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Mってなんだ

星空散歩の note でいくつも登場した「M42」などの星雲星団
この"M"って何なのでしょうか?

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夜空には肉眼で見える星=恒星以外にも、星雲星団と呼ばれる天体がいくつもあります。
ざっと書きますと

 ・系外銀河:我々のいる銀河系の外にある別の銀河系(M31,M33など)
 ・散光星雲:宇宙空間を漂うガスが集まったもの。内部で輝く星に照らされて見える(M17,M42など)
 ・球状星団:星が球状に集まった天体。数万から数百万集まっている(M3,M13など)
 ・散開星団:狭い範囲に星がちりばめられたように集まっている天体(M44,M45など)
 ・惑星状星雲:星がその一生を終える際に噴出したガスが広がっている天体(M27,M57など)

となります。

中には散開星団と散光星雲が合わさったような天体や、散開星団というには散らばりすぎてよくわからないもの。
球状星団なのですが、あまりに明るく、肉眼ではちょっと大きな恒星のように見えるもの。
肉眼で見えるぐらい明るい散開星団、系外銀河などもあります。

これらは多くの天文学者によって発見、整理されてきました。

それらをまとめ整理したフランスの天文学者がシャルル・メシエであり、彼の名前から『メシエ天体(通称M天体)』と呼ばれているのです。

メシエは18世紀の天文学者で、彗星を探索するのに彗星と見間違える紛らわしい天体の一覧を作ったことが始まりとされます。
「最初に作られたカタログ」と言われますが、これより古いカタログもあるため、正確ではありません。

メシエカタログに収録された天体は比較的明るく、小型望遠鏡(10cmクラス)で見えやすいため、多くの観望会などで見られています。

メシエ天体はM1から、M110までありますが、メシエ本人がカタログに記載したのはM103までになります。
M104からM110まるまで生前メシエが記録はしていたが記載していなかった天体を後世の天文学者が追加したものになります。
また、M40,M47,M48,M91,M102についてはメシエが記載した位置にそれらしい天体が無いため、現代ではカタログに記載されていません。

メシエ天体を一晩ですべて見ようという『メシエマラソン』という過激な楽しみ方があります。
1970年代にスカイ&テレスコープやアストロノミーなどのアメリカの天文雑誌で紹介されてから人気になったとされます。
といっても、太陽があるため昼間に天体を見ることはできず、チャンスは【3月中旬から4月上旬まで】と短いうえに、月があると淡い天体が見えにくくなるため、【新月に近い時期】という条件が付きます。
しかも終夜晴れている必要があるため、自動導入を使わない(=なかったころ)はかなりの体力を必要とするものでした。

また、メシエ天体は多くが天の北半球にあり、南半球からはいくつかの天体を見ることができません。
そのため、メシエマラソンを行うのに最適な地域は、北緯25度近くと言われています。

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