アローチャートがうまく描けない
描けない問題
アローチャートは「描けない問題」との戦いの歴史だといっても過言ではないでしょう。
勉強熱心な人ほど描けないとおっしゃいます。あ、失礼しました。描ける方が勉強熱心ではないと言っているのではありません。
懸命になんとか描こう、何とか理解しようとされる人が描けないないからという理由でアローチャートから離れて行く…そんな場面を数多く見てきましたので、私自身、無力感が募るばかりでした。
伝え方が悪い
「伝え方が悪い」真っ先にそう考えて、試行錯誤を繰り返しました。
お伝えする順番を入れ替えてみる、図を多く用いる、なるべくやさしい言葉で説明する、実務を意識して学術的なことは別の機会に回す、描くための時間も設定し体験していただく、何度も繰り返して欲しいということもお伝えしてきました。
また現場で学び合いの場が持てるようなネットワークを提案し、描いたり読みあったりする機会もなるべく増やそうとしてきました。
しかし、なかなかうまくいきません。
「これは、伝え方だけの問題ではないのかも」そう考えるようになりました。
情報に立ち返る
そこで、1から棚卸しをしながらアローチャートに内在する問題を探してみることにしました。そうです「伝え方」というアローチャートの外にある問題ではなく、アローチャート自身が持っている問題は無いのかという発想です。
アセスメントは情報収集から始まります。まずは、その情報というものに着目してみました。
アローチャートは情報を取り扱う際に、分類思考と関連づけ思考という人間の「思考方法」の違いに関心を寄せてきました。もしかすると、ここに安住しすぎてしまったのかもしれません。
分類思考、関連づけ思考と、もうひとつ
分類思考というのは、情報を捉える時に抜け漏れがないように、またその後の取り扱いがしやすいように、あらかじめ分類できるフレームワークを持った情報把握の方法と思考方法です。
関連づけ思考は、「情報は二つ以上の情報が繋がった時に、より詳細で具体的な意味が生まれる」という考え方をもとに、(特にアセスメントでは原因と結果の関係性を関連づけながら)整理をして行く思考の方法です
しかし、取り扱う情報が客観的な情報と主観的な情報との二種類の情報でアセスメントは展開して行きます。主観的な情報は感情や価値観などの情報を指します。よく考えると主観的な情報は分類も関連づけも、実は馴染まないのです(馴染まないことについては別の機会に)。
ですから、ここにもう一つの思考方法を加える必要があるのです。
それは「はがし」です。
イラスト:なつめりお様 ありがとうございます。
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