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「宇宙ってなんだろう」


「宇宙」とひとことで言っても、専門、非専門を問わず実に様々な捉え方と解釈の仕方がある。
それこそ占星術的なものから、哲学、宗教、さらに一般生活者にはほとんど理解不可能な難解な分野まで、極論的には思考力を持つ生命の存在数だけ宇宙に関する何かしらのテーマがあるのではない
だろうか。
究極的にはバクテリアや細菌、そして原子レベルに至るまで、その数ぶんの宇宙観が存在するのかもしれない。

古代の人々の宇宙観は、まさに神との関係の上に成り立っていた。
様々な文献や専門誌に 度々取り上げられてきた古代文明における天体や宇宙の想像図をあなたも目にしたことがあるだろう。
そして、世界各地の古代遺跡。
諸説はあるものの、宇宙とのつながりは切っても切れないものだ。
太陽の位置、月の満ち欠け、星の動き、それらを注意深く観察して統計的に ある規則性を発見し、生きるための暦や知恵を作り上げ活用した古代の人々。

紀元前6世紀ごろになると、哲学者や幾何学者、数学者たちによる自然科学的な見方考え方が現われる。
天動説から地動説へと、あらゆる価値観をくつがえして現代の考え方の基盤を作り上げるには、更に何百年という歳月を要する。
こうした学門の歴史の中で、仮説を立証するための研究と実験更に激しい議論と闘いが続けられ、19世紀の終わりには、それまでの物理学では説明できない多くの観測・実験事実が人々を悩ませ、そこから相対論や量子論の現代物理学へと発展してきた。

20世紀はまさに宇宙論を重厚長大の巨大科学によって展開させた時代である。
ついに人類は宇宙空間へと飛び出した。
夢が現実となり、現実は夢を砕いた。
宇宙開発は加速度的推し進められ、あらゆる事が本末転倒した時代あった。
これは宇宙開発に限らず、生活、文化、経済、宗教、環境問題等。
ありとあらゆることが本末転倒していった。
宇宙開発は単に(と言うには手に負えないほど巨大だが)大国間のパワーゲームになっていった。
20世紀の終わりと21世紀の幕開けを迎え、これらの巨大科学の限界が語られるようになり、NASAの大型宇宙探査も足踏みを続けているのが現状だ。


21世紀、そして その先

現在、僕たちは情報伝達と収集のためのたくさんの手段とメディアを手に入れた。
だから伝達の過程で情報が湾曲したり、間違った解釈をされる事が少なくなる筈が、情報の出所が曖昧だったり、送り手に他意が有ったり、受け手と伝達役それぞれの表現力や理解力、直観力低下など
があいまって、実際は何も無かった古代の人々よりも現代の情報伝達精度はもしかしたら低いかもしれない。

情報化社会といわれて久しいが、それ自体がある局面を迎えているとも言われている。
新しい技術や研究、観測方法が求められている中で、最重要なものとは、実は豊かな想像力と、何ものにも囚われない自由な心なのではないかと考える。


古代の人々と神(宇宙)との純粋な関係。
紀元前の哲学者や世界の歴史を変えた学者たちが備えていた無垢なユーモアと感性。
そして、それぞれの中にあった現実としての残酷さと執念深さ。
彼等のなんとロマンティックなことか。
宇宙を知っても何ら実生活に生かせるものなどないと僕も思う。
数字にせよ、理論にせよ、法則にせよ、理解不可能で想像不可能なものばかりだし、どちらかといえば、苦手な分野だ。

私事の恥で誠に恐縮だが、中学生までは、得意で好きな科目だった数学が高校入学と同時にまったくの苦手科目になってしまった。
すると化学、物理、などといった理科系の科目のほとんどが嫌いになって、ずっと理科系に進むつもりでいたのに、申請の締切の日に文系に変更したという恥ずかしい経験がある。
ところがもともと嫌いだった訳ではないので、知識欲はあるから、興味に任せていろんな本を読んでみると、書かれていることを理解するためには数学や物理学を避けて通れない。
だから、学習する。してみると不思議なもので、理解出来るのだ。
何事も敵対するより、仲良くなったほうが何かと得するものであり要は自分の在り方次第でどのようにでも変わる事を学んだ。
このコーナーでは、中途半端な「宇宙論」を我が物顔で繰り広げていくつもりは毛頭ない。
僕の知識などたかが知れているので、先が続かないだろうし。
それより、宇宙の事を知りたいとか、好きだという人たちと一緒に
僕自身がたくさんのことを、そこから感じたいという方がいい。

  古代文明の宇宙観

  西洋哲学での宇宙観


  宗教的立場での宇宙観

  東洋思想的宇宙観

 そして一人のちっぽけな自分の頭と心の中にある宇宙。
 これらを僕の勝手な想像力で広げていこうと思う。
 “素人”による自由な「宇宙論」これがテーマだ。

 (注釈:僕は何処にも属さない普通の男なので内容は至って普通だ。)


「宇宙ってなんだろう」という表題から逸れてしまったので最後に

「宇宙の未来」について

現在の宇宙はビッグバンによって開闢してから150億年。
この宇宙も、いつまでも同じように続くものではないらしい。
宇宙は永遠に膨張を続ける。

10の12乗年後


黒色矮星や中性子星や暗黒銀河などが
膨張を続ける宇宙の中で散り散りになっていく。

10の14乗年後


銀河内のすべての恒星は核反応をやめる。
お互いの重力と引力が作用せず、系を成す星は
弾き飛ばされる。

10の17乗〜10の20乗年後


銀河の星の約半数は蒸発してしまい、巨大なブラックホールとなる。

10の23乗年後

銀河団も蒸発崩壊、宇宙の大域構造が消滅してしまう。

10の32乗年後


すべての個体物質は消滅する。

10の108乗年後

巨大なブラックホールさえ姿を消す。

10の116乗年後


少量のニュートリノと光分子だけが残る虚ろな空間となる。

ニュートリノ:素粒子の一種。
通常の物質とはほとんど反応せず
透過力が極めて高いので、例えば太陽系の直径ぐらいの厚さの鉛で
あっても通過してしまう。らしい】

そこから見たら、どうってことないでしょ。

02/29/2000

(c)t-adachi/thinpex/thin-p 2000-2002
参考資料:SPACE ATLAS(PHP研究所)



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