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星空散歩(冬)〜マニア編

冬。寒さで外にいるのもつらい季節ですが、望遠鏡で見ると素晴らしい姿を見せてくれる天体が多くあります。
望遠鏡をもって星空を散歩してみましょう。

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<星空を説明するときは、上下左右ではなく、東西南北を使用するのが通常ですが、>
<わかりやすさを優先させるため、北半球で南を向いて立っていることを前提に上下左右でまとめています。>
<1月1日22時、2月1日20時、3月1日18時ごろの北海道札幌市で見える星空になります。>

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冬を代表する星雲星団と言えば、『おうし座』の『M45:プレアデス星団』です。
場所は『星空散歩(冬)初級編』の note で説明した通りですが、大きく広がった散開星団ですので、望遠鏡よりは双眼鏡をしっかり三脚などで固定して見るのをお勧めします。

次いで、こちらも冬を代表する星雲星団になります。『オリオン座』の『M42:オリオン大星雲』です。
(場所は『星空散歩(冬)初級編』の note で説明した通りです)
大きく広がる散光星雲の中心で光る4つの星『トラペジウム』はまさに星が誕生したばかりの姿になります。
こちらは望遠鏡で拡大するもよし、双眼鏡で大きく広がる星雲の姿を見るもよいでしょう。

3つ目は、こちらも『星空散歩(冬)初級編』の note で登場した、『かに座』の『M44:プレセペ星団』です。
『プレアデス星団』と同じ散開星団です。
こちらも望遠鏡で見るというよりは、双眼鏡向きな天体になります。
『プレアデス星団』が若い星の集まり(6千万~1億歳ぐらい)なのに対し、『プレセペ星団』は赤色巨星や白色矮星も存在し、年齢も7億歳程度と言われています。

『ふたご座』にも見ごたえのある散開星団があります。『M35』です。
『ふたご座』の『カストル』の足元に満月ほどの領域に星が散らばっている天体が『M35』です。
夜空の暗い場所で眺めると、肉眼でもぼんやりとその存在がわかります。
すぐ右下に同じく散開星団『NGC2158』が輝いていますが、こちらは散開星団にしては密集しており、かつては球状星団に分類されていたほどです。

『ぎょしゃ座』にあるM36・M37・M38の3つの散開星団はそれぞれに特徴があり、見比べると非常に興味深い天体です。

『いっかくじゅう座』にβ星は、イギリスの天文学者ウィリアム・ハーシェルが三重星であることを発見した天体で、「空で最も美しい眺めの一つ」と書き残しています。
『オリオン座』の三つ星をそのまま左下に3倍ぐらい延ばしたあたりに輝いています。
5~6等級の星が3つありますが、条件が悪いと伴星が分離せず線状に見えます。小口径の望遠鏡ではちょっと分離するのが難しいかもしれません。

『おおいぬ座』の145星(h3945,HIP 35210/35213 )は、全天屈指の美しさと言われています。
ですが、非常に見つけづらく、夏の『アルビレオ』、秋の『アルマク』に比べると地味な二重星になります。
ですが、離角が27秒ほどと離れているため、小口径でも容易に分離できるのはうれしいところです。
『シリウス』の下にある三角の星並び(三角星)をファインダーに入れ、ちょっと上にあるο星を中央に入れると視野内ギリギリ左端に(視野7°)にあります。

どれも望遠鏡や双眼鏡で導入するには【慣れ】が必要ですが、見てみてはいかがでしょうか。

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