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第1章:サステイナビリティのわからなさはどこからくるのか (note版)

今日は書籍案『私の見ているサステイナビリティ』の第1章「サステイナビリティのわからなさはどこからくるのか」のnote版を公開します。この章での中心的な議論をまとめていますので、第1章の紹介版として読んで頂けると嬉しいです。

1.力のない言葉

「サステイナビリティ」という言葉を聞いたときに、読者の皆さんはどのようなイメージが思い浮かぶでしょうか。環境に関する何かグリーンなイメージ、あるいは国連が2030年までの開発目標として提唱しているSDGsの七色のロゴが思い浮かぶかもしれません。

2020年3月にMyVoiceが実施した認知度調査によると、「サステイナビリティ(持続可能性)という言葉について知っていますか?」という質問に対して、「知っている」と回答したのは全体の2割ほどでした。このことからも、サステイナビリティがまだまだ多くの人にとって聞き慣れない言葉であることがわかります。

『ある言葉を聞いたときに感情が広がらないのであれば、
それはその言葉に力がないということだ。』

友人がある仕事でご一緒したデザイナーさんに教えて頂いた言葉だそうで、私も外向けに文章を書くときにいつも思い出している言葉です。何かメッセージを届けたいというときには、用いる言葉が感情や具体的なイメージが広がるものであるのかどうかを見極める必要がある、ということをこのデザイナーさんは教えてくれています。

「サステイナビリティ」という言葉はどうでしょうか。残念ながらまだ感情が広がらない力のない言葉であり、もやっとしたわからなさが印象として残るのではないでしょうか。

本章ではまずこのサステイナビリティに対するわからなさがどこからくるのかを探っていきたいと思います。

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