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#10【鵞足炎】鵞足炎について復習しましょう。

前回は腸脛靭帯について記事を書きました。せっかくなので、膝シリーズつながりということで鵞足炎について書いていこうと思います。
個人的には腸脛靭帯炎に比べると見る頻度は少ないかなと思います。鵞足炎もランニングなどで痛める代表的なスポーツ障害です。しかし特別運動していない方でも、ここが痛くなる方がいるような印象があります。

今回は鵞足炎の病態、発生機序、評価について一般的な話をしていきます。


1.鵞足炎の病態

まずは、鵞足を見ていきましょう。

膝内側 @Thanks to visiblebody

膝を内側から見た画像です。そして赤丸でマークしているところが鵞足と呼ばれる部分です。ここには、縫工筋、薄筋、半腱様筋の3つの筋肉が停止しています。3つの筋肉の停止腱がガチョウの足に見えることから、鵞足と呼ばれています。

この鵞足部に炎症が起こり痛みが出ている状態が、鵞足炎と呼ばれます。

2.鵞足炎の発生機序

基本的にはスポーツ活動、や運動で鵞足部に過剰な負担がかかることで発症します。
鵞足を構成する筋が強く収縮すると、鵞足が付着している部分の骨膜が腱に牽引されストレスがかかります。そのような負荷が繰り返し加わることで骨膜が炎症してしまいます。

3.鵞足炎の評価

ランニング時などに鵞足部周囲の疼痛があり、同部位に圧痛や軽度の腫脹などが見られれば、鵞足炎を疑います。特別な整形外科的テストはありません。抵抗を加えて等尺性に膝を屈曲させると同部位を痛がることがあります。
X線やMRI像では以上を示さないことが多いです。理学初見が診断の決め手になります。

以上、簡単に鵞足炎について紹介しました。
次回は鵞足炎の患者さんを治療する際の、詳しい評価と治療方針について書いていきます。

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