観光は「3密産業」-世界のトレンドを紹介するサービスを開始しました
先週のコラムを公開したところ、5000円、1万円とご支援をくださる方々が数人おられ大変驚きました。自分の文章が無価値であると思っているわけではありませんが、ずっと無料媒体で書いてきましたので対価と結びつけて考える機会がこれまでありませんでした。それに、サポートという機能があることは知っていたものの、見ず知らずの方からそれほどの額を頂戴することになるとは思わず、今どきの経済のあり方を目の当たりにした気分でいます。
なかには「ご祝儀」と記してくださる方もいらっしゃり、大変感激しました。皆様、本当にありがとうございます。ユーザー名しか分からないわけですが、関係の深いデスティネーションに特有のお名前があったりもし、「もしかしてお会いしたことがあるかもしれない、だとするとどなただろう」などと考えてしまったりもしています。
また今週は、海外メディアの観光関連ニュースのまとめ記事も公開しました。これは、私が前職の在籍時から個人的なプロジェクトとして続けてきたものをベースにしており、日本の観光産業で働くみなさまにとって有益と思われる記事をプロ目線で選択したうえで、「ある媒体がこういう記事を掲載している」という事実のみをごく簡潔に3行以内でまとめてお伝えすることをルールとしています。
読み物ではなくニュースだからnoteよりもメールなどのプッシュ型でお届けする方が良いのではないかとか、マネタイズを考えると自前のサイトでするべきかなどと色々と思案中ですが、まずは具体的な方針が決まるまではこちらで公開していく予定です。日本にいるとなかなか知り得ないような世界の業界のトレンドをご紹介できれば幸いです。
木曜日、金曜日とご覧になった方はお感じになったかもしれませんが、現在はどこの媒体もコロナ関連の情報ばかりで、タイ国政府観光庁副長官が年内の渡航制限の緩和は難しいのではないかと話されたとか、世界の航空座席は未だ前年比50.5%までしか回復していないとか、厳しい状況を伝える記事が大多数を占めます。
また、国内のニュースに目を向けても、「阿波おどりが戦後初めての中止となって、宿泊施設の3割が廃業を検討」というショッキングな記事があったりもし、まさに観光は、マカオ観光局の榊原氏が話された通り「3密産業」なのだと思ってしまいます。
とはいえ、例えばこんな状況なのに香港に新しい航空会社ができそうだとか、不死鳥が自らの身体が焼けた灰の中から再生するように、焼け野原のような惨状のなかでも観光産業のダイナミズムを感じられる記事もあります。足元では日本を含めて感染者が増加傾向にあって交流再開の流れが滞っていますが、年末に向かって明るい話題が増えていってほしいものです。
退職前のコラムでも書きましたが、このままいくと旅行会社のような既存プレーヤーの多くは存続が厳しくなる一方、観光・旅行市場自体はなくならないでしょうから、恐竜が地球での主役の座を哺乳類に奪われたように、産業内で新しいプレーヤーが幅を利かせる時代が来る可能性があります。
そしてそうした時代の変化を少しでも早く察知し、適応して生き残っていくために必要なものは情報でしょう。例えば金曜日に取り上げたなかにはソーシャルディスタンス下での旅行のアイディア25選というものもあり、ゴーストタウンの探検などというちょっとおもしろい発想も見られました。海外がなんでも優れているわけではありませんが、逆張りするにしても知っておいて損はありません。できる限り多くの方に届いてほしいと願っております。
なお、このほか木曜日にはマッキンゼーが提言した観光復活への道についてもご紹介しました。是非ご覧ください。(松本)
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