超短編小説『ナンセンス劇場』031
【長生きの秘訣】
「今日は今年で106歳になる安枝ウメさんのお宅にお邪魔しています。
ウメさんこんにちは」
「はい、こんにちは」
「それにしても今年で106歳になるなんてとても思えないですよね。
どんなに頑張って見ても50歳代ですよ。
何か若さの秘訣みたいなものってあるんですか?」
「う~ん、特にこれといって何かしてることは無いんだけどね~。
まぁ強いて言えばパギョラ何とかっていうものを食べてるんだけどそれがいいのかねぇ?」
「パラギョ何とか?」
「ああ、ちょっと待っててね。
今持ってきてあげるから」
「これなんだけどね」
「なんですか、これ?
赤くってパチンコ玉位の大きさですね。
木の実か何かですか?」
「さぁ、私もなんなのかは知らないんだけど、ポポラッドさんが体にいいから食べなさいって言って持ってきてくれるんだよ」
「ポポラッドさん?
外国の方ですか?」
「外国の方なのかねぇ?
全身銀色の服着て、目がギョロッと大きくて…」
「あ、あの…ポポラッドさんは今日お家にいらっしゃいますか?」
「多分いるんじゃないかい?」
「ちょっと会わせてもらうことって出来ないでしょうか?」
「じゃあ行ってみるかい?
裏山なんだけど歩いて20分位かね」
「じゃあ私達の車に乗って行きましょう」
「あれあれ、あそこに見えるのがポポラッドさんの家だよ」
ウメが指さす先を見て一同は息を飲んだ。
家位の大きさの金属の物体が山肌に突き刺さっていた。
「み、みなさん、これより予定を変更して緊急特番『宇宙人は本当に実在するのか!?』をお送りします!!」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?