【一次創作】ある書物の写本化記録 (2)
以前、とある管理書籍の件で協力した修復師に、先日の汚損個所の修復方法について相談した。彼自身に修復ができるものではないそうだが、「修復可能な人物」について紹介を受けることになった。原本の情報を伝え、その連絡を待つことにする。
読み進めていくうち、不自然に汚されている箇所が多数存在した。解読できた限りでは、恐らく第三者による意図的な汚損が行われた可能性が高い。戦や政変など世情の乱れた頃に散見される行為だが、全く以て愚の極みと怒りが込み上げる。焚書に成る前に救えたのはまだ幸い