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本来の質。

本日、海外の団体に所属している日本人格闘家、堀口恭司という「最強のmade in JAPAN」を誇る選手の日本大会出場が発表されたとのニュースが朝から飛び込んできた。午後からは日本最大の格闘技興行団体、RIZINが記者会見にて堀口恭司参戦が決定したと発表。時期は9/25、それなりの相手を用意するとし会見は終わった。
Twitterでは大騒ぎ。彼は日本で1年9ヶ月ぶりの試合となる。

しかし実はその大会の主軸は彼ではない。朝倉未来という一般層にもある程度知れ渡っている格闘家と元5階級制覇の世界的ボクサー、メイウェザー戦を目玉とした大会なのだ。RIZINの主張は2部制にするとの発表だったのでおそらく前半をメイウェザー戦、後半を堀口恭司戦に据えての大会にするつもりではあると思う。
盛り上がりを見るに、格闘技ファンにはたまらないものだと感じたし私も連休スタート早々気分が良くなった。


そこにあるLINEが届く。
私が仲良くさせて頂いている俳優さんからだった。

「格闘界、堀口さん戻ってくるって?すごく盛り上がってるね。格闘技って本来こういうのが正解だと思ってたよ。」

私が格闘技ファンだと知って送ってくれたのだろう。少し胸の奥がざわつく。
彼は格闘技での人気=強い選手という認識を持っていらっしゃる。古い時代の格闘技をご覧になってた方だったのでそれが正解なのは間違いない。
今の格闘界はいろんな方向からアプローチ出来るようになっている為、背後でマネージメントをしてくれる人間がいればそれなりに人目に付くようになるのは割と容易になっている。大晦日のテレビ放送に出られるような人間はほんの一握りではあるものの、そこに出られる人間なのか?と疑わずにはいられない選手もいる。

本来の形が時代と共に移り変わる現象は格闘界に限った話ではないものの、スポーツとして考慮するのならこれは見過ごせない現象なのも至極真っ当だ。
しかしここで現在の格闘技を知らない方にこの現実を突きつけられると「偽物は楽しいですか?」と問われたようで胸が痛む。
その方は堀口恭司を知っていた。それくらいの逸材とよく分からないレコードの薄い選手とが同じような盛り上がりが起きているのを見るとどうしても今の格闘界には興味が起きない、見る気にはならないと。

それでいて閉鎖的であり且つ新参を受け入れにくい業界なのだから衰退の一途を辿る以外の道はない。本来の道に戻るのはほぼ不可能だと思っているので私は観戦対象を今はほぼ海外に移している。

その旨をその方には返信した。
「その感覚はそちらの世界でも重要ですね。本来の形は仰る通りで間違っていませんし現状が主軸なので元に戻る事はありません。芸能界でも偽物が紛れてると仰ってましたね、それと同じです。」


国内の本物を近くで見てきた他者を介して、事実が見えると辛い所もあるけれどひとまず今回は堀口恭司の凱旋を見守りそこからまた新たな学びができればいいなと強く思う。

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