超短編小説『ナンセンス劇場』007
【未知との遭遇】
昨日、服を買いに町へ出かけたら田辺未知ちゃんと偶然会ったんです。
「未知ちゃんもお買い物? 偶然だね」
「私ハ未知トイウ名前ナノカ・・・。
記憶領域ヘノ融合ガナカナカ進マナイ。
早ク仲間ト連絡ヲ取ラネバ・・・」
未知ちゃんはブツブツと何かを呟きながら行ってしまいました。
【悪の十字架 蛇足篇】
男は店にやって来たが店のシャッターは閉まっていた。
今は9時30分。
看板には10時開店と書いてある。
「なんだ、あくの10時か」
男は10時まで待ち、人を呪い殺すことが出来るという黒い十字架を買って帰った。
【ニオイの元】
朝、起きると部屋の中が臭かった。
ゴミ箱、冷蔵庫、トイレ、いたるところが臭い。
消臭剤をかけても臭いは消えない。
私は清掃業者に電話をかけ家を掃除してもらうことにした。
「ごめんくださ~い、ピカピカクリーニングで~す」
「お待ちしてました、上がってください」
「あの~、鼻の穴にカメムシみたいなものが刺さってますけど」
原因はこれか!!
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