イッショウモノ幻想

タイトルの通り。
一生モノという売り文句はアパレル業界に限らず、日本の小売り業界では必殺の一言になっていると感じる。しかし、もう一度よく考えてみて欲しい。
汚れる、穴が開く、虫食い、体型変化、紛失(上着など)、など不注意以外にも様々なリスクが存在する。しかも高価なアイテムほど繊細で虫に好かれる素材を使っていることが多いのだ。
それらをかいくぐり、もしくは都度修理メンテナンスをする事で、ようやく一生モノにたどり着く。
奇跡的に汚れず壊れなかったものはいい、だが、万一穴が開いてしまって修理をするとなると費用がかかるのだ。(ご自分でできる、もしくは満足する)もしかすると修理不可なダメージかもしれない。
修理費も場合によるが決して安くはないし、時には似たアイテムを購入できる様な金額に達することもある。

その時に、直そうと思えるか?

または自分で直した不格好な修理後で満足できるか?

はたまた穴の開いたまま着るか?

店頭で「これは一生モノですよ!」と言われた時、その言葉に心揺らいだ時、今一度自分に問いかけて欲しい。
そのアイテムを修理(その費用をかけても)しても尚、使い続けたいアイテムかどうかを。

これは自らへの戒めである。

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