サンマの燻製の作り方
燻製はいかにも「男の趣味」という印象もありますが、ちゃんとした調理法の一種で意外と簡単にできます。低温で燻製にかける冷燻(スモークサーモンなど)、温度をかける温燻(燻製卵とか)の二種類がありますが、手軽にできるのは後者。
必要な機材はまずスモークチップ。ホームセンターなどでも売られています。
それと中華鍋、網、ボウルです。しかし、薫製器があるとやはり便利です。薫製器は煙が少なく、漏れないように工夫されており、家庭の台所でも(それでも多少臭いは残るので神経質な方は外で使いましょう)使えます。
個人的にはサーモスのイージースモーカーが家庭用燻製機の最高峰だと思います。
この商品は中華鍋とはなにが違うのか? という話になりますが、中華鍋での燻製は燻製中は鍋の温度が下がるので、基本的に加熱を続ける必要があります。しかし、サーモスの製品の場合は保温調理することで加熱時間を短くして、煙の量を減らせます。弱点は少し高いこととやや小さいこと。
予算のない人(僕のような)は鉄製の中華鍋型の燻製機を選択することになります。今回はこちらの商品を使っています。ま、これでも問題なく、燻製はできるので、使用頻度の少ない薫製器にお金をかけるのは合理的ではない、と思う方は安価な製品を選択しましょう。
今日はサンマを燻製にします。燻製にかける食べ物は基本的に『脂肪分の多い食べ物』が向いています。香り成分は脂肪に溶けるからですね。具体的には豚ヒレ肉よりも豚バラ肉(つまりはベーコン)ということになりますし、他に思いついたものを挙げていくと卵、ナッツ、サーモン、チーズ、タラコなどの魚卵などです。
魚のなかでは脂肪分が多いサンマも向いています。
燻製の弱点は調理中に味をつけられないこと。必ず事前に味をつける必要があります。ソミュール液と呼ばれるスパイスが入った塩水で味をつけるのが一般的。今回は醤油20cc、みりん20cc、酒20ccに一晩、浸けました。
水気が残っていると上手に加熱されないので、キッチンペーパーでふき取って、燻製機にかけます。燻製のコツについてはまたの機会に詳しく書きます。
強火にかけて、鍋の端から煙が出てくるまで加熱します。煙が出てきたら、弱火に落として5分加熱。その後、10分間放置します。加熱中は蓋を開けないこと。家のなかが煙だらけになります。換気扇は全開です。家にある火災警報器にも注意してください。気になるようならやはり野外でカセットコンロなどを使って行ってください。
蓋を開けるとドン。紅葉を思わせる黄金色に色づいたサンマです。
お酒のつまみに最高ですね。部屋に煙の臭いが残った場合は、フライパンで緑茶を炒ると誤魔化せますが、抜本的解決にはなりません。試してみたい方は換気扇の性能や洗浄のしやすさなどと相談して、それなりに覚悟を決めてやってみてください。
撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!