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耳の困り事その1

先日唐突にAPDマークのキーホルダーを作ったという記事を書いたわけですが
APD当事者のつぶやきももしかしたら誰かの助けになるかもしれないと思いここに書いておこうと思います。

皆さんはAPD(聴覚情報処理障害)もしくは
LiD(聞き取り困難)という言葉を知っていますか?

(詳しくはこちらの公式サイトを読んだ方が
間違いの無い情報が載っていると思います)

それ自体の詳しい説明はこちらでは割愛致しますが
要は人の言葉が聞き取れない聞こえにくい特性があるという事です。

耳鼻科に行って聴覚検査をうけて、専門科医に診てもらう事が出来れば正式に診断してもらえるみたいです。
ただ、まだ世間の認知度が低い?ので
その辺の耳鼻科だとまともに取り入ってもらえるかどうか...

私の近くの病院で診てくれる所は無さそうで
(他県に行けばありますが診断がされるまでにかなり時間と手間がかかりそう)
2年前に健康診断を受けた際には聴覚には問題が無いと診断されています(簡易的な診断ですが)

子供の頃からこの症状があったまま40が過ぎた今現在の私としては
新しい病院に電話して初対面の医師と会話をする事にかなりのハードルの高さを感じるので
よっぽどの事が無い限り
他県に行ってまで受診しないと思います。
(いつか近くに専門科医が来たらいいなぁ)
認知度が上がるよう願ってこの記事を書いております。

とりあえず今回はAPDとしての私の話を書きたいと思います。
聞こえにくさ聞き取りづらさは他の要因もありそうなので、別の記事も書く予定です。

私は幼い頃から人の話を聞いているにも関わらず
何を言われたか聞き取れてない、もしくは覚えてない事が多々ありました。
学生の頃は単純に「頭が悪いからだ」「勉強が出来ないからだ」で片付けていました。
当然両親も何も気づきませんでした。
そうやってなんとなく生きて、生きてこられていました。

成人して働くようになってから生活に段々と支障が出てきました。
社内で仕事をしている時にかかってきた電話の声が聞き取れない事に不安を感じ
電話の音を聞くだけで震え上がって机の下に隠れてしまうようになってしまいました。
どうしても電話に出ないといけない時は
要件を聞く前に名前のみ聞いて応対して欲しい社員さんを呼んで
電話先の人には謝って取り継いでいた気がします。

電話が鳴ると机の下に隠れていた


その時に上司に「電話の内容が覚えられないので電話に出られません」と相談したような、してないような...
20年前の事なので失念してしまいましたが
そんな感じでした。

その後も家族、友人、病院、お店、あらゆる場面で聞き取れない事が多々ありましたが
「いつもそうだから」「私がバカなせい」でやり過ごしました。
昭和〜平成の話なので今のようなAPDという言葉も発達障害という言葉も全然聞いた事が無かった時代です。

数年後、実はメンタルの病気になりお薬を大量に処方される事になるのですが(詳しくはここでは省きます)
その後の働き先では、メンタルの病気のせいで電話に出られない等を社長や先輩方に説明して
電話取り継ぎの仕事を回避していました。
病気のせいで恐らく脳の一部が死んでるのかなと
そう思う事にしました。

なんだかんだで仕事をし結婚をして
身体の不調はあれど何とか生活をしていました。
結婚をした夫は生まれつき耳が少し弱くて
難聴ギリギリ一歩手前、体調を崩すと突発性難聴になる人でした。
そのせいか私も夫も会話を聞き返すという事が日常茶飯事であり
「会話は一度でスムーズに聞き取れない事がむしろ普通」になり
私が「人の話を聞き取れない」という問題は違和感はあれど、そんなもんだろうと過ごしてたのです。

...とはいいつつも
子供の幼稚園のクラスで年に数回行われる
「ママさんランチ会」
これだけは本当に大変だった記憶があります。
宴会場のような広い部屋で20人前後のママさんと同伴のちびっ子達が集まって一斉に話しながら
ランチを楽しむ会があるのですが
全くもって会話が聞き取れず、何を言われても
とりあえず愛想笑いしてごまかし
頭の中で皆んなが何を話しているのか推理して
不意に何か聞かれた時は何度も聞き返すか
「う〜ん、どうなんだろ〜?」
と考えてるフリして他の誰かが横から入ってくれるのを待っている状態でした。
みんな楽しそうにしているのに会話に全く入れないものですから、まるで宇宙人と会食しているみたいで今思い出してもかなり辛かったです。
帰宅したらどっと疲れが出て、そこから数日間は誰とも会いたくなくなって引きこもる生活でした。

ママさんランチ会は異世界に来たみたいな気分

そんなこんなで数十年経った現在
SNSだったかYouTubeだったかは
忘れてしまったのですが「APD」という言葉を
知り、ようやく「これかもしれない!」と気づいたのでした。
耳の障害として他にも気になる事があり、
それについてあれこれ調べていた矢先の話で
調べれば調べるほど症状が当てはまり
ようやく腑に落ちたのでした。
自分の「聞き取れない」にちゃんと理由があり
名前があり、同じ症状の人が何人もいる事に安心しました。

しんどい思いをしつつも
私はもう結構いい歳まで過ごす事が出来て
幸いな事に夫も子供も私が耳(というか脳?)に何らかの障害を抱えている事は理解してくれています。

何か重要な面談(大きな病院や塾の先生と話す)がある時は
私ではなく夫に行ってもらったり
どこかに電話をかけないといけない時は
なるべく夫に電話をしてもらったり
私自身がやらなきゃいけない時は
「あらかじめ会話の要点をメモした紙を準備」して
「相手が話す言葉をなるべく復唱しながらメモを取る」
子供の学校の先生や子供の友達のママさん達には
「自分の特性を前もって説明する」ようにしています。
単に運が良かっただけかもしれませんが
難聴があるママさんがいたり、似たような特性を持っているママさんもいたりして
邪険に扱われる事は無かったです。
むしろ何かしら障害を抱えて生きている人は
私以外にも沢山いるんだなと気づきました。
もちろん全く同じ症状の人なんていなくて
ちゃんとした理解はしてもらえてないかもしれませんが
私も相手の全てを理解する事は不可能だから
何となく「ああ、そうなんだ」くらいで聞いてもらえればいいかなと思っています。

ただ、それでもAPDの事は色んな人に周知された方がいい事だし、
現在生きづらいと悩んでいる方に
何かしら手助け出来たらなと
陰ながら思っています。

とりあえず
ヘルプマーク付けてみたり
APDマーク付けてみたり
ノイズキャンセリング付き耳栓着けてみたり
「私APDなんだよ」と誰かにアピールしてみたり
正式な診断が必要かどうかと言われれば
私は正直今はどっちでもよかったりしますが
ハッキリわかった方がより生活しやすいような気はしています。

なので、もっと多くの人に知ってもらえたらいいなと思います。
とりあえずは
「こんな人がいるよ!」という症例を増やすお手伝いを...しようかな、なんて。

拙い文章ですみません。
いったん終わります。

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