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一本ずつ消えてゆく『正』 あとがき

不可思議な写真に、ぴりっとした言葉を添える『一本ずつ消えてゆく』シリーズ。

一本ずつ消えてゆくのは、一つ前のタイトルの文字。

先日『正』版が完結したので、こちらでまとめます。

消えた順番

『正』では、この順番で一本ずつ消しました。

正→止→上→卜→一

ちなみに、卜は『卜う(うらなう)』の卜。カタカナのトではありません。

各作品を並べてみる

正しさとは何なのか、時に分からなくなることがある。


何も進んでいないのではないだろうか。そんな絶望感に苛まれながら、足を止めている。


上を見上げ続けることが段々としんどくなって、砂に潜りこむアサリのように、カーテンを閉め切って外の光を追い出した。


自分にとって都合の良い答えが出てくるまでうらない続ける人だね、うらなう必要なんてないね。


また私から始めて、私がはじめに転んで、後の人がそれを見て、転ばないようにするのでしょう。


改めて並べてみると、繋げて一つの詩やお話として完成するものではなく、個々で完結しているものであることが分かります。また、最後の『一』に添えられた言葉は、終わりを示唆するような内容ではありません。

毎日は、一日ずつ消えてゆく。だけれども、明日も当然のようにあるかのようについ過ごしてしまう。このシリーズを投稿する度に、そういう風に生活してしまいがちな自分自身に警告するような気持ちになっていたように思います。

裏話

「一本ずつ消えてゆく」シリーズは、最初から構想が出来上がっていたわけではありませんでした。

『正』を投稿した後、「明日も同じような投稿したいな…テーマは何にしよう?」と考えたとき、ふと「タイトルの『正』は、一画ずつ取り除いた漢字がそれぞれ存在するな」と気づき、シリーズ化することに決めました。

タグを「一画ずつ消えてゆく」にしなかったのには、書き順などに囚われずに発想を膨らませたかったからという理由があります。

おわりに

「一本ずつ消えてゆく」シリーズ、今後も続けていく予定です。引き続きお付き合いいただけますと幸いです。

ここまでお読みいただきありがとうございました。 いただいた御恩は忘れません。