ぎっくり腰になりました。
先週半ばの水曜日、ぎっくり腰になりました。その痛さと辛さと言ったらもう、、、筆舌に尽くしがたいものでした。
普段は研究のことなど真面目なことばかり書いていますが、今日の記事は私のぎっくり腰体験談で、絶対嫌だけど万が一またなってしまったときの心構えのための備忘録です。
日頃からパソコンに向かってばかりの一研究者がぎっくり腰になったという話ですので、「あー、クドウやっちまったなぁ、、。」と思いながら、笑って読んで頂ければ嬉しいです。(笑)
ぎっくり腰は突然に。
東京オリンピックの開会式直前時期を予定していた7月第三週の後半。政府の粋なはからいで海の日とスポーツの日を週の後半に寄せて、お年玉的な四連休が設定されていました。首都圏在住で保育園児がふたりいる我が家は、コロナ関連のニュースを見ながら「Go Toキャンペーンの利用はやめといたほうがいいかなぁ」とつぶやきつつ、それでも近場で野外で遊べる施設に出かける計画を立てるという、のほほんとした時間を過ごしていました。
それは、「木金が休みということは、今週は普通日が3日しかないじゃない。こりゃ色々早め早めにやっとかないと仕事が片付かないなぁ。」とか、「しかも気がついたら7月も来週で終わりじゃない。あー、30代半ばにもなるとこんなに時間の流れが早いのね。」などと流暢なことを考えていた、梅雨空広がる水曜日の朝のことでした。
いつものように息子と娘を保育園へ送って行く途中、2歳半の娘が「だっこー!」と言ってきます。「はいよー」と言いながら、よいしょと勢いをつけて娘を抱き上げ2〜3歩進んだとき、腰にピキピキした痛みが。嵐の訪れを告げる遠雷のごとしこの電気系の痛み。今思えばここですぐに立ち止まるべきでした。そう、ぎっくり腰は突然にやってきたのです。
感じたことのない激痛に「あれ?」と思いつつも、ここで絶賛イヤイヤ期の娘を降ろしたら、次の瞬間に何が起きるのかは目に見えています。ちょっと我慢してもう10歩ほど進みます。この間に遠雷だったピキピキ系の痛みが、一瞬で風速30メートル級の大荒れ台風のごとし激痛に変わりまして、腰はギシギシと唸り、額には冷や汗的なものが出てきました。
「やばい、痛すぎる、、これ以上一歩も前に進めない。。」
とりあえず平静を保ってイヤイヤクイーンの娘に優しく話しかけてみます。
「お父さんちょっと腰が痛くなっちゃったから、歩いてくれる?」
応答はもちろん「イヤだ!!」。しかも交渉の余地がない感じです。
そりゃそうです、朝の通園時間には、最後の数メートルをお父さんに抱っこされて保育園に向かうのが彼女のルーチンなのです。これが乱されたら今日一日を楽しく過ごせない。そりゃあ嫌なんですよ。
その間にも稲妻のような腰の痛みは更に痛みを増してゆき、もう立ってられないレベル。。娘に申し訳ないと思いつつ、抱っこをギブアップ。娘よごめん、父はもう一歩も歩けないのだ(泣)。
このあと私、どうなっちゃうのだろう。
ぎっくり腰になったことがある人にはこれまで何度か会ったことがあり、そのたびにその痛さと辛さについて聞いていたけれど、まさか本当に立っていることすらできない痛みだということを信じていませんでした。ちょっと頑張ったら立てるし、ちょっと我慢したら歩けると思っていました。(ごめんなさい。)
保育園への送迎からなんとか自力で自宅に生還した私は、玄関のドアを閉めた次の瞬間に廊下に倒れ込みました。これはやばい。ゆっくり歩くとかいうレベルじゃ到底ないし、膝を立ててハイハイもできない激痛。そもそも痛すぎて腰を床から少しも浮かせらせない。横になっていてもジンジン痛いし、毎分痛みが増してくる。
激痛に悶絶しながら、なんとか靴と上着を脱ぎ捨てた私は、腕の力でなんとか這って、リビングへ移動。スマホで仕事まわりの必要最低限の連絡を済ませ、あとは腰の痛みに耐えるのみでした。背中側から見ている分にはこの記事のイメージに選んだ昼寝する猫ちゃんのような状況でしたが、正面にまわってもらうと激痛にひたすら耐える表情をしていたことでしょう。
とにかくこの痛みをなんとかしたい。確か洗面所の棚に湿布があったはず。ということでまずは洗面所まで這っていき、腰を立てるたびに走る激痛に唸り声をあげながら、身長177cmの私の胸くらいの高さの棚にしまってある救急箱を引っ張り出します。
まるでドラマのワンシーンのように伸ばした右手から救急箱は滑り落ち、中身が床に散らばりました。「あー、これが失恋の痛みならばまるで韓国ドラマだ」とかどうでもいいことを思いながら、床に散らばったもののなかから湿布を取り出し、無理くりに腰に貼ります。合わせて床に転がった半分がやさしさでできている頭痛薬。効果があるかはわかりませんでしたが、迷わず2錠を飲みまして、そのあと1時間ちかく洗面所の床で動けないまま寝転んでいました。
このとき頭をよぎったセリフは「このあと私、どうなっちゃうのだろう。」でした。
立って歩けたのが5日目、外出できたのは7日目。
そこからの経緯は以下のとおりです。
1日目:もうまったく動けず
丸1日まったく動けず。リビングの床で丸まって痛みに耐えながら、ネットでぎっくり腰の原因と治療法について調べまくる。youtubeで整体師さんが「自分でできるぎっくり腰の治し方」を紹介している動画を色々試すもすべて逆効果。痛みが増すばかり。最初の3〜5日は強い痛みが続くということなので、この間は何をしても効果はなく、とにかく横になって安静にしているしかない。トイレの便座に座るために無理くり腰をあげると激痛が走ってめっちゃしんどい。体が起こせないのであまりちゃんとしたものは食べられず、非常食用に買っていたカロリーメイトをかじる。
2日目:昨日と変わらず、痛みでまったく起きれない
1日目とほぼ変わらず。横になっていても強い痛みがある。変わったことはベッドの上に這い上がれたことと、原因や治療法を調べてもしょうがないことがわかったので、割り切って横になって本を読んだり釣り動画を見たりして過ごす。買ってきてもらったコルセットを付けてみたら、少しだけ上半身を起こすことができた。四連休がはじまるも、どこにも行けないこと決定。
3日目:まだまだ痛くて動けない
少し痛みが引いてきた気がするけど、それでも腰を曲げてしか立てない。腰をまっすぐにしようとすると激痛が走る。前日とほぼ同じで、どうしょもないので一日安静にして過ごす。とにかく安静にしていないといけないので、逆に四連休でよかったと思えるようになる。
4日目:ようやく少し動けるようになったので病院へ
ようやく少し歩いても大丈夫になってきたので、午前中に整形外科を受診。レントゲンをとってもらって、骨に異常がないことを確認。骨盤と第5腰椎の間が激しく炎症していて、これが原因とのこと。湿布と痛み止めの飲み薬を出してもらう。痛み止めの効果で、少しだけ痛みがひいてきた。原因がはっきりわかったことも大きかった。もう2−3日は安静にしてたほうがよいとのこと。4日もずっと体を横にしているので変な頭痛がしてくる。
5日目:「腰が痛くって、、」が我が家で流行語になる
かなりゆっくりだけど、ようやく腰をまっすぐにして歩けるようになってきた。でも長い時間体を起こしているとまた腰が痛くなる。子どもたちが「腰が痛くって、、」というセリフを真似するようになる。イヤイヤ期真っ最中の娘は意外と理解してくれていて、抱っこを要求してこない。なるほど、たぶんビジュアル的にもこの激痛のしんどさが伝わっているのだろう。夕飯を椅子に座って食べることができた。
6日目:まだ痛いけど、それでも少しずつ動けるようになる
しんどくなったらすぐに横になれる状態であれば色々動いても大丈夫になった。痛みはまだあるけど、休み休みすれば動ける。台所に立って調理や洗い物ができた。それにしても普段からこんなに腰に負担がかかっていたのだと、細かい動作をするたびにピキッと痛みが走ることでわかる。ちょっとお皿を前に置くとか、シンクからコップを持ち上げるとか。確かに「要(かなめ)」って言う字が入ってるもんね、などと妙に納得する。
7日目:出勤しました -「痛みに耐えて、よく頑張った。感動した!」
大事な仕事があったので出勤。無事に一日を乗り切る。それでも移動はそろりそろりと静かに歩き、ずっと座って仕事をするのも腰によくないので、適度にストレッチしたり、うずくまったりしてだましだまし過ごしました。それでも最初の3日間の痛みに比べるとほぼ痛みがなくなったレベル。ここまで辿り着いたことにちょっと感動。「痛みに耐えて、よく頑張った。感動した!」という名台詞を思い出す。
12日目にしてようやく幕が降りる。
最初の激痛からなんとか身の回りのことが普通にできるようになるまで5日かかり、仕事に戻るまでには1週間ほどかかりました。今日で12日目ですが、家事も一通りできるようになり、布団の上げ下げも痛みなくできるようになりました。
もう二度となりたくないですが、残念ながらぎっくり腰は再発する場合があるそうです。「ぎっくり腰の原因はぎっくり腰の数だけある」と言われるそうで、気をつけていても前回とはまた別の原因でなってしまうこともあるそうです。ただし、ぎっくり腰は「手を前に出したときになる」という共通点があるそうなので、重いものを持ち上げるということの他に、ちょっとだけ遠くにあるものを腰をのばしながら取る、みたいな動作は気をつけたほうがよさそうです。特にいつもよりちょっと勢いを付けて動作するのは注意してやめたほうがよさそうですね。
12日目にして、ようやくこのぎっくり腰期間の幕を降ろすことができそうです。激痛でまったく動けなかった初日、リビングの床で痛みに耐えながら、「ネタにして絶対noteに書いてやる!」と思っていたので、今日はこの記事がかけて嬉しいです。あー、しんどかった。そして、治ってほんとよかった。
皆さまもぎっくり腰、どうぞお気をつけ下さい。
腰にちょっとでも違和感を感じたら、どうかその瞬間に立ち止まってください。たとえイヤイヤ期まっさかりのお子さんが抱っこを求めても。(笑)
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