産休・育休に向けて
妊活を始める前は、妊娠したら趣味の登山ができなくなる、お酒が飲めなくなる、遠方に行きにくくなる等、
「できなくなること」に目を向けていた。
だからあえて夫と計画的に遊ぶ時期を設け、今二人でしかできないことをたくさんやった。
キャリアの面からも妊活をいつ開始するかは相当悩んだ。前のプロジェクトはリーダーとして完遂させたかったし、
あわよくば昇進してから(標準報酬を上げてから)休職に入りたいという願望もあった。
特に結婚前まではそれなりに仕事を中心に捉えて生きてきた人生、社会から離れることに不安もあった。
そろそろこのあたりだろうという頃合いで妊活に振り切り、
すぐに通院開始、妊娠がゴールになるしんどい時期を経験し、つわりで妊婦としての洗礼を受け、産後や子育てのことを知っていくうちに、だいぶ心持ちが変わってきた。
ちょうど移植に入る前に昇進の内定が決まったこともあるだろう。
無事に予定通りプロジェクトを終えられたこともある。
次の昇進で管理職。休職前にここまでこれたら十分だと思っていた。
ちょうど勤続10年を迎え、仕事の面では今できることをやり切ったという感覚があった。
産後や子育てについては未知だったが、
お子の生理的欲求に答え続ける日々、細切れ睡眠やねんねトレーニング、ホルモンバランスがガタガタで心身ともにずたぼろになること、
離乳食、魔のイヤイヤ期…
うん、全然休みじゃないし、暇じゃないと確信した。
むしろ日々成長していく未知の生命体に向き合う日々はとても創造的なのではないかと感じるようになった。
そもそも妊婦になって、既に相当生活が変わっている。
山に行けなくなり、キャンプも寒さが強まってからは行けていない。
遠方に行くにも、万が一の事態を考えると大きな病院が近くにないと不安になった。
長時間電車に乗るのもしんどいので、東京に出向く回数もかなり減った。
週末はもっぱら車で近場のショッピングモールやスーパーで買い物をしたり、アカチャンホンポでベビーグッズを調べたり、ホームセンターで家の模様替えの準備をしたりしている。
結婚したら将来を見据えて郊外暮らしをしたいと思っていた数年前の自分の直感は、
思っていた以上に当たっていたのかもと思うほど、程よい郊外というのは子育てには本当に快適な環境であるとも再認識した。
生活自体が内向きになっていく中で、ここに新しい生命体が来るのかと思うと、とてもワクワクする。
自分が何を感じ、どう変わっていくのかも楽しみだ。
不妊治療や子育て、産後ケア等、今まで知らなかった世界を知るうちに、何か自分にもできることがないかとも思うようにもなった。
会社を休職する=何もすることがない・社会から離れる、と思っていたイメージは変わり、
むしろ新しいことを知りチャレンジし視野が広がる期間のように感じ始めている。
基本的には、定年まで今の会社で働き続けるつもりだし、今の業界や仕事内容も気に入っている。
ただお子が産まれて、生活や視野が変わっていく中で、自分の可能性も広げていけたらと思う。
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