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天体としての『月』は太陽系の他の衛星と比べると、ありふれたものかもしれません。
ですが、『地球』とセットで考えると、かなりレアな部類に入ります。

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まずは月の基本から。

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月は地球の唯一の衛星で、大きさとしては太陽系内で5番目の大きさになります。
また、太陽の次に明るく見える天体です。(満月時で約-12.7等級)

呼び方は、日本語で『月』、英語だと『Moon』、ドイツ語で『Mond』、フランス語で『Lune』、ラテン語で『Luna』になります。
古くは太陽に対して太陰、日輪( = 太陽)に対して月輪とも言いました。

月の大きさは、直径が約3,474 kmで、地球の約1/4になります。
質量は、約$${7.35 x 10^{22} kg}$$で、地球の1/81になります。
ところが、平均密度は 約$${3.34g/cm^3}$$と地球(約$${5.51g/cm^3}$$)よりもはるかに小さい値となっています。
このことが月の誕生をめぐる議論でポイントとなりました。
(月の誕生については、別の機会にいたしましょう。)

あまり話題にはなりませんが、月の表面積は約3,793万km2で、オーストラリア大陸とアフリカ大陸を合わせた面積よりもわずかに小さいぐらいになります。

地球からの距離は平均すると約38.4万km。
近い時で36.3万km、遠い時で40.5万kmの楕円軌道になります。
このことが金環日食・皆既日食を起こす理由の一つになっています。
ですが、アポロ計画などで月面に設置された反射鏡を用いたレーザー測定の結果、平均して1年あたり3.8cmずつ遠くなっています。
そのため、いずれ皆既日食も金環日食も見られなくなってしまいます。(と言っても計算すると約6億年ぐらい先になりますが。。。)
(日食については、別の機会にいたしましょう。)

月を見ると、黒い部分と白い部分に大きく分けることができます。
黒い部分を『海』と呼びますが、白い部分を『陸』とはあまり言いません。
ちなみに『海』は月の地球側には多くありますが、反対側(裏側)のはほとんどありません。
この辺の詳しい話も別の機会にいたしましょう。

もう一つの大きな特徴は、クレーターでしょう。
このクレーターも、海のはあまりありません。
この違いが、海の誕生を考える上で重要なポイントになりました。
(クレーターの詳しい話は別の機会にいたしましょう)

月については、書き出すと止まらなくなる上に、とても長くなりますので、最初にあげた『レアな部類』についてです。

月を含め、衛星はその周回対象となる惑星の周りを回っています。
月そのものの大きさは、太陽系の衛星の中で5番目になります。
月より大きな衛星は、
 ・ガニメデ (5,262km)
 ・タイタン (5,150km)
 ・カリスト (4,800km)
 ・イオ (3,630km)
といずれも木星・土星といった巨大ガス惑星の周りを回っています。
月に続く大きさの衛星も
 ・エウロパ(3,120km)
 ・トリトン(2,700km)
と地球よりも遥かに大きな惑星の周りを回っています。
こう見ると、地球に対する月は、衛星としては不釣合いに大きいことがよくわかります。
この点が、『地球とセットで考えるとレアな部類に入る』理由なのです。

地球と月を他の太陽系から観測すると、二重惑星のように見えるかもしれませんね。

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