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勝利の歌|第5章 イギリスに対するアメリカ人の憎しみ|アメリカでの40年間(1821-1861)

Forty Years of American Life 1821-1861
Thomas Low Nichols


勝利の歌

革命(独立戦争)と第2次英米戦争、この2つの大きな戦争で世界でいちばん強力な国を打ち負かしました。陸でも海でも同じように勝利したので、私のいちばん古い記憶はアメリカの国力の自慢話です。この新たな戦争の成功は、古い戦争の記憶を蘇らせました。革命の若い兵士たちは、1812年の戦争では指導者になりました。私が覚えている最も古い歌の1つは、次のような歌詞で始まっています。

「40年前の古きイングランドよ、私たちが若くて痩せっぽっちだった頃、致命的な一撃を与えようと企てていた。そして神は私たちの守護者だった。」

また、ペリー提督が指揮するアメリカ艦隊がエリー湖でイギリス艦隊に勝利したことを歌った有名な曲や、シャンプレーン湖で同じように海軍が勝利したことについて、叙情的かつ歴史的に説明した曲もありました。古典的な時代にも、野蛮な時代にも、すべての英雄に歌があったのです。私たちの数多くの敗北は、祝福されることもなく、あまり語られることもありませんでした。私が子供の頃に歌った最も活気のある海軍歌の1つは、イギリスのフリゲート艦ゲリエール号(ダクレス船長)が、アメリカのフリゲート艦コンスティテューション号(ハル船長)に奪われたときの長い描写でした。 この歌は、かつて流行した「フランスの女主人」という曲にのせて、次のように始まりました。

「英国の船乗りたちがいかに勇敢に、そして巧みにフランスの船員を打ち負かすことができたか、これはよく語られてきたことだ!でもそれはヤンキーが現れるまでのこと。ヤンキーがフランスの船員を捕まえるまで、イギリス人は自分たちに匹敵する対戦相手を見つけられなかっただけなのだ。ヤンキーの少年たちは戦わせたら最高の奴らだぜ!」

「勇敢なフリゲート艦『ゲリエール』は、うねる海の上を進み、誇り高きダクレ伯爵が指揮をとった!選りすぐりのイギリスの船員と豪華な船で、
イギリスの船員はフランス人を2対1でやっと打ち負かすことができたのだ!」

このように歌詞はすべての出来事を詳細に説明していて、落胆したイギリス人たちをメロディーに乗せて嘲笑しているのです。

現在アメリカに住む中年の男たちは、みな少年時代にこれらの歌を歌い、あるいは歌っているのを聞いたものです。毎年7月4日には、私たちの父や祖父が戦った相手、征服しようとしてきた海の向こうの暴君のような国「イギリス」との2度の戦争におけるアメリカ人の愛国心と武勇を称賛する演説を聞きました。私の知る老人の多くは、革命に参加したことがあります。中高年男性は先の大戦の英雄です。両方に参戦した人も少なくないのです。私たちの全歴史はこの2つの戦争にありました。

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