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自由律かるたのまみむめも

 こんばんは、寅三奈です。

 本日は自由律かるたのまとめ記事。今回は「ま」行。
 白・黒・食べ物・ワインをテーマに、「ま」から「も」で始まる自作の自由律俳句を集めて、それぞれ所感を添えました。どうぞごゆっくりお立ち寄りください。

自由律かるた:
「自由律かるた製作委員会」様主催(@JI_karuta)のTwitter投句企画。架空のかるたを製作するつもりで「あ」から「ん」まで始まる自由律俳句を参加者が投稿し、毎週その中から一句を選ぶというもの。



⌘これまでの自由律かるたの自句まとめ記事はこちらからご覧いただけます⌘


ホッと白い句

▶︎ま
丸を数えられぬほどつけてさらに花丸

▶︎み 
耳たぶ位の硬さを何度も確かめて白玉

▶︎む
向こうのグラウンドから響く声援が若い

▶︎め
めんだこになるべくひらひらと雲を泳ぐ

▶︎も
もふもふと冬毛に触れてあたたか

 

 一番多く反応が集まったのは「み」の句でした。「ま」の句は、ノートに赤い花丸をたくさん付けてもらった小さい頃の思い出から。
 誰かに無条件で丸をもらうというのは難しい。大人になるにつれてその丸の基準はさらにシビアになる。無条件で丸をつけてあげられる唯一の存在はやはり自分自身。自己嫌悪に陥る前に、精一杯無条件に自分のことを褒めてあげようと思うのです。
 「め」の「めんだこになりたい未確認生命体」とは最近生み出したオリジナルキャラクター。勢い余ってLINEスタンプも作ってしまいました。めんめん。


 「も」の句は私の願望。ペットは今飼っていませんが、ネコチヤンなどのもふもふしたお腹に顔を埋めたいです。 
 ネコチヤンといえば。わさこ(@wassaaaaa)さんの書籍『ねこと赤ちゃん』を拝読したいです。わさこさんと世界史の鳩(@sekaishinohato)さんが繰り広げる、ほのぼのしたやりとりに癒されたい。Amazonですぐにポチッとできるけれど、できれば書店に赴きたいなんて思っているうちに早2週間・・・。手に入れた時にはまたご報告しますね。


ぴりり黒い句

▶︎ま
全く知らない人のノリに合わせる

▶︎み
見るからにぼったくりそうな店構えである

▶︎む
無視を決め込む台所が暗い

▶︎め
メモの片隅に辛いの二文字

▶︎も
盛り付けだけはプロ級

 一番多く反応が集まったのは「め」の句でした。「む」と「め」の句が客観的にみても辛めの句な気がします。
 
 最近「妄想商品マーケットMouMa」というWebアプリで遊ぶことがあるのですが、この前「ま」の句をアレンジして「全く知らない人のノリに合わせられる」という妄想商品を998円(※)で出品したところ、誰かがそれを買ってくださいました。どうやら需要は0ではないようです。
(※金額の単位は円ですが、こちらは換金できない妄想通貨です。あくまで妄想。人生ゲームで遊ぶ時に使うおもちゃの紙幣のようなイメージです。)

 ちなみにMoumaのコンセプトや遊び方の詳細は、「Mouma」開発運営チーム兼株式会社ウサギ代表の高橋晋平さんのnoteに分かりやすく書かれています。気になった方はこちらから↓

 Moumaは、俳句や自由律俳句や短歌など、短い言葉の創作を楽しんでいる方にも相性が良い気がします。句になりきれなかった文章や、ちょっとした大喜利を妄想商品として出品して反応を見るという遊び方もできます。私の場合は、今回の「ま」の句のように、既に作った句の言葉尻を変化させたものを妄想商品として出品して遊んでいます。

 気がつけばがっつりとPRめいた文章を書いてしまいましたが、報奨金はもちろんのこと妄想報奨金すら頂いたわけでもなく、ただのMoumaのいちユーザーが好き勝手に書いていることを念のため補足します。

 話が脱線しました。自由律俳句のまとめに戻りましょう。

食べ物句

▶︎ま
マティーニを頼んでみる今日はひとりでいたい

▶︎み
みつ豆の角寒天に糖蜜まんべんなくかける

▶︎む
麦とろだけで二杯分のおかわり

▶︎め
メロンパンに熱を入れる

▶︎も
戻り鰹に薬味のせ秋をいただく

 一番多く反応が集まったのは「も」の句でした。




 つまるところ戻り鰹は大変美味しいということですね。いただいた感想とても嬉しかったです。ありがとうございます!
 「め」の句は、以前書いた自身のメロンパンラスクエッセイ から。このエッセイ は公式マガジンにピックいただいたことにより、沢山の方が読んでくださいました。こちらも感謝です。


ワイン句

▶︎ま
マリアージュ意外な組み合わせから開く縁




▶︎み 
ミュズレで小さな椅子をつくる


▶︎む
ムニエに秘めた可能性を見過ごす




▶︎め
メルローで穏やかさを加える




▶︎も
モノポールの誇りの揺るがない



 一番多く反応が集まったのは「む」の句でした。
「も」の句については、なんとAshura’s  Haiku(@AsurasHaiku
)さんが英訳をしてくださいました。光栄です・・・!

 英訳くださっただけでも嬉しいのに、添えられた感想がさらに嬉しい。何度もコメントを読み返しました。

This freeform "wine-ku" taught me that 1) there's a name for those wires on champagne bottles and 2) people craft them into small chairs! Fun post.

この自由律”ワイン句”で私は
 1)シャンパンボトルに付いているワイヤーにはミュズレという名前があること
2)ミュズレを使って小さな椅子を作る人がいること 
を知りました! 面白い投稿です。
(※少々意訳させていただいております。英語初心者のためご容赦ください)

 自由律俳句×ワインというなかなかニッチな領域ですので、興味のない方にとっては申し訳ないなと思いつつも、やはり自分の好きな分野の掛け合わせは細々でも続けていきたいと感じていたので、そのドンピシャな部分を拾っていただき、面白いとまで言っていただけたのは本当に励みになります。Ashuraさん、ありがとうございました。

かるた自選句まみむめも

▶︎ま
丸を数えられぬほどつけてさらに花丸

▶︎み 
ミュズレで小さな椅子をつくる

▶︎む
無視を決め込む台所が暗い

▶︎め
メモの片隅に辛いの二文字

▶︎も
戻り鰹に薬味のせ秋をいただく


 今回は黒い句からの選出が多いですが、四種のカテゴリからそれぞれバランス良く選出できました。

 「ま」:ホッと白い句
 「み」:ワイン句
 「む」:ぴりり黒い句
 「め」:ぴりり黒い句
 「も」:食べ物句

「み」と「も」は個人的に嬉しい反応を沢山いただき、特に思い入れのある句となりました。ちなみに自選句で使用した写真の椅子は、残念ながらミュズレの椅子ではありません。
 

おわりに

 自由律かるたのなにぬねのの「おわりに」でも紹介したタグチユウスケ(@taguchi_yusuke_)さん主催の「コロナ句集製作委員会」。先日、句集掲載用の詩、自由律俳句、写真の募集が全て締め切られました。


 ありがたいことに、私が応募した写真も採用いただけることになり、嬉しい限りです。このような企画に参加したことで、日々抱く様々な感情に蓋をするのではなく、そっと見つめて作品として記録する機会をいただけたように思います。句集の完成が楽しみです。

 今回はここまで。お付き合いくださりありがとうございました。次回は「や」行が完成した頃に。

 ⌘おまけ⌘

本記事のハイライト
・ネコチヤンのもふもふしたお腹に顔を埋めたい
・「全く知らない人のノリに合わせられる」能力の需要は0ではない
・戻り鰹は大変美味しい



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ここまでお読みいただきありがとうございました。 いただいた御恩は忘れません。