エッセンシャル思考 断る人は仕事ができる?
今さらながらエッセンシャル思考について書くことにした。
『エッセンシャル思考』
グレッグ・マキューン 著
本書内では随所に『ビジョナリー・カンパニー』シリーズや『七つの習慣』などの名著が登場する。そこからもわかるように、過去の成功事例から要因を抽出し「エッセンシャル思考」と定義したものだと解釈した。
簡単にまとめてしまえば、
*人生はトレードオフ
*なんでも引き受けるのは何も選ばないのと同じ
*何をするかよりも何をしないかを選択することが重要
ということになるだろう。
本書の素晴らしいところは、選択する・断るための具体的なマインドと方法を教えてくれることだ。
選択する、断るというのはエネルギーが必要だし勇気がいることだ。だからずるずると何でも引き受けてしまうとうことも人生では少なくない。
本書の教えを100%発揮することは立場によっては難しいかもしれない。しかしもし、10%でも活用することができれば時間の使いかたは大きく変えられるだろう。
断るためのマインドセット
多くの場合、我々は依頼されれば引き受けなければならないと思い込む。
しかし、多くの場合は断ることができるのだ。それでも断ることができないのは、断ることは疲れるからだ。
疲れずに断るためにはどうすればいいか?それは、引き受ける-断るための原則を自分の中で明確にしておくことだ。そうすれば場当たり的な判断をせずにすむ。
本書では「90%ルール」などそのための例が示されている。そこまで極端なことができるかは別として、どのような場合は対応する-しないを決めて宣言しておくことは非常に有効だ。自分の価値観を伝える方法にもなる。
断るための行動
そして本書では「上手に断るための技術」も紹介されている。
これはかなり重要だと思う。断るにしても、相手の気分を害さないこと、印象をよく保つことも必要だからだ。
その方法としては以下のようなことが紹介されている。
本書にはないアドバイスを僕の経験から付け加えるとすれば、断る理由には「できない」「やりたくない」を使わないことだ。その代わりに「やらない」と意思を告げること。そうすれば自分の価値観を伝えることができる。
余談
当たり前ですが、だからといって何でも断ればよいということではないでしょう。
何でも引き受けるのが思考停止で八方美人なのであれば、何でも断るのも同じく思考停止で自己中心的ともいえる。
いかに自分の価値観を整理してそれを伝えるか。いかに自分のやるべきことに集中するか。それが本書の意図なので誤解してはいけない。