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やっぱり人付き合いは難しいと思った31歳の誕生日

私はベトナム・ハノイ在住の現地採用者。
1年ほど前に1つ下のベトナム人女性と友だちになり、その後彼女の親友も交えて3人で遊ぶ仲になった。

今回は、その人達との関係を見直すキッカケにもなってしまった、誕生日祝いでの出来事を記録していく。

登場人物

ここでは、仮にグエンとアインという名前で紹介する。

グエン 

グエンは最初に友だちになった女性。
オーストラリアの大学に通っていたため、流暢な英語を話し、活発でフレンドリーな性格。おせっかいなところもありつつ、友達思いな人。

ただ、仲良くなるにつれて彼女の違う部分も見えてきた。
人当たりはいいが、批判的で文句も多い。自分でも、「人を苛つかせる」と自覚しているが、直すつもりはない様子。

また、詮索好きのくせに変なところで遠慮したりと、よくわからないところもある。

過去の苦い経験からか、恋愛に関しては、ベトナム人男性は「コントロールフリークだから嫌い」といって恋愛対象に入れていないようだ。
私から見れば、それは自分自身がコントロールフリークだからじゃないかと思うふしがあるが、その点には触れない。

アイン

アインはグエンの昔からの親友。
私がグエンと知り合って数回目で、「私の親友と会わない?」と言われて会ったのがキッカケ。

アインはクールでおとなしく、私と少し似たところがある。
何回か話すようになってからは、ユーモアがあって、友達思いな人だと感じた。

自分の意思をしっかり持っているが、グエンがいつもあれこれ干渉してきて、それに渋々従っているような場面も度々見られた。

彼女たちは長年の親友なので、その関係性でうまくいっているのかもしれない。

3人の関係性

3人でいるときは、グエンが中心となって話が進み、それぞれの近況や職場愚痴、今後一緒に行きたい場所など、普通の会話をする。

誕生日会前

計画

2023年8月、知り合って1年程がたったとき、グエンが転職を機にハノイからホーチミンに引っ越しをした。

アインの会社もホーチミンに支部があるため、営業活動を名目に、グエンと一緒にホーチミンに行き、そこで2週間ほど滞在することとなった。

2人がホーチミン行きを決めた頃、アインと私の誕生日が8月ということもあるので、ホーチミンでお祝いしようという計画が持ち上がる。

私も3連休をとって、途中から合流する流れとなった。

グエンが、「誕生日祝はお洒落してちょっといいレストランでディナーしよう」といっていたので、自分もその気になり、賛成していた。

私がホーチミンに行く前日にも、候補のレストランを送ってきて、私にどっちがいいかを聞いてきたので、ビーフステーキのお店に決めた。

ホーチミン到着

ホーチミンに着いた日、先にグエンとランチをした。
研修やミーティングで忙しそうだが、新しい職場でうまくやっているようだ。

そこでディナーの話になったのだが、実はアインがファンシーなレストランよりはベトナム料理のがいいというので、予定変更になったとのこと。

結局彼女らが決めたベジタリアンレストランに行くことに。
さらに、本来行く日程はお店が休みなので翌日に変更となった。

私に意見や行きたいところを聞いて、結局グエンが決めるということはよくあることなので、今回も「まぁいっか」という感じだが、少し拍子抜けだ。

誕生日会前日の食事

というわけで、この日の食事をどうしようという話になった。
何を食べたいのか聞かれたので、当初の予定通りビーフが食べたいと伝えておいた。

とりあえず待ち合わせ場所だけ決めて、ぶらぶらレストランを見て回るということに決めたが、ランチ後、ガイドブックにも載っている有名なベトナム料理店を思い出したので、そこにしようと持ちかけたら2人が賛成したので、そこに行くことにした。

2週間ぶりの再会で楽しい食事になると思ったのだが、実は数日前から風邪気味だったため、本調子ではなかった。

それに気がついたグエンは執拗に薬を飲むように迫った。

面倒だし本格的に熱が出てるわけでもないので、薬を買うのを渋っていると、「ベトナムに来て何回風邪引いてる?私達が風邪引いてるの見たことある?」とグエンが責めるように言う。

それから、私が体調管理できていないような口ぶりで、私の風邪を引いた時のことを持ち出す。

私だって普段からビタミンCを取って免疫力をつけてるし、本格的な風邪なら薬も飲む。自然治癒力が落ちるから薬を飲みすぎたくないなどと伝えても、お互いの意見は平行線。

それからまた雑談に戻ったが、私の言うことやることにケチをつけてきて、しまいには私が難しい人かのように扱う。

さらに、前日に出会ったという外国人観光客とのテキストに夢中のようで、私たちとの会話といったら、嫌味を言う時に参加するくらい。

食事に関しても、少食のくせにあれこれ頼みたがり、最終的には私とアインで無理して食べることが多くある。

今回も、色々シェアしようと言っていたのに、自分だけのメイン料理を決めて、シェアできる食事も頼もうとしていた。何がいいか聞いてくるくせに、私の提案はすべて却下。結局は彼女が頼みたいもの。もしくは納得できるものを選ぶ。

グエンとアインは麺料理を頼み、アインと私でシェア用に2人前のベトナム料理プレートセットを。そしてみんなで食べる蒸し野菜セットを注文。

そもそもこのプレートセットをアインと2人で分けて食べようと言っていたが、直前でアインが麺料理も頼んだのでこのような注文になった。

2人はメイン料理があるので、蒸し野菜もプレートもついばむ程度。
結局ほぼ2人前の料理を私が食べていた。でも、グエンの感覚としては私が一番食べていないように映ったよう。

帰ろうとしたとき、春巻きが一つ残っていたのだが、グエンが「ほら、食べ物を無駄にしてるのはあなたのほう」と言い捨てた。

食事後、3人でホーチミンの観光スポットであるウォーキングストリートやサイゴンリバー沿いを歩いていく。

私が来る前に、2人でサイゴンリバークルーズに乗ったそうで、グエンは私にも乗るよう勧めてきた。アインが、船の進みは遅いし退屈だったと言っていたし、船を見る限りショボそうなので興味はあまりなかった。

やることなくなったら、ふらっと行って、乗れたら乗ってみようかなくらいのテンションだったのに、グエンは「今夜チケット買っておこうか?予約しておかないと売り切れるから」と。

予約してまで行きたくないし、時間も決めたくなかったから、やんわりことわったが、私の返答が気に入らない様子。

その後、川沿いに座って少し雑談。その間、明日の予定の話になる。

アインが明日特に何もなければ仕事を休めるということ。
そもそも、このアイデアもグエンのもので、仕事を休んで私と一緒にサイゴンを見て回りなとアインに言っていたようだ。

その後も、何時に待ち合わせして、どこで何を食べて、など細かいプランを次々と立てていく。
もちろんすべて本気で言っているわけでもないし、彼女にとっては手助けのつもりかもしれないが、関係ないのになぜこんなに言ってくるのかが理解できなかった。

その間、アインと私は半分聞き流すように彼女のプランを黙って聞いていた。

最終的には、明日私がアインに直接時間と場所をテキストするね。ということで収まった。

誕生日会当日

食事前の観光

グエンにはカタツムリのヌードルを食べるよう強く進められていたが、自分が食べたい物・したいことをするプランを立てた。

アインとは12時に会う予定を立て、午前中は行きたかった少し遠いモールまで行き、1人での時間を満喫した。

お昼はアインと合流し、ソフトシェルクラブのお店へ。

94 Thuy Restaurant
外国人用メニューは割高に設定されているので注意

その後、近くのお寺を見に行ったり、アインおすすめの台湾レストランのミルクティーを飲みに行ったり、地下のマーケットに行ったりと、食事と観光を楽しんだ。

Chùa Ngọc Hoàng - QMRX+Q79, Đ. Mai Thị Lựu, Đa Kao, Quận 1, Thành phố Hồ Chí Minh, ベトナム
Baozi Restaurant - 106 Hai Bà Trưng, Đa Kao, Quận 1, Thành phố Hồ Chí Minh, ベトナム

アインはおしゃべりではないので、2人で合うときは会話が弾まないこともあるが、落ち着いて話せる相手だし、なにより私自身のことを悪く言ったり責めることはしない。もちろん友達同士のからかいは多少あるが、それは彼女が私に対して心を開いている証拠なので、むしろ嬉しいことである。

3人で話すインスタのグループチャットで、グエンから、「17:30には仕事をあがれるから、先にハッピーアワーのあるバーに行ってから食事に行こう」と連絡があった。

元々お洒落してファンシーなレストランに行くという話だったので、それようの靴と服に着替えてから行くことにした。

一旦アインとは別れてホテルに帰り、着替えてから17:40にバーで待ち合わせをした。

隠れ家的なバーで、私が着いたときにはすでにアインがカウンターの端に座っていた。

STIR - Modern Classic Cocktail - 1st Floor, 136 Lê Thánh Tôn, ward, street, Quận 1, Thành phố Hồ Chí Minh, ベトナム

ドリンクメニューやバーの雰囲気について2人で話していると、グエンが到着。

花がらのドレスを着ており、かわいいねと褒めると、私の服の色と柄に似ていることに気がつく。それを見て彼女は、「うわー」と嫌そうにする。
更に、私のシャツを見て「どこで買ったの?」と聞かれたので、「香港に行ったときにZARAで。」というと、またもや嫌そうな顔をした。

すべて本心ではないとわかっているものの、せっかくの誕生日祝なのに、そのようなネガティブな態度が気になった。

それから、ドリンクの他になにか食べたいというグエンの強い要望でお好み焼きとフレンチフライをオーダー。

彼女が来てからは、話も雰囲気も全て彼女が持っていく。
例えるなら、アインと私が二人で話しているときは、ふわふわした柔らかいクリーム色のオーラがまとっていたが、彼女が来た途端、私達の淡いオーラが彼女の攻撃的かつネガティブなオーラで浸食されていく感覚があった。

「仕事帰りに1人でこのバーに来るのも良さそう」とかなり気にっているようだったが、猫背でくちゃくちゃ音を立ててお好み焼きを食べる姿をみて、(お前みたいなやつはこのバーには似合わない)と心のなかで悪態をついた。

すでにお腹もいっぱいになったまま、予約していたベジタリアンレストランへ。

誕生日会?という名ばかりの食事

レストランはキレイでオシャレではあるが、特別感はなかった。
すでにみんなお腹が満たされていたので、ちょっとした食事を各々頼み、みんなでつまんでいった。

どうしても食べ切れないが、残せば絶対なにか言われるので、持ち帰ることにした。

なにかの話をしていたとき、グエンは「ファンシーなレストランは嫌い」と吐き捨てるように言った。私は、「それならなぜ当初、ファンシーなレストランに行こうと言ったの?」というと、「それは誕生日の2人のため」だという。

そもそもそんなこと頼んでないし、今回の目的はみんなで集まってお祝いすること。それなのに、あたかも自分は嫌いなのに2人のために用意したと言わんばかりの態度に傷ついた。しかも結局そのプランは私に相談を一切することなく突然別のものになったし。

私の行きたい所に行こうとなったときも、結局彼女の意向で全く別の行き先になることは前にもあったが、せっかくの誕生日祝いでもそんな扱いなんだと失望した。

ちなみに、ファンシーなレストランと言っても、私達のいうものは決して高級店ではない。ちょっといいお店くらいのニュアンスだ。

普段なら聞き流せるはずが、ホーチミンに来てからグエンの言葉のトゲや、私へのあたりの強さが目立つ。なんだか嫌味っぽいし、レストランでも食事への不満や同僚の文句を言ったりと、みんなとの再会や誕生日を祝うムードでは到底なかった。

最終的にはグエンと話すことも目を見ることも嫌になり、黙っていることが多くなった。アインはその事を気にかけ、「バーを出てからすごく静かだけど、何かあったの?」と聞いてくれたが、「お腹いっぱいで眠いだけだよ」と誤魔化した。

「明日お昼をみんなで食べに行こう。なに食べたい?」とグエンが言った。
選ぶのも手間・選んだとしても却下されるということもあり、別に食べたくもないけど、2人がいいよといいそうなベトナム料理店を選ぶと、案の定OKが出た。

誕生日会のあと

ホテルに戻るとこの2日間に感じたことを振り返った。
怒りの感情はもはやなく、とにかく彼女はもう私にとって友達とは呼べない人になっていた。

言い合いをして、お互いの腹の中をさらけ出そうとも思わない。もう会いたくないなと言う感情しかない。

きっと2人にとって。そして今読んでいる人にとって唐突な決断だと思うかもしれない。ただ、グエンに至っては、出会ってからずっと彼女に対する違和感というものがあった。

今までも私のパーソナリティをジャッジする事があったし、人のプライベートを侵害することもあり、一生の友達にはならないだろうなと感じていた。

それでもベトナム生活を助けてくれることもあり、会う頻度が高かったのでその分友情も育んできた。

しかし、今回のホーチミン旅行ではすべてがネガティブかつアグレッシブで、彼女に対しての興味を一切失った。

ホーチミン最後の日

最終日、お昼をみんなで食べようと言っていたが、最後の日までネガティブな感情でいたくないと感じたため、やることがあるからお昼は一緒にできないと伝えた。

ホテルをチェックアウトし、マッサージに行ったり、おしゃれなカフェを見つけてゆっくりし、自分の時間を楽しんだ。

帰り際、「グエンからホーチミンに来る時間を作ってくれてありがとう。あまり合う時間を作れなくてごめんね」とメッセージがあった。「フライトが遅延してるけど大丈夫。じゃあね」としか送れなかった。

そして、これが最後だな。と決意してハノイに帰った。

後日談

誕生日当日、普段のグエンなら絶対にメッセージを送ってくれるが、夜になっても何も言ってこなかった。
グループチャットでアインからバースデーメッセージを貰って、その後グエンからハッピーバースデーのスタンプが送られたのみ。
私は「ありがとう」としか言えなかった。

その後も、お互いチャットすることもなく、このホーチミンで感じた違和感と態度についても触れていない。

ちなみに、ホーチミン1日目に誕生日プレゼントとして、2人から香水とバースデーカードをもらった。
ありがたいが、今回は誕生日を祝うという形に囚われ過ぎていて、重要なものが疎かになっていた気がする。

私は普段から海外旅行をよくする。ベトナムに馴染もうともしていない。そんな態度を見ていればベトナム人からしたら気持ちがいいものではないと思う。

彼女たちが感じる私への不満や気にかかることがあるのは理解しているつもりだ。

今回の経験をあやふやにして、またグエンと友達に戻ることはない。
然るべきときに、しっかりと自分の考えを伝えて、今後は別の道にそれぞれ進みましょうと伝えるつもりだ。

正直、こういった友達関係は前にもあった。こういう人に当たりやすいのか、自分の問題なのか。よくわからないが、自分の人生なので友人関係も取捨選択はしていく。当分友達なんてまっぴらごめんだと思う反面、きっと1人でいるとさみしくなるんだろうなとも思う。

こんな私だが、10年以上続く友だちもいる。
私が海外と日本を行ったり来たりしてても、途中でラインの連絡先が消えてしまっても、なにかの運命からか、また連絡が取れた。

頻繁に会わなくても、互いを気にかけ、愚痴が言い合える仲。

この人じゃなくちゃダメなんてあるのだろうか。
その時々で自分にあった人を見つければよいのではないか。それでも10年20年後に振り返れば同じ人がいれば、その人こそ本当の友達。

柔軟さは大事だけど、自分のことを傷つけてまで柔軟でいる必要なんてない。

来年、どこにいて誰といるかわからないけど、32歳の誕生日が今から楽しみではある。

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