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飲食店は、食べログとどう付き合っていくべきか?

近年のクチコミサイトの台頭で飲食店の評判は、かなりの比重で食べログの評価に左右されています。

この評価の点数やクチコミの内容で、お店の評判を落としたり、閉店に追い込まれたりといった大きな影響が出ている事例も少なくありません。
そして、食べログの点数に一喜一憂しすぎて、困惑している店舗管理者がとても多くいますが、そんな状況に陥らないように、情報を整理していきましょう。

食べログとの付き合い方は3つに分類される

・広告としてフル活用する
・点数を上げる努力をする
・最低限の管理だけする
  読み進めていただき、このいずれかの付き合い方を選ぶと
  決めていただければと思います。

食べログの見ている人はどんな人か?

まず、食べログをみている人はどんな人なのかというのを把握しましょう。
利用者の批判のように聞こえるかもしれませんが、決して批判ではなく、私が感じたことを書き留めています。

大きく分けて5つのタイプに分かれます。

1 クーポン利用が目的の人
  少しでも安く、お得に食事できる店はないかな?と考える人です。

2 自分の判断能力にあまり自信がない人。  
  食べログを常に利用し、徹底的に読んで比較して店を決める人です。

3 イマイチのお店を避けるために防止策としている人
  極端に評価が低い店や店主の癖がありすぎる店だけは入りたくない
  もしくは、そういう店に入ってしまう確率を減らしたい人です。

4 知らない土地で急いで店を探す人
  自分がわからない土地に出向いた時、店を探すときに無難を求める人です。

5 電話帳がわりで、予約窓口として使う人
  店名で検索した時、食べログの表示が上位になることが多いため便利だから
  です。


この5つに分かれます。
そして、1から5の順にお店の食べログへの依存度が下がっていきます。
それでは、詳しく解説していきましょう。
あなたのお店の食べログの依存度を確認していってください。

① クーポン利用が目的の人  【依存度:大】

こういうお客様を「クーポンジプシー」と呼ぶことがありますが、これが目的の人たちは、あまりリピートに繋がらないことは皆さんもご存知の通りです。
しかし、この客層の方々にも来ていただきたい店舗も、もちろん存在します。

そんな店舗は、駅からすごく近くて家賃が高く、人通りの多いところに位置し、ある程の規模を持って経営されてることが多いと思います。

つまり、常に満席に近い状態でないと成り立たないお店です。
もしくは、開業まもないお店で、まずは知ってもらいファーストトライを促すためにクーポンを発行しているお店もあり、まずは、ある程度の来客数を確保することが優先だという店舗です。 

あなたのお店はここに属しますか?

② 自分の判断能力に自信があまりない人。 【依存度:大】

食べログを常に利用し、徹底的に読んで比較して店を決める人で、とにかく点数にこだわり、評価が3.7以下のお店には行かないなどと決めてる方も多くいます。

自分の感覚的なところ、フィーリングでお店を選ぶ人は少なく、とても論理的に判断する方が多いと感じます。
したがって、料理の味も頭で判断する人がとても多く、アカデミックな感想を言う人が多いのが特徴です。

決して、批判ではありません。 
多くのお客様を見てきて、そう判断しました。

こんな客層の方をできるだけ取り込みたいと思いますか?

食べログの点数が低くても、とても人気が高い店もたくさんあります。

ただ、そういうお店に来てくれるお客様は、知人、友人の本当のクチコミでその店を知り、食事して帰った後、食べログに投稿するという行動を取らない人です。

ここまでのような食べログ利用者をお客様として取り込みたいと考えるのならば、
ある程度の課金をする有料プランを選んで広告としてフル活用をすることをお勧めします。

 ・クチコミへの返信をする
 ・メニューの更新を常にする
 ・お勧めメニューを掲載する
 ・予約機能の空席情報を更新する  etc…

毎日のルーティンが増えてしまい、競合する他店舗はたくさんある中で成果を出すには時間を要しますが、少しでも検索にひっかりやすくするために地味に作業する他ありません。

③ いま一歩のお店を避けるため利用している人 【依存度:中】

食べログの評価はあまり気にしていないが、極端に評価が低い店や店主の癖がありすぎる店だけは入りたくない、もしくは、そういう店に入ってしまう確率を減らしたい人です。

最近は、この客層が一番多いと思います。
接待やグループで利用する時には、やはり失礼のないように安心なお店を選ぶことになります。

しかし、「このお店でないとだめだ」とか「どうしてもこの店に行きたい」という熱意はそこまでないことが多いようです。

こんな客層の方も来ていただきたいですか?

決して、来ていただきたいと考えるお店が劣っているというわけではありません。
自分のお店は、この客層を必要としているか否かをはっきりさせることが大事です。

④ 知らない土地で店を急に探す人 【依存度:中】

自分がわからない土地で店を探すなど、近くにある店で優良なお店を探す人です。

③と似ているところがありますが、失敗したくないとの思いから利用する方が多くいらっしゃいます。
この客層が必要なお店は、一見さんでも気軽に入れるお店であることが多く、ヘビーユーザーである常連さんの比率が低い場合が多いです。
 
あなたのお店は、だれでも気軽に入ってきてください、というタイプのお店ですか?

③、④に該当するお店は、有料プランを利用しなくてもいいですが、クチコミの内容を把握して、どんなニーズがあるのか? 
不満だった点はどこだったか?
これらを読み取り、日々改善を図っていくべきです。

また、そのぐらい集客しなけれがいけない事業規模で経営されてることが多いと思います。

クチコミというものを科学的に分析した書籍


⑤ 電話帳がわりで、予約窓口として使う人 【依存度:小】

クチコミでどんなことが書いているかということはあまり気にしておらず、比較的よく行くお店で、営業しているか? 電話番号は? と電話帳がわりに利用し、予約機能を使うことを目的としている人です。

この客層の方々は、食べログでなくてもその情報がわかればいいのですが、店名を検索した時に、一番上に出ることが多く、ただそれを利用している形です。

このような方々だけでやっていけるお店は、こちらからお店を宣伝して、来てもらうという考えよりも、お客さんからお店を見つけ出してもらう自信のあるお店が多いと思います。

このタイプのお店は、そもそも立地があまり良くないところで、フラッと入ってくるお客さんはいないような、そんな場所で経営されてることが多いと思います。

さらに、お店の提供するサービス、料理に自信があり何かのついでではなく、わざわざ来てもらえるお店です。

あまりメディアでも露出してない素敵なお店として、もしくは、隠れ家として、予約の取れない名店、カウンター5席だけのバー、お寿司屋さんなどです。

5席が埋まれば十分のお店が食べログなどのクチコミサイトに課金して、広告として使うことはあまりにも狙いどころがずれています。

そもそもこういう優良店のお客さんたちは、食べログなどをあてにはせず、リアルな友人からのクチコミで半分紹介してもらって来店していますね。

きっと客単価も高く、グルメな人が多いはずです。

こういったお店に該当するなら点数などは気にせず、誹謗中傷のチェックだけすれば十分と考えます。

クチコミを書く人の心理と読み取り方

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クチコミになんて書いてあるか
ではなく
書かれたことをどう読み取るかが大事です。

3年ぶりの東京旅行。
何ヶ月も前に食べログを熟読し、やっとお店を決めて、だいぶ前に予約する。
彼女との旅行で立ち寄る1人1万円ぐらいの高級店。

たまにしかできない旅行で、少し高級なお店を訪れる。
こういった方の評価は高くなりがちなんです。

自分の選んだ店はだめでした、最低でした。。。
となると

自分の能力を否定することになるし、時間かけて選んだ自分をも否定する事になります。
なので、やっぱり評価は甘くなります。

泊まったホテルのクチコミなんかは、さらにそういう心理が働くし、結婚式場のクチコミは、もっとそういう心理が働くことになります。

評価を厳しくできる人は、旅行もいいお店に行くのも慣れていて、そんな人たちは、食べログではなく、自分の力で情報を集めている方が多いのです。

クチコミを書いた人の背景と心理をよく読み取って参考にしてください。
自分のお店が、来て欲しい客層の人の投稿かどうかを判断することが大事です。

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また、経営者が、悪いクチコミが入ったのを見てスタッフに、

悪い評価が入ってるぞ! すぐに改善しろ。
と伝えているところを目撃したことがあります。

この会話が、お客さんに聞こえている時点でアウトだと思いますが、これはちょっと低レベルな経営者というか、スタッフを全く信用できておらず本当に悲しいですね。

何店舗か経営していて、食べログのポイントが一番高い店の店長が、一番評価される会社にはならないようにしてもらいたいです。 

まとめ

今回は、食べログなどの広告宣伝になるようなサイトの話をしてきましたが

一番怖いのは、投稿もしないし、クレームも言わない、

ただ2度と来ない。
 

これですよね。
 
やはり、いつの時代もそうだと思うんですが、食べログなどのサイトには、投稿したこともないようなお客様の冷静な評価が一番お店の売り上げや人気に表れてくることを忘れないでやっていきたいですね。


飲食業は最高に幸せなしごと。