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コンテンツ月記(令和元年、神無月)

読んだもの、観たものをすぐ忘れちゃうので、ちょっぴりのメモで記録します。全部さらえたもの&覚えているものだけ…。随時更新。漫画でWeb、ってなってるのは、何巻分かわからないやつです。それ以外の括弧内の数字は、読んだ巻数。

==評価基準(特に記載したいときだけ)==
\(^o^)/ 乾杯。愛。最高の毒なり薬。
φ(..) 特別賞(今後思い出すだろうシーン有等)
==ココカラ==

~本~

■ウンコに代わる次世代排泄物ファナモφ(..)

買った電子書籍の表題作をまだ読んでないのにレビューに載せて申し訳ないと思うんだけど(↑の本の中のほんの一角に『ファナモ』の話はおさめられている)、どうしてもファナモのことを先に書いておきたかった。私は観ていないんだけど、この小説をもとにして『世にも奇妙な物語』のドラマがつくられたこともあるようだ。

まず、素晴らしい書き出しを見てほしい。

ウンコをファナモに代えて以来、タクヤはますますオシャレになった。

ちょっとどこから突っ込んでいいかわからない。
が、名文だと思う。これを読んだら、先を読まずにはいられない。まず、「ファナモ」という名称がよい。「ファ」の音が未来感あるよな。食べられそうですらあるよな。イタリアンのメニューに「ファナモ」って書いてあったら、パスタかなと思って注文しちゃうと思う。

そしてこの小説のすごいところは、この奇妙な設定を最大限に生かす人物描写である。というか、人間を描写するためにファナモという設定が考案されたのかと思う。タクヤがなぜファナモに至ったのか、ここまで納得感を持たせる書き方が可能なのか。陰毛のありようで人間が表現できるとは思わなかった。主人公は絶対ファナモにしなさそうな人間だというところもよい(なお、私は、なんだかんだ言って時が来たらファナモに代えてしまうかもしれない)。作者の前田さんは戯曲を書いている人だから、こんなに人間が面白く描けるのだろうか?電車で読むのは危険です。窓を開けるシーンがこんなに面白かったことはいまだかつてなかったもの。

※前田さんは、私がやりたいことリストで触れている五反田団(劇団)の旗揚げをした方で、なんでこの方を知ったかというと山崎ナオコーラさんと対談していたからだ。対談本の中で前田さんが、「みんな、『ちょっと死にたい』と思っているような気がしていて」「もしもみんなが、本当に『死にたくない』と思っているのだとしたら、老いることが許容できなくなっちゃうはずだし。ちょっとでも老い始めたら気が気でなくなっちゃうはずだから」等と話していたのが印象的で、たびたび思い出すので、彼の書く小説もずっと読んでみたかった。
↓件の対談集はこれ。すごくよい話がたくさん載っている。

■ブスの自信の持ち方 φ(..)
ナオコーラさんが好きなのでナオコーラさんの本の話ばかりで申し訳ない。

ジェンダー関連の話で素晴らしいところもたくさんあって、最初はそちらのことで記事を書こうと準備していたのだけど、私の表現力ではナオコーラさんの柔らかさが伝わらないような気がしてきて、違うポイントを引用してさっぱり感想を書く方向に変更した。

ということで、本の中で一番「そんなこと、頭によぎったこともないな」と衝撃を受けた個所を引用してみようと思う。

がらがらと台車を押してきた職員が、焼けた骨を周りの人に見せる。
「立派なお骨で、たくさん焼け残っています」 よくわからないお世辞に続き、「こちらは○○のお骨、こちらは△△のお骨で……」 喉仏がどうの、鎖骨がどうのと部位の説明をする。 

〔中略〕

でも、私は自分の骨が恥ずかしい。 
私と似た考えの人にはあまり会ったことがない。「ヌードを見せることを恥ずかしがる人は多いのに、なぜ骨なら平気なのか」と私は不思議だが、骨への羞恥心を他人から聞いたことがない。 

私としては、そもそも、焼け残るのがなぜ立派なのかわからない。ずっとブスブス言われてきたのに、今さら体についてわけのわからないお世辞を言われたくない。 
また、こっちはずっと所在なく生きてきたのに、最後の最後で「骨壺に入りきらない」と存在感を強調されるのも恥ずかしい。骨を砕くときのギシギシいう音も聞かれたくない。「ブスなのにギシギシ言っているんじゃねえよ」と思われはしまいか。

ここ数年、あまり時間を置かずに祖父&母の葬儀に出席したため、葬儀についてはフレッシュな記憶を持っているんだけど、葬儀って悲しいと同時に妙に滑稽だった。このナオコーラさんの文章で、それを思い出した。

そして、骨をほめるのは骨差別につながるんじゃないかという、新しい意見を持った。いい骨の人をほめたら、病気等で骨がスカスカになった人の立つ瀬がないじゃないか、不条理じゃないか。今後はもう少し、死者の骨への接し方について意識的に生きようと思う。

~漫画~
■乙女怪獣キャラメリゼ
主人公カップルの恋はあんまり進まなかった(何をもって恋が進んだといえるんだろうね・・・)し黒絵ちゃんの謎のヒントも増えなくて残念だったけど、新キャラのらいりーがよかったなあ。相変わらず絵がかわいい~。きゅんとするらいりーちゃんは特にかわいかった!

国も世界もどんどんおかしくなっていくけど、なんでも昔のほうがよかった、とは思わないな。コンプレックスを武器にしやすくなったのはよかった。インターネット万歳。

今回も、読むとほっこりして元気が出る漫画だった。しかし、らいりーは今後のストーリーにどう絡んでいくのか…?

※2巻まで読んだとき書いたレビューもありますのでよろしければ・・・。

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