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ナポリ =めんどくさくてイライラするけど、でも好き

ナポリは人口が96万人もいる、イタリア第三の都市で大都会。
なのに色々と不便なところだった。

とにかく人が多い。観光客も地元の人も。
多いだけならまあ、都会だからという話なんだけど、交通関係のインフラがそれに追いついていない感じ。
地下鉄も電車もバスも大体混んでて、狭い歩道には歩行者があふれている。行列しているお店(ピザ、お菓子、ジェラート等)が多く、その行列が狭い歩道をさらに狭くする。さらに、丘が多くアップダウンが激しく、道が細くてさらに歩きづらい。
しかもその道にゴミが多い。一時期話題になったようにゴミ収集がされてないということはないけど、北部・中部の町に比べると、道に落ちてるゴミが気になる感じ。
道路は悪名高い大渋滞。
路面電車は線路だけがあって、走っているのをついぞ見かけなかった。廃止されたんだろうか?
地下鉄は一応3路線(ただし、その中の一つは国鉄が地下に潜っているだけなのでいわゆる地下鉄じゃなく、チケットも違う)あるけど、観光の目玉とされる場所は網羅してなく、最寄駅から延々歩くことが多くて不便。ホテルから行きたい場所への交通手段を調べて出かけても、グーグルマップで想定された時間内にはまずたどりつけない。
予定をあれこれ詰め込んで効率的に回りたいとなると、かなりストレス。おまけにどこ行っても行列と人ごみで、それだけでも疲れちゃう…
ヨーロッパの、先進国の、第3の都市だなんて信じられないわけわからん感。

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が!
なぜか、この街を嫌いになれなかった。
それどころか、日々過ごすごとに、どういうわけか「困ったところも多いけど、ナポリ好きかも」な気持ちが強まっていった。
こんな町は初めて。
不思議だった。今こうやってキーボードを打っていても、ああまた行きたいな、と思っている。

ぐちゃぐちゃカオスな通りと、美しい建物の中。
治安が悪いとされている地域(怖くて足を踏み入れてない)と、フレンドリーな人々の多い繁華街。
下町と山の手。
真っ青な海とゴミだらけの路地。
なんか、そういう「光と影」的なものとか「コントラスト」の激しさに理由があるような気がするんだけど、うまく言葉にできないなあ。

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そして、ピザが美味しすぎた。
これまで食べたあらゆるピザの中で一番美味しかった。
生地がモッチモチで、トマトソースとチーズの味が濃くて…

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ああ、また行きたい。
2020年には新しい地下鉄が開通するらしい。そうしたら、海辺と丘方面が結ばれて観光には便利になりそうなので、期待。
でも予定通り開通するのか心配だし、開通してもやっぱりいろいろ非効率でイライラしそうな気もする。
でも……また行きたい。


最後に、最近読んだ本から、わかる!と思ったナポリ評を引用しておく。
私は基本的に日々社畜生活を送っていて、それゆえにまた行きたいのかもしれない。

……日本の管理社会に抑圧を感じている人はたとえわずかにせよナポリに滞在することによって、存分に身体と精神を解放できるのではないかと思う。ついでに言えば、日本人の好きな麺類、ピッツァやスパゲッティなどのパスタ類も豊富であるから、胃の方も満足させることができるにちがいない。……
ナポリ―バロック都市の興亡 (ちくま新書)


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