自由律かるたのわをん
こんばんは、寅三奈です。
本日は自由律かるたのまとめ記事。今回は「わ」行。最後です。
白・黒・食べ物・ワインをテーマに、「わ」「を」「ん」で始まる自作の自由律俳句を集めて、それぞれ所感を添えました。どうぞごゆっくりお立ち寄りください。
自由律かるた:
「自由律かるた製作委員会」様主催(@JI_karuta)のTwitter投句企画。架空のかるたを製作するつもりで「あ」から「ん」まで始まる自由律俳句を参加者が投稿し、毎週その中から一句を選ぶというもの。
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ホッと白い句
▶︎わ
和柄が再び花開いて令和
▶︎を
乎古止点むすんで星座が生まれる
▶︎ん
ンビラを小雨のリズムで弾く
乎古止点(ヲコト点):
古く漢文訓読の際、漢字の読み方を示すために漢字の字面の四隅・上下・中央などに記入した符号。
ンビラ:木の板に鉄や植物でできた鍵盤状のものが取り付けられた楽器
「ん」の句に多く反応が集まりました。この句を詠むにあたって、ンビラの出す音を調べると、なんとも透明感のある心地よさで、いつまででも聴いていたくなりました。
「を」の句は四選に入れていただきました。選出くださりありがとうございました!
ぴりり黒い句
▶︎わ
話術の光らない詐欺師だ
▶︎を
をろがむ人間達の眉間の皺の濃い
▶︎ん
んなと呼んでくる君の烏滸がましい
をろがむ:拝む
んな:新潟弁で「お前」。目下を呼ぶときに使う。
烏滸がましい:おこがましい
「わ」の句に多く反応が集まりました。無宗教の癖して、なにかあれば神社や寺にお参りするような私は、拝まれる側にとってどう思われているのだろうとふと考えた時に思いついたのが「を」の句です。
食べ物句
▶︎わ
わさび足して溜めたなみだか
▶︎を
をぐらあんふつくらと包まれてゐる
▶︎ん
ンキャフを一つとおずおず頼む
ンキャフ:沖縄の方言で「海ぶどう」のこと。ぷちぷちとした食感が特徴的な海藻
「ん」の句に反応が集まりました。
「を」の句は何に包まれているのを想像されたでしょうか。「ん」の句は昔旅行で訪れた沖縄の思い出を引っ張り出しながら作句しました。
ワイン句
▶︎わ
若木から古木へとなりゆく日月
▶︎を
をちかたの月の照らす葡萄を籠にのせゆく
▶︎ん
ンナバタに三株のガネブと涙
「を」の句に反応が集まりました。
ワイン句「わ行」は大変でした…句の先頭にワイン用語を用いるという裏ルールを設けて句作していたのですが、「を」と「ん」から始まるワイン用語は存在しなかったので、裏ルールは断念せざるを得ませんでした。
さらに「を」と「ん」から始まる言葉がそもそも少ない。試行錯誤した思い出が蘇ります。
かるた自選句わをん
▶︎わ
若木から古木へとなりゆく日月
▶︎を
乎古止点むすんで星座が生まれる
▶︎ん
ンビラを小雨のリズムで弾く
今回はワイン句と白い句からの選出です。バタバタと日々をすごしていたこともあり、「ん」の週が終わってから自選句を出すのにずいぶんと日を空けてしまいました。
やっと今日取りかかりましたが、句を選びながら「とうとう自由律かるたが終わってしまった」と寂しい気持ちです。それほどまでに、自由律かるたは私にとって大事な習慣となっていたのでした。
おわりに
自由律かるた製作委員会の主催者であるタグチユウスケさんが、自由律かるたを振り返るnoteを書かれていました。
結果的には、新型コロナと共に歩んだ10ヶ月となりましたが、この企画の運営がやりがいとなり、この苦しい時期に気力を保ち続ける一助となりました。
(引用: 自由律かるた完結。|タグチユウスケさん)
コロナ禍であっても日々楽しく過ごせたのは、自由律かるたのおかげでした。本当にありがとうございました!
次回は「 行」でお会いしましょう
(…と書く機会もないのか…しみじみ)
更新は未定ですが、後日談や裏話などがまとまりましたら、自由律かるたマガジンに掲載予定ですので、まだまだどうぞよろしくお願いいたします。
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ここまでお読みいただきありがとうございました。 いただいた御恩は忘れません。