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【小ネタ】何となく好きな言い回し

 今回は文字起こしや速記の話を離れ、小説・創作について書きたいと思います。
 素人弱小文字書きとはいえ、日常的にあれやこれや書いて読んでいただいているのだから、ある意味仕事だ!という自負というか勘違いに基づく戯言ですが。

◇◇◇

 当地の方言で、「うるかす」という言葉があります。

 「水につけておく」とか「水につけてふやかす」という意味です。
 「ご飯を食べた後の食器を、水の入った洗い桶に入れておいてね(そうすればご飯粒などが取れやすくなるから)」が、「うるかしとして」の一言で済みますから、かなり便利だし、逆にほかにどういう言い方をすればいいのか?と思っているくらいです。

 あ、「(水に)漬けておいて」でいいのか。

 それはともかくとして、この「うるかす」は、ある分布図を見ると、北海道、東北、新潟などで高く浸透(60%以上)している言葉のようですが、なぜか東北でも我が福島県だけは「報告あり」(パーセンテージも出せない程度ってこと?)でした。
 どういう調査してんじゃ、J●ウンネッ●は!

 うちだけが特殊だったとは思えないし、地元の友人知人にも通じるし、少なくとも福島では「福島の方言」として認識している方も多い様子です。
 別にどこの方言であれ、全国区の言葉になれば関係ないから、みんなどんどん使うべき――と思っていたら、名前は失念してしまったのですが、「うるかす」を全国区にするためにプロ作家になった」と言う方がいらっしゃいました。断然支持します!

◇◇◇

 「これが言いたい」「この言葉(台詞・表現)が使いたい」という理由で創作活動をしている方は、多分割といらっしゃるでしょう。
 自然に「ここぞ出番!」というときに当てはめられれば最高ですが、逆に、その言葉を引き出すために、最高に説得力のある設定を組んだりするのも楽しい作業だと思います。

 私には、「具体的に使ったことはあったかどうか覚えていない上に、使いたいと強く思っているわけではないが、使えるなら使いたい」、そんな台詞が三つあります。ここはもっとシンプルに、「好きな言い回し」とでもいうべきか。

「君とこう・・したかった」(恋愛・青春系)
男 → 女

好きな女性と初めてベッドに入ったとき、男性が女性を組み敷いて言う――という、かなり限定的なシーンですが、某映画(アメリカ映画で、字幕がそうなっていた)で見て以来、とりこです。
多分、私が想定しているものとは別に、あらゆる創作物で使われている、ごく普通の言い方ではあるでしょう。
でもこの、秘すれば花感というか、「こう」に込められるいろんな意味合いに惹かれます。

「まあ〇〇(さん)がそう言うなら…」(オールマイティー)

〇〇さんが「ごく平凡で、特に目立った業績・手柄があるわけではない人」だとなおよし、です。しっかり者の縁の下の力持ちで、時には損を被るものの、決して自分を大事にしていないわけではない、「お人よしだけど、それだけじゃない」程度がいいですね。
そういう人だから自分の意見を言いやすいし、時には反対もする、しかし最終的には従っちゃうというのは、かなり高い信頼に基づいたものだと思います。
「まあ」という副詞が入っていることからもお分かりであろうとおり、自分はもう少し違う意見を持っているが、「〇〇さんがそう言うなら」試してみよう、従ってみよう――的なシチュエーションで使われてほしい一言。
決して、決して!「お前がそう言ったんだかんな!失敗したら責任取れよ!」というニュアンスは許しません。

多分皆さんこれを読んで ↑ 思ったと思われることを、自分で突っ込んでおきます。
「いちいちうるせえな…」

「本当にお前といると、ろくなことがないな」(恋愛・青春系)
男 → 女
これはいろいろな解釈があると思います。
「トラブルメーカーみたいな女性を愛した男が、ぶつぶつ文句を言いつつ付き合っている」でもいいし、女性の困りごとに、頼みもしないのに付き合っておいてこの言いぐさ!でもいいし、まさに状況次第ですね。
個人的には、女性が男性に言っているビジョンが何となく浮かばないので、ちょっとした「男のツンデレしぐさ」みたいな立ち位置で考えていただければ。

この逆で、「いくら好きな相手でも、これはなあ…」という困った本心を隠しつつ、「気にしないで」「あなたの役に立てるなら」みたいなきれいごとを言うシチュも嫌いではありません。


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