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【日常に潜む嘘シリーズ#1】目標達成編

社会人5年目突入した私は、ある業界ではトップの上場企業に勤めている。業界自体が小さいから給料も良くない。誰がどこでそんなに貰ってんだ?という話は日常茶飯事だ。とにかく低賃金。

5年目の私の手取りは20万に届かない。毎月の給与支払い明細を見ると絶望を通り越して無になってしまう。幸いにもブラックではないが、鼻に付く会社であることは間違いない。

この時期は、目標シーズンだ。年間目標、半期目標うんぬん。誰がどこで見てるかも分からない目標を、上の人は見てるんだからしっかり書こう。と言ってくる上司。誰も見てはいない。みんな、自分のポジションを守るのに精一杯だ。見てればわかる。

そこでに気になったのは、目標を立てるときに高い目標を設定されるが、それを年から月に、月から日に落とし込んでいけば簡単に達成できるという話だ。たしかに、年間1億の売上目標に対して、半期5000万、月830万、1日27万。つまり、単価2,3万なら1日に商品を10個売ればいいのかと。このようにしていくと、あたかも小さな目標に見えるもの。なんだか、これならいけるかもしれないと思うかもしれない。でも、そんなことは決してない。視線を近くに誘導することで全貌を覆い隠すだけで、リボ払いと一緒だ。後々ことの大きさに気づいたときにはもう手はつけられないのだ。

確かにある程度小さな目標にしていくと簡単に聞こえる。じゃあ、もっと小さくしていくとどうなるか?と疑問に思った。もっと小さくしていけばもっともっと簡単に思えるのか?

年間1億の売上目標なら、245日が年間出勤日数として、1日あたり408,163円。1歩あるくごとに40円を稼ぐことになる。もしあなたが2万歩あるくならこの半分の20円だ。1歩あるくごとに40円も稼がなくてはいけないと思うと、足が動かない。同様に、大きい目標を小分けにして、キレイなパッケージに詰めても同じだ。無理なものは無理だ。

この手法で攻めてくる上司は詐欺師だなと思った。ほら、なんだかできる気がするだろ?と。いや、思わない。達成するためにどんなことをすればいいか考えろ!と。無理なのである。達成どころか、歩くことすら嫌なのだから。

この嘘に騙されてはいけない。私はこのようなことを言う上司を「アマル」と呼ぶことにした。ちょっと卑猥なのがいい。「歩くだけで丸儲け」からもじった。特に強いやつは「アマル総長」にした。こうすれば世の中にはびこるアマル達に騙されずに済む気がする。

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