みを帯びている中間は万能選手。小さくて丸っこいの

レタスの炒めもの 2種類

サラダに使われるレタスってこんな風に少しだけ余ったりしませんか? 余ったレタスは加熱することで嵩が1/3になるので、効率よく食べられます。茹でてドレッシングで食べたり、煮物なんかにしてもおいしいのですが、さっとつくれるという意味では炒め物がおすすめ。 レタスの炒め物の場合、味付けにオススメなのがオイスターソース。 オイスターソースは色々なメーカーから販売されています。どの銘柄でもいいのですが、塩味や濃度が異なるので量の調整が必要。今回使用した光食品のオイスターソースは濃

枝豆の茹で方、ベターな方法は?

暑い日が続きますが、枝豆が店頭に並んでいました。今回、入手した品種はサッポロミドリ。 枝豆は品種が多く、それぞれに異なる味わいがあります。鮮度がモノを言う野菜(枝豆は大豆の未熟果ですが、農林水産省的には枝豆は野菜で、大豆は穀類です)なので、買ってきたらなるべく早く茹でましょう。色が鮮やかで、ふくらんだ豆の粒の大きさがそろっているものが良品。部分的に黒ずんでいたり、傷がついたものは鮮度が落ちています。 枝豆の茹で方はためしてガッテンが紹介した「4%の塩水で3分30秒茹でる」

牡蠣料理レシピ〈生牡蠣〉と〈牡蠣のビスク〉

クリスマスも近いので、今日は牡蠣を使った料理を二品。まずは生牡蠣から。ポン酢やレモンなどで食べてもいいのですが、フランスでポピュラーなワインビネガーソースを添えます。 さて、生かきです。生食用を使います。何回か説明していますが、牡蠣は加熱用も生食用も鮮度は同じ。違いは指定海域や浄化処理の有無によるものです。 指定海域:採取したかきをそのまま生食用かきとして出荷できる海域 条件付指定海域:採取したかきを人工浄化(おおむね20時間換水することによ って生食用かきとして出荷で

塩うにのクリームパスタ

瓶詰めで売っている粒ウニを使ったスーパーシンプルなクリームパスタです。 うにはそのままでは保存が効きません。酵素が多いので、自己分解してしまうからです。そこで塩を加えて脱水し、アルコール(昔は焼酎だったようですが)を加えることで、保存期間を伸ばしたのが粒うにや練りうにといった食材です。本場は福井県(越前)で、日本三大珍味の一つ。 そのまま食べて、日本酒と合わせたり、タレにしたり……といろいろ仕事もできる食べ物です。最近は生うにが主流になったので、あまりフォーカスされません

玄米の炊き方

先日、ご飯の炊き方の記事をnoteにアップしました。 とはいえ、これは精白米での話。「玄米はどんなふうに考えたらいいですか?」という質問が時々、来るので、ちょっとまとめてみます。 はじめに注意点を3つ。一つは玄米にはセルロースやヘミセルロース、リグニンなどの成分が含まれているため、炊きあがりがパラっとした、あるいはプチッとした食感になります。(プチ感は胚芽に由来します) この食感がおいしいのですが、人間は牛や山羊といった草食動物とは違い、セルロースなどの成分を消化できま

焼きトマトソースの作り方

スーパーと道の駅に行ったところ、トマトがずらりと並んでいました。おいしいトマトが手に入ったときにはまとめてトマトソースづくりです。今日はとびきりおいしいトマトソースの作り方をご紹介します。 トマト 650g程度 ドライオレガノ 少々 にんにく    1片 オリーブオイル 25g 塩       3g まとめて作ったほうが楽なので、多めにできる分量です。トマトについて復習しておきましょう。 トマトは固くて薄い外皮(いわゆるトマトの皮)と外側の果肉壁、中央の芯、趣旨のまわり

いちじくの天ぷらの作り方とベスト天ぷら粉の話

さて、今日の料理は『いちじくの天ぷら』です。 ずばり、いちじくの天ぷらはご飯のおかずにはなりません。純粋に旬の味を楽しむ料理屋さんの料理。 いちじくは地中海、及び中東地方が原産の果物。クワの木の親戚です。乾燥地域の代表的な果物で、その歴史は古く、聖書にも頻繁に登場します。この果物は非常に変わっていて、果物というよりも花に近く、内側の雌花の一つ一つが小さな果実になっていて、さくさくしています。潰れやすく、腐りやすいので、生産量のほとんどは乾燥されて、流通しています。ちなみに

アスパラガスと目玉焼き

桜も咲いて、すっかり季節も春という感じです。スーパーに行くとアスパラガスが並んでいました。 基本の茹で方はこちら。アスパラガスの料理は色々とありますが、結局は茹でるか、焼くかして、シンプルに食べるのが一番おいしい気がします。特に出はじめの野菜はあれこれ工夫するよりも、そのものを素直に味わいましょう。 というわけで、今日はアスパラガス+目玉焼き+パルメジャーノチーズの料理を作ります。ビスマルク風として有名な料理です。 ビスマルク風はアスパラガスに限った名前ではなく、目玉焼

まさに贅沢「わさび丼」の作り方

わさびは日本固有の野菜。飛鳥時代から薬として使われ、江戸時代になると栽培が広まります。1892年に開発された畳石式という栽培方法の普及によって、生産量は飛躍的に伸びました。日本固有の野菜というのは非常に数が少なく(他に山菜くらいでしょうか)日本を代表する食材、日本料理には欠かせない食材といっていいでしょう。 とはいえ、現在は「チューブわさび」が主流。最近は少なくなりましたが、昔は粉わさびが多く、本物のわさびを使う機会はほとんどないのでは。 ちょっと気が利いたスーパーであれ